民主政権は崩壊、下野必至で政治はいよいよ不安定 [2011年、必ず起こると予測されているこれだけの難題]

(日刊ゲンダイ2010/12/30)

世界危機はいよいよ深刻化する
菅首相は正月の余韻に浸っている暇はない。日本の政情も新年早々から、正念場だ。
選挙という選挙に連戦連敗中で「今すぐ辞めろ」と地方組織に突き上げられる1月13日の党大会。仙谷・馬淵両大臣の問責により、冒頭から空転が予想される通常国会……。窮地に立つ菅は、自民党などとの「大連立」を視野に入れているが、支持率20%を切りかけた不人気首相など、どの党も相手にしない。むしろ、自民党は民主党の支持率低下をこれ幸いに、解散・政権奪回に向け、あらゆる手段を使って徹底抗戦を仕掛けてくる。
「菅首相には、野党の攻勢に加え、小沢一郎元代表の国会招致問題で火が付いた内紛を引きずったまま、4月の統一地方選を迎える最悪の展開が待っています。政権運営に行き詰まり、3月末には、11年度予算案の年度内成立と引き換えに、野党との『話し合い解散』に応じるしか残された道はなさそうです」(政治評論家・浅川博忠氏)
解散・総選挙の時期は、国政選と地方選の時期が重なるのを嫌う公明党に配慮し、通常国会閉幕後の7月ごろになりそうだ。民主党は党の顔が菅のままだろうが、岡田幹事長や前原外相に変わろうが、大敗は必至。比較第1党の座を失って党内は四分五裂の惨状に陥る。
「民主党は与党の立場でこそ、まとまっていられますが、政権の座が危うくなれば、単なる寄り合い所帯に逆戻りです。党内抗争は熾烈化し、極端な左派や親小沢派、自民党と結託して政権中枢を狙おうとするグループなどグチャグチャに分裂するでしょう。政権交代から2年足らずで、『民主党』という政党そのものが消滅に向かうのです」(浅川博忠氏=前出)
もちろん、自民党にも単独過半数を獲得する力は残っていない。“勝者なき国会”は政界大再編という荒波にのみ込まれ、ますます混迷を深め、不安定になっていく。小沢以外に核になる政治家がいない場合、機能マヒの政治空白はエンドレスになりかねない。