菅首相 10年ぶり「公邸開き」に批判噴出

(日刊ゲンダイ2010/12/24)

◆露骨な人気取りと「小沢潰し」狙い

「正月から仕事なんて冗談じゃない」と官邸職員や民主党職員がカンカンになっている。不人気の菅首相が支持率アップを狙って、元日の「公邸開き」を10年ぶりに再開する意向だからだ。
総理の住まいである公邸に、政治家や支持者、有名人を招いて酒や料理を振る舞う「公邸開き」は、2001年の森内閣までほぼ毎年開かれていた。森内閣では2000人の客がひしめき合った。しかし、小泉内閣の2002年以降は「警備上の都合」を理由に一度も開かれていない。
ところが、首相が「公邸開きをやりたい」と言い出しているらしい。
「支持率が20%に下落した首相は、人気回復にシャカリキです。メディアへの露出を増やし、明るい話題を発信するつもり。公邸開きは、そのひとつです。各界の著名人を招待し、あっと驚く“サプライズゲスト”も呼ぶ予定です。10年前、不人気の森内閣も政権浮揚を狙って有名人を招待した。あの時と同じ発想です」(政界関係者)
さらに、もうひとつ隠れた狙いがあるという。「小沢潰し」だ。
「小沢一郎は毎年、自宅で新年会をやっている。今年の正月は民主党議員166人が集まった。2011年も例年通りに開く予定です。小沢グループは200人の参加を期待している。そこで首相周辺は、同じ日に公邸開きを行って『小沢邸に行くのか、公邸に来るのか』と迫るつもりです。現職の総理に招待されたら、ほとんどの民主党議員は公邸に駆けつけるはず。小沢邸の新年会は、寂しいものになるのではないか」(前出の関係者)
しかし、無能首相の支持率アップのために、正月から余計な仕事をさせられる官邸スタッフや党職員からはブーイングの嵐だ。
「警備も大変だし、招待状の発送、食事の用意、後片付け……など、スタッフが総出でやらなければならない。なぜ、首相の個人的な打算のために、そんなことをしなくてはいけないのか、と皆一斉に反発しています。そもそも、国民が不況に苦しんでいるのに、派手に公邸開きをしたら、さらに支持率を下げるだけです」(民主党事情通)
支持率を上げたいなら国民のための政治をやるのが先というものだ。




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