完全に異常 首相の頭 越年する民主内紛と闇の政情

(日刊ゲンダイ2010/12/27)

新年早々問題化する菅民主党政権の旧自民政権以下のデタラメ政治

―超保守政党たちあがれと連立模索、小沢一郎排除に血眼の狂態

―支持率低下は政治とカネが原因ではない。菅首相の無能無力に選挙民がアキレているからだ

もともと支離滅裂な男だったが、最近の菅首相、完全に頭がおかしくなっている。トチ狂ったとしか思えない。
どうやら、本気で「小沢切り」を強行するつもりらしい。
きょう(27日)午後開かれる民主党の役員会にわざわざ乗り込み、「政倫審」への出席だけでなく、小沢一郎の「証人喚問」まで提案するハラだ。自分を首相にしてくれた恩人をムリヤリ「証人喚問」に引っ張り出すなんて、腐敗自民党だってやらなかった。狂気の沙汰だ。「今回に限ったことではありません。小沢さんと20日にサシで会った時は、1時間30分、興奮状態で『政倫審に出てくれ。あなたは協力すると言ったじゃないか!』とヒステリックに繰り返していた。面食らった小沢さんが『冷静に、冷静に』と諭しても、最後まで半狂乱だったそうです」(民主党関係者)
政治評論家の山口朝雄氏が、タメ息まじりに言う。

「菅首相は、支持率が低いのも、選挙で連敗しているのも、すべて小沢一郎が原因だと“被害妄想”にとらわれているのではないか。異常な行動は、そうとしか思えません。しかし、支持率が下落しているのは小沢一郎とは関係ない。原因は、政権発足から7カ月も経つのに、無能な菅首相が何一つ実績をあげられないからです。それなのに、政倫審だ、証人喚問だ、離党勧告だと『小沢切り』に血眼になるなんて見当違いも甚だしい。しかも、政倫審も、証人喚問も、離党勧告も実現の見通しはほとんどない。いったい、なにが目的で暴走しているのか、まったく意味不明です」

このままでは民主党が分裂してしまうと心配した連合の古賀伸明会長が「仲介」に乗り出し、せっかく「挙党一致」のための「5者会談」が25日に開かれたのに、首相は終始、不機嫌。最後に入室することや座る位置だけにこだわり、最後は挨拶もせずに部屋を出ていったという。一体、何様のつもりなのか。


◆「打倒民主党」を掲げる「たちあがれ」に連立打診する異常
その一方で、もっとワケの分からぬことをやり始めた。
「水と油」の関係である「たちあがれ日本」に、唐突に連立入りを打診する始末だ。さすがに、党内からも批判が噴出している。
なにしろ、たちあがれ日本は、結党趣旨で「打倒民主党」を第一の使命に掲げた最も右寄りの政党だ。民主党のマニフェストを痛烈に批判し、仙谷官房長官の「問責決議」にも賛成している。
社民党の福島瑞穂党首が「民主党がどんな政治をしたいのか、ますます分からなくなってきた」と呆れるのも当然だ。
「なぜ、首相が『たちあがれ日本』に連立を呼びかけたのか、さっぱり分からない。『数合わせ』にもならないからです。衆・参3人ずつしかいない『たちあがれ』では、参院は過半数に達しないので『ねじれ』は解消しない。超保守政党の『たちあがれ』と組んだら、護憲の社民党は絶対に協力しないから、衆院で再可決するために必要な3分の2にも届かない。しかも、打診された『たちあがれ』は、連立入りを断る可能性が濃厚です。なにより、もし『たちあがれ』と連立を組んだら、旧来の民主党支持者が一斉に離れ、さらに支持率を下げるだけでしょう。菅首相のやっていることは、ハチャメチャです」(山口朝雄氏=前出)
こんな精神分裂気味の男が国のトップとは、ゾッとしてくる。


◆小沢グループは1月13日に決起する
菅首相が異常な行動を取りはじめたのは、政権が行き詰まった裏返しだ。
来年1月からの通常国会で、菅首相が立ち往生するのは目に見えている。11月の臨時国会でボコボコにされた菅首相は、あの悪夢の再現だけは絶対に避けたい一心なのである。
狂ったように「小沢切り」に走ったり、少しでも味方を増やそうと「たちあがれ」に連立入りを打診したのも、すべて支持率アップをはかり、通常国会を乗り切るためだ。
最近、首相は「総理なんだから、何だってできるよ。1月になったら、バンバン花火を上げる」と漏らし、25日の「5者会談」では、「チンギスハンは馬をおりてからが大変だった」と、自分をモンゴルの英雄、チンギスハンになぞらえる発言までしている。トチ狂った菅首相は、この先、政権延命のために、なにをしてくるか分かったものじゃない。
しかし、政権維持のために「小沢切り」を進めたら、民主党は本当に分裂しかねない。
「菅首相が小沢さんの証人喚問を進めたり、離党勧告したら、小沢グループは黙っていないでしょう。堪忍袋の緒を切らした小沢グループは、倒閣に立ち上がる可能性が高い。ちょうど来年1月13日には党大会が予定されている。出席する全国の地方代表も、無能な首相への怒りを募らせているだけに、菅批判が吹き荒れるのは間違いありません」(政治評論家・本澤二郎氏)
菅首相は自分で自分のクビを絞めていることに気づいた方がいい。


◆民主党全体が国民から見放されてしまう
民主党議員は、これ以上、菅首相に総理をつづけさせてはダメだ。
やはり総理のポストは荷が重すぎた。人間、自分の能力を超えるポストに就くと、なにをすればいいのか分からなくなり、得てして正常な判断力を失うものだ。保身のために恩人を売ったり、理念が正反対の政党に連立入りを打診するなんて正気じゃない。


ところが、民主党議員は、暴走する菅首相にブレーキもかけず、ただ傍観しているだけだからどうしようもない。
「野党時代、民主党は若い優秀な議員が多いと見られていました。有権者も自民党とは違う人材に期待した。ところが、いざ政権を取ったら、渡部恒三を筆頭に、テレビに出てはうれしそうに小沢批判を繰り返し、党内の分裂を煽るような連中ばかり。執行部のくせに、選挙で連戦連敗している責任も取らず、敗因を小沢一郎に転嫁しているようなやからまでいる。このままでは、菅総理だけでなく、民主党全体が国民から見放されてしまう。国民の期待をつなぎとめるためにも、心ある民主党議員は、菅首相に引導を渡すべきです」(本澤二郎氏=前出)
もし、小沢一郎を離党に追い込んだら「国民生活が第一」を掲げた民主党の理想は跡形もなくなってしまうだろう。民主党議員は、本当にそれでいいのか、よく考えるべきだ。




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