●最高検ナンバー2も年内辞職へ 人心一新し再建はかる
(朝日新聞2010年12月17日3時0分) http://bit.ly/hV1UPU


 大阪地検特捜部が手がけた郵便不正事件と、その後に発覚した証拠改ざん・犯人隠避事件を受けて辞意を固めた大林宏検事総長(63)とともに、最高検ナンバー2の伊藤鉄男次長検事(62)も年内に辞職する意向を固めた。24日に一連の事件の検証結果が公表されるのに合わせ、人心を一新する必要があると判断した。

 検事総長が任期半ばで不祥事の責任を取って辞職するのは、戦後初めて。一連の人事は来週中の閣議を経て27日にも発令され、大林氏の後任の検事総長には、笠間治雄・東京高検検事長(62)が就く見通しだ。その後任の東京高検検事長には、小貫芳信・名古屋高検検事長(62)を充てる。また、伊藤次長の後任には、小津博司・札幌高検検事長(61)が就任する。

 大林氏は、法務省の官房長や事務次官、札幌高検検事長などを経て今年6月に検事総長に就任。その後の9月に、大阪地検特捜部の元主任検事による証拠改ざん事件が発覚した。さらに10月には、大阪地検の前特捜部長と元副部長が犯人隠避容疑で逮捕される事態に発展した。

 大林氏に対しては、政界などから検察トップとして辞職を求める声が出ていた。また、証拠改ざん・犯人隠避事件の捜査を指揮した伊藤氏は、一連の事件の検証チームの座長を務めていた。事件の検証結果と再発防止策がほぼまとまったのを機に、最高検のトップ2人がそろって辞職し、新しい体制で再建をはかることにした。

 後任の検事総長となることが有力視されている笠間氏は、東京地検特捜部の在籍が長く、リクルート事件の捜査や公判を担当。特捜部長時代には、村上正邦元労相らを逮捕・起訴したKSD事件などを指揮し、その後は、最高検刑事部長や広島高検検事長などを歴任した。東京地検特捜部長経験者の検事総長就任は、ロッキード事件などを指揮した吉永祐介氏以来、17年ぶりとなる。

郵便不正事件の捜査や公判など一連の経緯については最高検が検証を進めており、今月24日に再発防止策を含む検証結果を公表する。東京、大阪、名古屋の各地検特捜部の独自事件で取り調べの一部の録音・録画(可視化)を実施することや、証拠をチェックするための検事を置くことなどを、再発防止策として打ち出す見通しだ。



●検事総長が辞任の意向…証拠改ざん事件で引責
(読売新聞2010年12月17日01時49分) http://bit.ly/fKTQKt

 大阪地検特捜部による証拠品改ざん・犯人隠避事件の責任を取り検察トップの大林宏・検事総長(63)が年内に辞任する意向を固めたことが16日、わかった。

 検事総長が不祥事で引責辞任するのは初めて。大林氏は取材に対し、「(辞任は)自分で決めた。(一連の事件で)検事3人が起訴されたことが大きい」と述べた。後任には、笠間治雄・東京高検検事長(62)が就任する見通し。

 大林氏は法務省刑事局長や次官、東京高検検事長を経て6月に第25代検事総長に就任した。65歳の定年まで任期を約1年半残しての辞任となる。笠間氏は来月1日で検事長として定年退官となるため、その前に交代する意向とみられる。

 証拠品改ざん事件では9月に、同部元主任検事・前田恒彦被告(43)が証拠隠滅容疑で逮捕されたのに続き、改ざんを隠蔽したとして上司だった同部前部長・大坪弘道被告(57)と元副部長・佐賀元明被告(49)も犯人隠避容疑で逮捕された。




●検事総長辞任…官邸、先週半ばに報告

(読売新聞2010年12月16日22時11分) http://bit.ly/gJ2kwm

大阪地検特捜部による証拠品改ざん・犯人隠避事件などの責任を取り、検察トップの大林宏検事総長が近く辞任する意向を固めたことについて、政府側は「自発的な決断だ」(法務省関係者)と強調している。

 複数の政府関係者によると、大林氏側からは先週半ば、政府高官に内々に辞意が伝えられた。菅首相らから異論は出ず、15日に人事案の形で首相側に示されたという。

 大林氏の辞意について、菅首相は16日夕、首相官邸で記者団に、「現時点では報道で知った段階だ」と繰り返した。法相を兼務する仙谷官房長官も記者会見で、「人事は正式発表があるまで一切コメントしない」と述べた。

 同時に、検察トップが代わった場合に期待する人物像について、「(不祥事について)自らの体にメスを入れて膿(うみ)をえぐり出す勇気と情熱、ミッションを持った方だ」と強調した。


●検事総長辞任へ 続投一転…異例の退場劇 「厳しい船出に。氷山を進むような…」
(産経新聞 12月16日(木)21時7分配信) http://bit.ly/gFtyLR


 続投表明から一転、大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)・犯人隠避事件などで大林宏検事総長(63)が引責辞任の意向を固めた。「突然、決まったのか」「辞めなくてもいいのに」。16日、就任からわずか半年で検察トップが辞任する事態に、法務・検察内に衝撃が走った。事件の舞台となった大阪地検では「申し訳ない」との声も。辞任の背景には何があったのか。

 東京・霞が関の法務・検察合同庁舎20階会議室で15日に開かれた昼食会。最高検検事が一堂に集まり、検事総長の大林氏も出席した。出席した最高検検事は「総長と会話はしなかったが、普通だった」。それだけに突然の辞意に驚きが大きいという。

 「まだ続けていくと思っていたのでびっくりした。本当なのか」。ある検察関係者は信じられない様子でこう語った。大林氏は大阪地検特捜部の不祥事の責任を取った形だが、検察内部では「辞任は必要ない」との擁護論も根強い。

 一方で、辞任のタイミングをめぐっては厳しい声も。別の幹部は「辞めるなら、前特捜部長を起訴した段階で辞めないと意味がないのでは。今さら辞めても何の衝撃もない」と冷ややかに受け止めた。幹部の一人は「大阪の事件以降、検察にとって流れが悪すぎる。もうめちゃくちゃだ」と肩を落とした。

 「もう定年退官の送別会をやってしまったよ。本当に笠間さんなのか?」

 大林氏の後任として有力視されている東京高検の笠間治雄検事長(62)は、来年1月2日で定年退官を迎えるはずだった。今月半ば、高検内では送別会を兼ねた忘年会を開催。参加した高検の関係者は笠間氏の名前が挙がったことに驚いた。大林氏が辞任の意向を固めた時期が、つい最近だったことがうかがえる。

 就任から半年、任期を1年半残して突然の辞意。検察ナンバー2の伊藤鉄男次長検事(62)も近く勇退することが決まっており、幹部の一人は「こういうときこそ、組織が揺るがないように気を引き締めなければならない」という。

 体制刷新を図って再出発することになる検察当局。ある幹部は「厳しい船出になるだろう。氷山を砕氷船で進むようなものだ」と語った。


●大林検事総長、辞職へ 証拠改ざん事件で

(朝日新聞2010年12月16日15時9分) http://bit.ly/gTKJaX

 大阪地検特捜部による証拠改ざん・犯人隠避事件を受けて、大林宏検事総長(63)が16日までに、辞職する意向を固めた。後任は、笠間治雄・東京高検検事長(62)を軸に検討している。

 大林氏は、今年6月に検事総長に就任したばかりだった。その後の9月に証拠改ざん事件が発覚。10月に大阪地検の元特捜部長らが犯人隠避罪で起訴された際には、記者会見で「徹底した検証を行い、抜本的な改革案を講じたい」と述べ、組織改革に意欲を示していた。

 一連の郵便不正事件については、最高検が検証を進めており、今月24日に再発防止策を含む検証結果を公表する予定。大林氏は、そのタイミングで辞職する決断をしたとみられる。


●検事総長 辞職の意向固める
(NHKニュース12月16日 19時36分) http://bit.ly/hTEr73

検察庁トップの大林宏検事総長が、大阪地検特捜部の元部長らが逮捕・起訴された一連の事件の責任を取って今月末にも辞職する意向を固めたことが、検察関係者への取材でわかりました。不祥事の責任を取って検事総長が任期の途中で辞職するのは、初めてです。


大林宏検事総長(63)は、法務省の事務次官や東京高等検察庁の検事長などを経て、ことし6月、全国の検察庁を指揮する最高検察庁トップの検事総長に就任しました。しかし、就任3か月後のことし9月、厚生労働省の局長だった村木厚子さんの無罪が確定した事件をめぐって、大阪地検特捜部の元主任検事が証拠を改ざんしたとして逮捕・起訴されたほか、当時の特捜部長と副部長が改ざんを把握しながら隠蔽したとして、逮捕・起訴される前例のない事件が起きました。


一連の事件では、元特捜部長ら3人が懲戒免職処分になったほか、上司ら6人も処分を受け、このうち3人が辞職しました。大林検事総長は、一連の事件についてことし10月、記者会見し、「前代未聞の事態に至ったことについて、国民の皆さまに深くおわび申し上げたい」と謝罪したうえで、みずからの進退については「失われた国民の検察に対する信頼を一刻も早く回復することが、私の果たすべき責任です」と話していました。


最高検察庁は、村木さんの無罪が確定した事件や一連の事件について、捜査や裁判のどこに問題があったのか検証作業を進めていて、今月24日に再発防止策と共に公表することにしています。検察関係者によりますと、大林検事総長は、検証結果がまとまるのを区切りに、一連の事件の責任を取って今月末にも辞職する意向を固めたということです。

大林検事総長の任期は、65歳になる再来年の6月まででした。不祥事の責任を取って検事総長が任期の途中で辞職するのは、初めてです。

さらに最高検ナンバー2の伊藤鉄男次長検事(62)も定年を待たずに辞職する意向だということで、最高検は、改革を進めるため態勢を一新する必要があると判断したとみられます。後任の検事総長は、東京高等検察庁の笠間治雄検事長(62)を軸に調整が行われているということです。無罪が確定した村木厚子さんの弁護を担当した弘中惇一郎弁護士は「事件の捜査について責任を感じて辞職するということ自体はプラスに評価したい。

しかし、検察庁として個別の事件の立証に失敗したことへの反省程度なのか、あるいは、基本的な捜査の問題点について反省するのか、今月24日に公表される最高検察庁の検証結果を見てから評価したい」と話しています。


大林検事総長が辞職の意向を固めたことについて、元東京地検特捜部副部長の堀田力さんは「再発防止策を作った段階で辞職するのは最も適切なタイミングだし、潔い判断だと思う。辞職する際には理由をうやむやにせず、事件の責任をとって辞めると明らかにすることで、絶対に同じような事件を起こさないということを検察官全員に強く自覚させてほしい」と話しています。

大林検事総長が辞職の意向を固めたことについて、検察改革を議論している法務省の検討会議の委員でジャーナリストの嶌信彦さんは「辞職はある意味当然だと感じる。検察が証拠を改ざんするという前代未聞のことをやって、えん罪事件を起こしたわけだから、最高検としても何らかの責任を取らざるを得ないのが実情だと思う。検察は絶大な権力を持っているので、もう少し謙虚な姿勢を国民の前に示すような改革を行うことが大事だ」と話しています。


●大林検事総長が年内に辞任 改ざん隠蔽事件で引責
(共同通信2010/12/16 21:16) http://bit.ly/h5p9Mi

 検察トップの大林宏検事総長(63)が、大阪地検特捜部の証拠改ざん隠蔽事件などの責任を取り、年内に辞任する意向を固めたことが16日、検察関係者への取材で分かった。

 65歳定年の検事総長が任期半ばで引責辞任するのは極めて異例で、後任は笠間治雄東京高検検事長(62)を軸に検討が進められている。

 来週中の閣議決定を経て27日に発令される見通し。

 厚生労働省の文書偽造事件の捜査に端を発する不祥事を受け、最高検が24日に検証結果を法相の私的諮問機関「検察の在り方検討会議」に報告するのに合わせ、自身の辞任で体制を一新する必要があると判断したもようだ。

 大林総長はことし6月から現職。10月に柳田稔法相(当時)から信頼回復に向け努力するよう異例の指示を受けて謝罪していた。


●arths2009
2010.12.16 15:37
大林宏検事総長が辞職して、後任は笠間治雄・東京高検検事長(62歳・48年生まれ、26期)か?検事は通常63歳が定年で検事総長だけは65歳だから、笠間氏が定年を迎える前に大林氏が退いたということで、これは既定路線の誤魔化し人事。この機会に検事総長の民間登用を議論すべきだ!