蓮舫の敵は身内にいた (日刊ゲンダイ2010/12/18)

◆仕分けで「廃止」が一転、継続に

「必要性は極めて疑わしい」――。10月末の事業仕分け第3弾で、蓮舫大臣がジョブカード制度の「廃止」を高らかに宣告してから2カ月足らず。菅首相が廃止の結論をひっくり返したのにはアキれたが、何てことはない。ジョブカード導入の旗振り役だったキャリア官僚が、菅首相の秘書官に潜り込んでいた。厚労省出身の山崎史郎秘書官(55)である。
「ジョブカードは3年前に安倍政権から福田政権にかけて、構想が練られた制度です。山崎氏は当時、内閣府の大臣官房審議官として制度導入に当初から関わった中心人物。内閣府に置かれたジョブカード構想委員会の司会役も務めていました」(官邸事情通)
当時の議事録には、山崎氏が「誰でもどこでも職業能力形成に参加でき、自らの能力を発揮できるような社会の実現を目指す」と、ジョブカード導入のメリットについて熱弁を振るう言葉が残っている。
「いわばジョブカードは山崎氏が生み出したようなもの。自分が手塩にかけて作った制度を『廃止』と判定されて、面白いはずがありません。自身のキャリアにだって傷がついてしまう。山崎氏が菅首相の“側近中の側近”という立場を利用して、巻き返しに出たのは間違いありません」(前出の官邸事情通)
官僚が自分で作った政策を自らの手で潰すわけがない。蓮舫にとって、敵は身内にいたのだ。



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