●郵政法案「公明賛成できる内容に」民主・岡田幹事長
(SankeiBiz 2010.12.14 11:17) http://bit.ly/i7JTOD

 民主党の岡田克也幹事長は14日午前、新潟県新発田市内で開かれた会合であいさつし、来年の通常国会に継続審議となった郵政改革法案について「与党は参院で過半数がない。自民党の賛成はなかなか難しいので、公明党が賛成してもらえるような形に持っていければ成立が容易になる」と述べ、公明党の賛同が得られるように内容を修正することも視野に対応していく考えを表明した。

 法案の早期成立を求めている国民新党にも「先の臨時国会が始まったときから、そういう話をしている」とすでに理解を求めていることを明らかにした。


郵政で公明の意向反映も 岡田幹事長
(日経新聞2010/12/15 0:37) http://s.nikkei.com/dURaO3

 民主党の岡田克也幹事長は14日、通常国会で成立を目指す郵政改革法案について「公明党に賛成してもらえるような形にすれば成立が容易になる」と指摘した。公明党の意向に沿って法案を修正することに柔軟な姿勢をにじませたとみられる。



●民自大連立キナ臭い―狙いは公明党引き寄せ
(J-CASTニュース 2010/12/ 9 13:46) http://bit.ly/g9hKsb

菅内閣の支持率が急落するなか、政界が騒がしくなってきた。昨日(2010年12月8日)は真珠湾攻撃の日だったが、永田町では様々な動きがあった。キャスターの笠井信輔が伝える。

まず、都内のすし屋で開かれたある会合。顔ぶれに注目だ。鳩山由紀夫前首相、小沢一郎民主党元代表、舛添要一新党改革代表、無所属の鳩山邦夫元総務相。招集したのは鳩山前首相。すしをつまみながら、鳩山前首相は「菅政権は私たちを切って政権浮揚しょうとしているのだから協力のしようがない」とあからさまに政権批判をしたという。当然ながら、政権再編を巡っての意見交換もあったようだ。

年内に何かが起こる
一方、自民党本部には意外な人物が現れた。読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長だ。自民党の谷垣禎一総裁と会談し、「民主党との大連立を提案した」というのだ。渡辺といえば、3年前、自民党・福田康夫総裁、民主党・小沢代表のときにも大連立を仲介、失敗に終わった経緯がある。今回は菅政権からの要請だったというから、笠井キャスターならずとも、いったい何が起こっているのか、と驚くほかない。


この動きについて、政治アナリストの伊藤惇夫は「来年の通常国会をにらんで公明党を味方につけたいのだろう」とみる。つまり、自民党との大連立の動きをみせかけて、公明党を引き寄せる作戦というのだ。

他方、渡辺は前日に鳩山前首相とも会っており、菅直人首相は8日、自民党の森喜朗元首相とも会談している。政治ジャーナリストの角谷浩一は予測する。

「誰が味方で誰が敵か分からない。ただ、年内に何かが起こるだろう」
政界相関図を示しながらの笠井のレポートを聞き終えた司会の小倉智昭が、呆れた表情でため息をつき、コメンテーターの慶大教授の福田和也に聞く。

「どう思いますか、このうごめき」
福田も「ご老人が出てこないと何も動かないというのは悲しい状況ですね」と言うほかないようだった。



社民と復縁、大連立など理念なき民主の多数派工作 解散に追い込まれる気配も
(zakzak 2010.12.14) http://bit.ly/eqJGot

民主党の小沢一郎元代表が警告していた通り、12日の茨城県議選は、民主党執行部にとって不本意な結果となった。推薦を含めて24人の候補者を立てたにもかかわらず6人しか当選しなかった。NHKの出口調査でも菅政権は2割しか評価されていない。

 茨城県議選の敗因は、3日に閉会した臨時国会での民主党のボロボロぶりだ。閣僚の失言が多すぎた。内閣提出法案37本のうち成立したのは14本、38%と過去に記憶ないほど低い成立率だった。そして、尖閣諸島での中国漁船衝突問題での不手際などによって、菅政権は急速に支持率を下げた。仙谷官房長官らの問責決議も行われた。

 今月は国会がなく、民主党も野党から攻められない。国民生活に直結する来年度予算のために、良いところを見せられるはずだが、なにしろ来年の通常国会を乗り切る自信がない。

 そこで、菅政権は、社民党との復縁、公明党の取り込み、さらには自民党との大連立を含むあらゆる国会対策を弄している。

 もちろん、社民党との復縁は、参院でのねじれがあるから衆院での再議決に必要な3分の2の確保が狙いだ。社民党が連立に復帰すれば、ぎりぎりその数を確保できる。公明党であれば、参院でのねじれがなくなる。そして自民党との大連立になれば、何も怖いモノはなくなる。ただ、大連立の動きに出てくる人物は、権力の魔力にとりつかれた亡霊、妖怪のような政治屋たちばかりだ。

 しかし、民主党は、数合わせに必死で、政策というしっかりした軸も何もない。いろいろと選択肢はありうるが、社民党との復縁、公明党の取り込み、自民党の大連立と、だんだんとハードルが高くなる。とりあえず、社民党との復縁、あわよくば公明党の取り込みまでできれば御の字ということだろう。

 それへのきっかけが、「小沢斬り」である。菅政権は一度は小沢氏を斬って支持率回復を果たしたので「夢よもう一度」だ。それが小沢氏を政治倫理審査会で議決して国会招致を図るという民主執行部の戦略になっている。

 いずれにしても、ここまでくると民主党は分裂含みになってきている。一方で、社民党は普天間予算に反対するなどハードルを上げ始めている。

 すでに、菅政権、民主党執行部にとっては「前門の虎、後門の狼」の状態だ。自民党もこうした民主党の瀕死(ひんし)状態は手に取るようにわかるので、助け舟になりかねない大連立に動くとは思えない。当然、解散総選挙へと追い込んでいくだろう。こうした状況では、すぐにも、民主党が、党運営や予算、政策に手詰まって解散総選挙になるような気配がある。(嘉悦大教授、元内閣参事官・高橋洋一)



●公明は「生活実感」で政策提言
(公明新聞:2010年12月14日付) http://bit.ly/eBYz6u

ラジオ番組で山口代表

公明党の山口那津男代表は12日放送のラジオ日本の番組「長野祐也の政界キーパーソンに聞く」で、迷走する民主党政権への対応などについて見解を述べた。

山口代表は、民主党と社民党との連携強化について、「極めて危うい数合わせに過ぎない。(衆院で法案を再議決・成立させる)3分の2(以上の多数)と言っても、一人でも欠席すれば破たんする」と指摘。「しかも外交や安全保障で基本政策が大きく違う。普天間問題でも心配したが、それを繰り返すのでは心許ない」と批判した。

また、来年の通常国会での野党共闘について、「課題によりけりだ。国民が今の政権に飽き足らず、『もっと厳しく追及せよ』という声であれば、足並みを揃えることもある」と述べるとともに、「特定の政策分野で『これを早く実現しろ』と野党も論陣を張り、場合によっては政府の提案に協力することもあり得る」とし、「公明党は国民の生活実感に沿った政策を提案していく」と述べた。



●民・社連携 安全保障など隔たり

(公明新聞:2010年12月8日付) http://bit.ly/hFogvU

内閣支持急落 “常在戦場”の構えで BS番組で山口代表

公明党の山口那津男代表は6日夜、BSフジの報道番組「プライムニュース」に出演し、菅政権の問題点や今後の公明党の対応などについて、大要、次のような見解を述べた。

一、(民主党政権の政策判断について)党内に統率感が見られず、党幹部と内閣との連携がうまく取れているかも分からない。ある立場の人から発信があったとしても、党や政権を代表して責任をもって遂行できる構造があるのかもよく分からない。(意見を)集約する方向に進んでいかない場面を何度も見せられた。

TPP(環太平洋連携協定)は、その典型だ。APEC(アジア太平洋経済協力会議)の直前になって議論が突然出てきた印象だった。日韓図書協定も、合意を呼び掛けたが、政権側が具体的に努力する姿が見えず、せっかくの機会を失った。そういう意味で、具体性、積極性が見られない。

一、(参院での公明党のキャスチングボートについて)最後の決定権があるとすれば、それは課題ごとに責任ある対応をとることであり、数合わせで(議会の)多数を作ることではない。国民が本当に望むことを実現するためにどうするかだ。

例えば、補正予算、経済対策について、われわれは現場でつかんだことを提案している。しかし政府・与党に動きがない以上は違う結論になる。また、政権があまりにも外交や安全保障で、体たらくぶりを見せれば、厳しく国民に代わって叱らなければならない。

一、(菅政権への対応について)参院選でレッドカードを突き付け、連携を決めて臨むわけにはいかない。片や、政権を倒して何が出来上がるか、次の姿を明確に描き切れる状況にない。ただ(政権を)倒せばいいというのは無責任だ。当面、必要な課題を一つ一つ見極め、「これを作る」「これは止める」といった決断をせざるを得ない。

一、(与党と社民党との連携について)非常に不透明で、うまくいかない可能性が高いのではないか。外交や安全保障政策で相当な隔たりがある。昨年、(社民が入った)連立政権が発足したが普天間(飛行場移設)問題などで厳しく指摘せざるを得ない結果が出た。これからの課題でもいろいろ残っている。

一、(衆院解散・総選挙の見通しについて)菅内閣の支持率は下がっていて、これから先、急激に上がるのはよほどのことがないと難しい。そういう意味で「自滅国会」と言ったが、「政権の自滅」はなきにしもあらずだ。ただ、解散は首相が決めるもので、野党が決められない。解散を恐れるのではなく、常在戦場の構えを整えていく。

一、(来年4月の統一地方選と次期衆院選が重なる可能性について)現実味を帯びてこないとも限らない。非常に政権の命運は厳しいところにある。


●山口・公明代表:衆院選と統一選、ダブルも「対応」
(毎日新聞 2010年12月7日) http://bit.ly/eKFR0o

 公明党の山口那津男代表は6日夜のBSフジの番組で、来年4月の統一地方選と次期衆院選が重なる可能性について「困らないように対応していく。現実味を帯びてこないとも限らない」との考えを示した。

 昨年の衆院選で全敗した8小選挙区すべてに候補者を擁立する意向を明らかにし、「解散を恐れず、常在戦場の構えを整える」と強調。統一選を重視する公明党はこれまで、早期の衆院解散・総選挙には消極的とみられていたが、選挙準備を急ぐ方針に転換した。【


統一選意識、「対決路線」にかじ=解散回避も本音-公明
(時事通信2010/12/05-14:12) http://bit.ly/hhA2qH

 公明党の菅政権との対決姿勢が際立っている。閉幕した臨時国会で、同党は仙谷由人官房長官、馬淵澄夫国土交通相の問責決議に賛成。次期通常国会でも、仙谷氏らが出席する国会審議に応じない方針の自民党と足並みをそろえる。ただ、早期の衆院解散を回避し、重視する4月の統一地方選に専念したいのも本音で、先の見通せない中での「対決路線」でもある。
 「自滅国会と言わざるを得ない」。山口那津男代表は3日の臨時国会閉幕に当たり、菅政権の国会運営をこう酷評した。
 公明党は当初、主張が一部取り入れられた2010年度補正予算に賛成して、統一地方選への「実績」とすることも考えていた。しかし、菅政権は、中国漁船衝突事件への対応など「外交で失態を重ねた」(山口代表)。小沢一郎民主党元代表の国会招致に向け、公明党は菅直人首相に指導力発揮を再三求めたが、無視された。その末の内閣支持率急落だけに、支持者の間で政権への反発が高まり、「協調」から「対決」に転換せざるを得なかった。
 井上義久幹事長は1日に国会内で開いた党の会合で、小沢氏招致への努力を約束した民主党の岡田克也幹事長をやり玉に挙げ「信頼関係は崩れた」と、激しい口調で批判した。党内の一部からは「今、選挙をすれば昨年の衆院選で負けた仲間もみんな帰ってくる」(ベテラン)と早期解散を容認する声も出始めている。
 「内閣支持率の回復はない」(幹部)。山口代表ら執行部は、菅政権を見切りつつあるようだが、民主政権との連携の可能性を完全に断ったわけではなさそうだ。もともと福祉や環境など政策面で共通点は少なくない。対決に軸足を移したのは「泥船の菅政権に手を貸せば、統一地方選を勝ち抜けない」(中堅)という事情もある。党内では、期待も込めて「遠からず菅首相が退陣し、後継首相はしばらく解散せずに政務に専念する」(同)との声がささやかれるが、不確定な要素が多く、展開は不透明だ。


自民、民主と熱い「公明争奪戦」 衆院選挙区譲渡打診
(朝日新聞2010年11月29日4時17分) http://bit.ly/fL9E4S

 自民党が次期衆院選で東京21区に候補者を立てないことを公明党に打診した。公明党との共闘維持が狙いだ。公明党は民主党との連携の芽を残すため態度を決めかねているが、ねじれ国会で公明党の存在感がますます高まっていることを印象づけた。

 自公政権で臨んだ昨夏の衆院選で、公明党は8小選挙区すべてを失う歴史的敗北を喫した。民主党政権が失速する中、提案を受け入れて自民党との選挙協力を続ければ議席回復の可能性も高まるが、民主党政権と連携する選択肢を失いかねず、今の時点で自民党と約束を交わすことは避けたいのが公明党の本音だ。

 民主党はねじれ国会を乗り切るには公明党の協力が欠かせないと思い定め、公明党への傾斜を強める。自民党にとっても菅政権打倒には公明党の協力が不可欠。2大政党の「公明争奪戦」は過熱する一方だ。



●自民、公明に選挙区「譲渡」打診 公認落選の東京21区(朝日新聞2010年11月24日23時27分)http://bit.ly/hBlAub
自民、公明両党の幹事長、国対委員長らが22日夜に都内の日本料理店で会った際、自民党の石原伸晃幹事長が「東京12区と21区はいつでも空けてます」と両選挙区に候補者を立てない考えを公明党側に伝えたという。


矢野氏の叙勲 公明党にくすぶる猜疑心
(産経新聞2010.11.3 05:01) http://bit.ly/dxlO3B

秋の叙勲で元公明党委員長の矢野絢也氏の旭日大綬章の受章が決まった。公明党の支持母体である創価学会の池田大作名誉会長への叙勲が実現していないこともあり、公明党OBは調整段階で辞退することが慣例となっている。それだけに創価学会と対立する矢野氏の受章は公明党の民主党への猜疑(さいぎ)心に火をつけることになった。

 「政府が判断したことであり、ノーコメントだ」

 公明党の山口那津男代表は2日、産経新聞の取材ににべもなかった。だが、公明党幹部はこうつぶやく。

 「なんで今こんな要らないことばかりするのかね。何考えてるんだか。仙谷(由人官房長官)さんの頭の中を割ってみたいよ…」

 矢野氏は公明党書記長や委員長を歴任した政治評論家だが、数年前から党や創価学会と対立し、党OBや学会幹部らと訴訟合戦となった。矢野氏は「公明党と学会の関係を国会で証言したい」とも発言し、学会から「仏敵」とされる。

 公明党が勘ぐるのは受章の経緯だ。受章者は各団体の推薦者から内閣が審査し閣議決定する。それだけに政権中枢に矢野氏に肩入れする人物がいるのではないかとの疑念は深まる。

 菅直人首相はかつて国会で「政教分離」問題を取り上げた経緯もあり、公明党の信頼は薄い。仙谷氏に至っては矢野氏の長男を公設秘書に迎えたこともあり、さらに不信が強い。

 しかも創価学会がもっとも嫌う「政治とカネ」の問題はなおくすぶり続ける。民主党の小沢一郎元代表について民主党は自浄能力を示せないまま。偽装献金問題が再燃する鳩山由紀夫前首相もあいまいな説明を続け、任期限りの政界引退までも撤回してしまった。

民主党との関係修復を狙う山口氏は顔に泥を塗られたようなものだ。ある公明党幹部は「公明党は第三極としてアシストして、よい補正予算を作りたかったが、菅政権はひどすぎる」と不満を隠さない。

 そんないら立ちが募る中での矢野氏の叙勲。創価学会と公明党の猜疑心は敵愾(てきがい)心に変わりつつある。首相は9月下旬に池田名誉会長が創立した東京富士美術館を訪問し、得点を稼ごうとしたが、ある学会幹部はこう言い放った。

 「とっくに帳消し。いまはマイナスだ…」(佐々木美恵)



● 菅政権が土壇場で公明党に見捨てられた3つの理由
野党は仙谷、馬淵の更迭がなければ審議拒否の構え

田崎史郎「ニュースの深層」
(現代ビジネス2010年12月06日) http://bit.ly/fo4bwg


「まったく考えていない」-。

 首相・菅直人は12月3日、記者団から内閣改造・民主党役員人事の可能性を聞かれて、きっぱりとこう言った。

 臨時国会閉幕直後で暮れの来年度予算編成を控えている時期だからこう言ったのか、それとも現体制のままで来年の通常国会を乗り切れると本気で思っているのか……

 後者だとすれば、野党に対する認識が極めて甘く、かつ、民主党執行部の脆弱さも分かっていないと言わざるを得ない。

 まず、野党の分析から。自民、公明、みんなの党の主要野党は菅政権に対して強硬な姿勢で臨む。参院で問責決議が可決された官房長官・仙谷由人、国土交通相・馬淵澄夫が交代しなければ来年1月下旬召集の通常国会冒頭から審議に応じない構えだ。

 もとより、衆院の不信任案と異なり、問責決議が可決されたからといって、法律的な制約はない。しかし、与野党の力関係からみて、主要野党が審議拒否した場合、今の民主党政権に中央突破する力はあるだろうか?

 先の民主党代表選で元代表・小沢一郎に投票した人たち200人が「党内野党」となっていて、その一部は早くも仙谷らの辞任を求める発言を始めている。主要野党が強硬戦術をとった場合、党内で野党にエールを送る動きが出ないとも限らない。

 この事態を招いたのは、政権側が公明党の取り込みに失敗したことが原因だ。たしかに公明党は一時、今年度補正予算案に賛成する素振りを見せた。しかし、結局、反対に回り、さらに問責決議で自民党などとの共同歩調に走ったのは以下の理由からだ。

1)菅内閣の支持率が急落し存亡の危機に陥っているのに、協力しても何の得もない

2)来年4月に統一地方選を控え、政権と対決していた方が選挙を戦いやすい

3)配慮に欠ける民主党政権の対応

 配慮に欠けるのはたとえば、秋の叙勲で元公明党委員長・矢野絢也に対して旭日大授章を授与したことだ。この時、公明党幹部には官房長官・仙谷由人から内定後に「事務的に決めた」と電話があっただけだった。矢野と公明党・創価学会との関係、元公明党委員長・竹入義勝を除いて勲章を断っている公明党国会議員の実情を考えれば、もっと丁寧な配慮があってしかるべきだった。

もともと公明党は政権とうまく付き合い、衆院解散・総選挙を遅らせたいという習性を持っている。しかし、そうした本音を出せない状況に政権側が追い込んでしまった。

穏健派の代表・山口那津男でさえ、「今の政府・与党の姿勢であれば、基本的な姿勢は変わらない」と話し、通常国会入り口で強硬策をとる構えを崩していない。

 自民党やみんなの党は来年の通常国会で衆院解散に追い込み、政権獲得を狙っている。こうした状況では、通常国会冒頭から混乱する可能性が高い。


■野党のホンネを聞き出せない幹事長と国対委員長

 これに対して、民主党の執行部体制は極めて脆弱だ。幹事長・岡田克也は土曜日、日曜日に地方行脚に出掛け、国対委員長・鉢呂吉雄は地元の北海道にたいてい戻っている。

 与党の幹事長、国対委員長は野党の幹部とねんごろになって本音を探り、落としどころを見つけるのが仕事だ。その重要性は「衆参ねじれ」下の国会において、より増している。にもかかわらず、岡田は前法相・柳田稔が更迭された後、更迭と引き替えに野党から補正予算案審議の約束を取り付けていなかったことを記者団から問われ、こう言った。

「今の国会は55年体制ではない。先々の(国会審議の)ことまでを(手を)握っているとか、古い政治を我々はしていない」(11月22日の記者会見)

 与野党間の事前の根回しを「古い政治」と切って捨てたのである。この発言に、参院民主党のドン、議員会長の輿石東は「あれは政治家じゃない」と目をむいた。参院の国対幹部も「国対はいらないということだろう」と反発した。

 先の臨時国会では、与党は国会審議で譲歩に譲歩を重ね、予算委員会などの審議に応じた。その影響で菅や、答弁準備に当たる首相官邸の要人は早朝から勉強会を開かざるを得ず、疲弊した。来年の通常国会でこうしたことが続き、予算関連法案の処理に失敗すれば政権の命運が尽きかねない。

 こうした政治情勢なのに、菅は4日、政権半年を振り返り、記者団にこう言った。
「現在進んでいることや、進める準備をしていることを国民の皆さんに伝える発信力が足りなかったかなと考えている。今後は、いろいろな機会に国民の皆さんに積極的に私の考え方を伝えていきたい」

こんな悠長なことを言っている場合なのか。(敬称略)


●(日刊ゲンダイ2010/10/25)
http://ameblo.jp/asuma-ken/entry-10687451844.html

野党時代、学会・公明の政教一致批判の急先鋒だったのだ。08年には、元公明党委員長で学会と公明党の政教一致を暴露した矢野絢也氏の国会招致を働きかけたし、「公明党が閣僚を出すことは憲法20条違反だ」と公言したこともある。
ところが、首相に就任すると、突然、学会の富士美術館に出かけ、公明党にも秋波を送り続けているのである。政治評論家の山口朝雄氏が言う。
「この辺も末期の自民党とソックリですね。数が足りないから公明党と組もうとする。支持率が下がるから、学会票を欲しがる。でも、学会・公明党というのは難しいところで、信者の現世利益を大事にする。ここと組んでいると長期的、国家的な見地に立った政策がやりにくくなるのです。そうなれば、『らしさ』が失われ従来の支持基盤は離れていく。
まして、民主党の場合、有権者はこれまでのしがらみを断ち切り、未来を見据えた革命を期待したわけですよ。それなのに学会・公明党と組んで、現世利益政治では期待はずれもいいところです」
ちなみに、公明党をひきつけようと裏で画策しているのは、黒幕・仙谷官房長官だ。小沢をつぶし、学会・公明と組むのか


長谷川幸洋(東京新聞・中日新聞論説副主幹)
(現代ビジネス 2010年10月15日) http://p.tl/T2-v
もしも、公明党が菅政権にすりよって事実上の民公連立に近づいていくなら「小沢新党」の価値はますます高まる。民公が歩調をそろえたとしても、小沢の反乱具合によっては、再び参院の過半数割れすら展望できるかもしれないからだ。
■いまだくすぶる小沢一郎と公明党の「連携」
 つまり公明党が政権に近づけば近づくほど、小沢の反乱が価値を高める方向で政治力学が働くのである。この力学が作用すると、今度は逆に公明党が小沢に近づく力学も生まれてくる。

 公明党にすれば、自分たちがキャスティングボートを握り続けることが生き残りの最優先戦略になっている。自分たちの存在意義を低めるような勢力とは(水面下であっても)手を握っておくのも、一つの選択肢になってくるのだ。


 以上のような展開を視野に入れれば、民主党執行部としては小沢に強く出られない。小沢を党から追い出す方向で動けば動くほど、政権基盤が不安定になってしまうのだ。

 小沢自身はといえば、いまのところ離党も議員辞職も否定している。

 だが、そんな表面上の言葉を真に受ける必要はない。菅政権の支離滅裂が続けば続くほど、追い詰められた小沢にチャンスが出てくる。深層海流が複雑に流れている。

 (文中敬称略)



●今回の人事の裏を読む!内閣改造2つの事情

田原総一朗の政財界「ここだけの話」 
(BPnet2008年8月1日) http://bit.ly/e3ExrD

今度の内閣改造について、改造は行われないのではないかという声がマスコミには強かった。

福田康夫首相には、内閣改造をする気力がなくなってしまったのではないか、あるいは、改造しないでそのまま退陣するのではないか、という声が、マスコミの中から相当聞かれていた。

それには根拠があった。


■相次いだ公明党からの批判

それは、公明党が内閣改造に強く反対し、むしろ福田首相の早期退陣を求めていたからだ。

事実、洞爺湖サミットが終わって以後、公明党の幹部から、福田首相、あるいは、福田内閣に対する強い批判の声が目立っていた。

実は、公明党は、福田内閣の支持率がじわじわ下がっていることに相当いら立っていて、洞爺湖サミットの成果を見て判断すると、態度を決めていた。

ところが、洞爺湖サミットの成果は芳しくなく、新聞各紙が調査した内閣の支持率は上がらなかった。

それを見て、公明党の幹部たちは、様々に福田・自民党との「違い」を表明し始めていた。

例えば、竹島問題についても、文部科学省は、「紛争中である」ことを前提としながらも、「日本の領土である」と教科書に記すと決めた。

これに対して、公明党は「極めて不満足である」という態度を表明した。

インド洋での給油活動の継続についても、公明党は、慎重というよりはむしろ、反対に近い態度を表明した。

つまり、公明党は、保守・自民党と違い、“国民政党”である、という姿勢を打ち出そうとした。

その理由は、次なる総選挙には期待できない、と考えたからだ。

もしかすると、自民党と組んでも衆議院で政権与党になれない可能性がある。つまり、野党に転じなければならない可能性がある。

そのときに公明党は、「自分たちは自民党の政策とは異なった姿勢を打ち出していたのだから、自民党が国民に愛想を尽かされて負けたのとは違う」ということを、公明党の選挙母体である創価学会に訴えたかったのであろう。

また、もし解散総選挙の結果が期待できないのであれば、公明党は、09年6月?7月の東京都議会議員選挙を最重視するだろう。

公明党の選挙には、“大規模なお膳立て”が必要となる。

大規模なお膳立てとは、創価学会の会員が地方から東京に“大移動”をすることである。

この“大規模なお膳立て”のために、選挙前後にかなりの時間が必要となる。

そこで、東京都議会議員選挙の障害にならないように、総選挙を今年度の秋、ないしは、09年1月に挙行したいと、強く自民党に求めるようになった。

もしも、福田首相が、本格的な内閣改造をするとなると、当然、福田首相は支持率を上げるために、国民に受ける大仕事に取り組もうとするはずであり、そうなると、国会の会期が延びる。

国会が来年の春まで延びれば、都議会議員選挙に重大な障害を与えることになる。

そのために、公明党は、内閣改造そのものに消極的、というより、反対だったのである。

さらに、公明党は、次の国会の会期をできる限り短縮したかった。

その理由の一つは、現在、創価学会と、その幹部たちを訴えている、矢野絢也元公明党委員長の参議院での証言を、民主党はじめ、野党が求めているからである。

矢野氏の証言は、公明党、創価学会にとって、大きなダメージを与える事実が次々に出てくる可能性がある。

公明党は、何としてもこの事態を避けるために、会期をできる限り短縮したいと願っている。

そのためにも、本格的な内閣改造は困るわけだ。


■ついに改造を決意

ところが、福田首相は内閣改造の決意を固めた。

この原稿が読者の目に触れるときには、改造が完成しているだろう。

改造の柱は二本ある。

一つは、公明党問題だ。

公明党に妥協して、屈服した改造をすれば、間違いなく、内閣支持率は下がり、福田首相の政治生命は短くなる。

もし、福田首相に強い決断力があれば、公明党を排除して、福田首相独自の“仕事師内閣”を作り、思い切った大仕事をすれば、国民が改めて福田内閣を見直す可能性がある。

福田首相は、悩み抜いたに違いない。

解散総選挙の言質を公明党に与えないまま、公明党が嫌う伊吹文明幹事長は更迭することにした。

伊吹さんに代わって、幹事長に就任するのは、麻生太郎さんだ。

これがもう一つの柱だ。

公明党が、福田はずしを狙う場合に、当然、自民党内部の勢力と連携する必要がある。

自民党内部で、福田首相と対立する勢力といえば、それは、中川昭一さんや、安倍晋三さんが推す麻生太郎さんである。

福田首相は、まず、麻生さんを取り込んで内部を固めるという作戦に出た。

麻生さんを幹事長にして、内部分裂を防ぎ、自民党内を一体化するということが、今度の改造の二つめの柱ということになる。


■改造の出来栄え

さて、福田首相は、本格的な“仕事師内閣”を結成できただろうか。今後、目覚しい仕事ぶりを示せば、公明党は福田さんに対する抵抗力を失う。

しかし、もしも福田首相が、妥協的で姑息(こそく)なバランスによる、内閣を作れば、間違いなく首相の政治生命は短くなる。

内閣改造の出来栄えは、読者が判断してほしい。