この事態を前にして個人はどう対処すべきなのか [2011年、必ず起こると予測されているこれだけの難題]

(日刊ゲンダイ2010/12/30)

次々に打ち寄せる世界危機と深刻不況を前に、国民一人一人はどう準備したらいいのか。対処法なんてあるのか。
「とにかく個人は蓄えるように。最後の頼みは現金」というアドバイスが多いが、経済が世界中で行き詰まり、この国の政治も機能しないとなると、そんなことでは間に合いそうにない。財政破綻危機のギリシャでは、公務員などの給料・ボーナスカットに始まり、公共料金の値上げラッシュだ。ひとたび危機に巻き込まれたら、多少の蓄えなど意味を持たない。ムシリ取られるのがオチなのだ。
前出の浜矩子氏が指摘したように、こういう厳しい時代は「直感の逆方向に動くしかない」のだ。生活パニックに陥る前に、襲来する危機を水際で回避するのが重要になる。それには日本政府に強い政治力、外交力を持ってもらうことが最優先だ。
「もちろん、そんなことを菅政権に望んでも100%無理ですし、とにかく財務省主導の経済呪縛を解くことが個人には必要なのです。
財政赤字だ、財源がない、だから緊縮予算しか組めない、景気回復はあきらめろという財務省のシナリオ通りに動いてきたから、日本はどんどん衰弱してしまった。体力がないから、リーマン・ショックや紛争危機、米国の押し付けに激しく揺さぶられ、さらに日本経済は消耗しているのです。財務省の言い分などクソくらえで、国民は逆の方向を目指して、自分の生活を防衛する。それがベストなのです。この逆転の発想に立てば、小沢一郎さんのような、官僚やアメリカにナメられない強いリーダーを担ぐことしか、これからの危機をしのぐ方法はないのです」(菊池英博氏=前出)
官僚以上の発想を持ち、大局を見通せる決断の政治家にこの国を任せ、国民が支える。簡単なことではないか。それには一日も早く、政権しがみつきしか頭にない役立たずの菅・仙谷コンビを倒すことだ。さらなる「失われた10年」を背負わされるのも、拒否するのも、個人で選択できる状況にはあるのだ。