仙谷「官房副長官に降格」 (日刊ゲンダイ2010/12/15)

◆江田五月を官房長官にして実権は手放さない

どこまでワル知恵のはたらく男なのか。
問責決議が可決されても、平然と閣内に居座り続けている仙谷長官。しかし、このまま大臣を続けていたら、来年1月の通常国会は冒頭から大荒れ必至。正月明けにも、菅首相は内閣改造を行って、仙谷長官を更迭せざるを得ない。そこで、仙谷周辺は未練がましい奇策を用意しているという。
「官房長官を辞任して、官房副長官に退くというプランです。この人事なら、問責を受けた仙谷長官は降格したことになり、野党も文句をつけづらい。そのうえで、官房長官には江田五月・前参院議長をお飾りで据えるシナリオです。これなら仙谷長官は、今までと同じように官邸の実権を握りつづけられる。年間15億円の官邸機密費も、意のままです。しかも、スポークスマンをはずれれば攻撃されにくい。権力のためなら、なんでもやる人物だけに、あっさり副長官に降格するとみられています。過去、官房長官が官房副長官に降格した例は、保利茂に譲った佐藤内閣の木村俊夫のケースがあります」(政界関係者)
この人事の隠れた狙いは、小沢にトドメを刺すことだという。
「菅・仙谷コンビが、小沢元代表の“政倫審”招致を要求していることに、小沢グループは『問責を受けた仙谷長官の問題を片づけるのが先決だ』と反発している。しかし、仙谷長官が責任を取って官房長官を辞めてしまえば、小沢グループは攻め手を失う。さらに、畳み掛けるように、仙谷長官が『私も身を引くから、小沢さんも政倫審に応じるべきだ』と迫り、拒否したら離党勧告する考えだといいます。このシナリオなら仙谷長官は実質的に何も失わず、小沢元代表を追放できるのです」(民主党関係者)
副長官に降格したからといって、野党や世間が許すなんてあり得ない。何の大義もなく、策士、策に溺れて自滅の展開になってきた。




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