●菅氏「権力を掌握する」 首相と小沢氏、新年会で火花
(朝日新聞2011年1月3日4時4分)http://p.tl/C0jY

 菅直人首相と民主党の小沢一郎元代表が1日午後の同じ時間帯に、別々に新年会を開き、側近らを集めて今年の抱負を語った。小沢氏がいつ衆院政治倫理審査会(政倫審)に出席するべきなのか、主張に開きがある両者が、互いを意識した発言で見えない火花を散らした。

 菅首相は1日午後、約5時間にわたって首相公邸で新年会を開催。閣内から仙谷由人官房長官、北沢俊美防衛相、蓮舫行政刷新相ら、民主党側から枝野幸男幹事長代理、江田五月前参院議長など衆参約45議員が参加した。

 出席者によると、首相はあいさつで「今年は自分らしさをしっかり出したい」と宣言。さらに「臨時国会は守りに徹したが通常国会はそうはさせない。やりたいことをやるために権力を掌握する」と意気込みを見せた。

 首相は例年元日、東京都内の自宅に側近議員や知人を招いており、今年は首相の希望で「祝賀会」を開いた。公邸内の私生活スペースを使い、首相側がすしやおでんなどを用意した。

 一方、小沢元代表は都内の自宅で新年会を開き、原口一博前総務相、山岡賢次副代表、細野豪志前幹事長代理、谷亮子参院議員ら衆参約120議員が参加した。

 小沢氏はあいさつで、自らの自民党幹事長時代に参院が与党少数ながら法案成立にこぎ着けた事例を挙げながら「ねじれ国会になったんだから仕方ない、という理屈は通用しない」と、菅政権の国会運営を暗に批判。その上で「本当の議会制民主主義と、国民の生活が第一の政治を実現したい」と訴えた。

 小沢氏は自らの「政治とカネ」の問題については「私自身、皆さんにご迷惑ばっかりかけております」と触れただけだった。ただ、昨年末には自ら政倫審出席を表明しており、局面を打開すべきなのは参院で問責を受けた仙谷氏らを抱える首相側だとの主張だ。参加者は「小沢氏はかなり高揚していた」と話した。


●首相は闘争心に火「まだまだ公邸で」 政界再編へ胎動活発化
(産経新聞2010.12.29 22:56)http://p.tl/SwYQ

記者団の質問に答え切らずに背を向ける菅直人首相=28日午後、首相官邸(酒巻俊介撮影)
 菅直人首相は29日昼、自らが率いる民主党グループ「国のかたち研究会」所属の約30人とともに忘年会を開き、来年の政権運営に自信を見せた。一方、今春に自民党を離党したたちあがれ日本の与謝野馨共同代表と無所属の鳩山邦夫元総務相は都内で会談した。小沢一郎民主党元代表の国会招致をめぐる民主党の内紛は越年することになったが、政界再編に向けた胎動はかえって活発化している。
 29日昼の首相公邸。首相は上機嫌だった。盟友の江田五月前参院議長、荒井聡前国家戦略担当相らが顔をそろえたことがよほど心強かったようだ。伸子夫人が国会周辺のイチョウから取ったギンナンを天ぷらにした「永田町揚げ」を振る舞い、ビールをあおり、こう宣言した。
 「衆院政治倫理審査会の議決は来年の通常国会の召集前にやるぞ!」
 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件などで心身とも疲れ果てていた首相も、小沢氏との対決を通じ、闘争心に火が付いたようだ。その言葉には、政治とカネの問題を通常国会に絶対に持ち込まないという強い決意がにじんだ。
 首相は年末年始に外国訪問するのが恒例だが、これも見送った。年末年始は公邸に籠もり、内閣改造、そしてその後の国会運営の構想を練る腹づもりのようだ。元日には東京・世田谷の私邸で新年会を開く小沢氏に対抗するように知人らを公邸に招く。もはや「脱小沢」路線は止まらない。
 「首相になると警備の都合で飲み屋に行くのも大変だ。出前でラーメンを取ろうと思ったら『3時間前に言ってくれ』と言われる。それじゃ、ラーメンのびちゃうよ。でも公邸は結構住み心地がいいんだ…」
 忘年会で首相はこう語り、「来年も大変だけどよろしく」と結んだ。「まだまだ公邸に住み続けるぞ」。そんなメッセージを込めたようだ。
民主党内には休戦ムードが広がる。連日のように会合を開き、気勢を上げてきた小沢氏を支持する議員の多くは28日中に地元に戻った。
 ところが、小沢氏は29日も永田町に姿を見せた。午後4時ごろ、国会内の事務所に入ると側近の岡島一正、川島智太郎両衆院議員が慌ただしく出入りした。1時間20分後、事務所を出た小沢氏は記者団に軽口をたたいた。
 「また悪口でも書きに来たのか?」
 与謝野、鳩山両氏が会談したのは都内の与謝野氏の事務所だった。将来の政界再編をにらむ両氏だが、路線の違いは徐々に表面化している。
 会談で与謝野氏は、27日に破談となった民主党とたちあがれ日本の連立について経緯を説明。「平沼(赳夫代表)も連立入りにOKと言ったんだが、断ってしまった。だからこの話はもうない」と打ち明けたが、なお自民党を含む大連立への未練を残す。
 一方、鳩山氏は「今の政権は左翼政権だ」と断じ、協力には首相交代が条件だとの考えを強調した。鳩山氏は兄の鳩山由紀夫前首相とも連携を強めるとともに保守色の強い民主党議員と親交を重ねる。28日夜には小沢氏に近く、保守色の強い民主党の松原仁、小宮山泰子両衆院議員らと会合した。つまり目指すは「平成の保守合同」なのだ。
 ただ、両氏で意見が一致したことがあった。鳩山氏が「菅さんは案外粘り腰かもしれない」とつぶやくと与謝野氏はこう応じた。
 「きれいなビルが突然崩れることはあるが、ボロボロのボロ屋は案外倒れないもんだ…」



●青木愛議員:事務所が都議らに現金 公選法抵触か
(毎日新聞 2011年1月3日 2時30分) http://p.tl/OGAW

民主党の青木愛衆院議員 民主党の青木愛衆院議員(東京12区)の事務所が主に09年夏の衆院選直前、選挙区内の都議や区議ら9個人・団体に147万円余を提供していたことが毎日新聞の入手した領収書のコピーなどで分かった。支出名目は「労務費」で、青木氏の事務所は個別の支出を政治資金収支報告書に記載せず、一括計上できる人件費として処理したとみられ、「正当な労働の対価として適切に処理した」と説明する。だが、一部の区議は「労働の対価」を否定し、青木氏の選対関係者も「金を渡すことで議員の支援を受けることが目的で、名目はどうでもよかった」と証言した。

 公職選挙法では選挙区内の有権者に現金を渡す「寄付行為」を禁じている上、票のとりまとめなどを依頼した場合は「買収行為」に当たる。専門家は「労務費名目でも実態がなければ公選法違反の疑いが強い」と指摘しており、青木氏側の説明が求められそうだ。

 毎日新聞が入手したのは青木氏の資金管理団体「桜下塾研究会」宛ての領収書計12通。選挙区内の北区選出の都議の後援会事務所と別の都議の親族、北区議5人と候補1人、足立区議1人の計9個人・団体が計147万5500円を受領したと記されていた。12枚のうち9枚の日付は09年7月30日から公示前日の8月17日。2枚は8月とだけ書かれ、1枚は日付がなかった。

 桜下塾の09年の政治資金収支報告書には9人の側への支出が分かる記載はなく、選挙運動費用報告書にも記載はなかった。青木氏が代表の「民主党東京都第12区総支部」には6月17日~7月22日に9人のうち6人への寄付などの記載があるが、金額や時期が違う。

 9人のうち金額が最多の原田大都議は「新聞には答えない」と取材を拒否し、残る8人は領収書にサインしたことを認めた。原田都議は後援会の収支報告書に一部を収入として計上したが、支出者は未記載だった。ほかはいずれも資金管理団体や関係政治団体に記載はなかった。

 また、9人中4人は「ポスター張りや事務所の手伝いの謝礼や経費」と説明したが、鈴木隆司北区議は「労働の対価ではない。(受領の)理由は覚えていない」とし、花見隆同区議は「労務費とは理解してなく、選挙時に一律に配られる資金だと思っていた」と語った。

 青木氏の選挙に関わった選対幹部は「(名目は)ポスターやチラシを配った謝礼だが、地元議員たちが実際にやったかどうかは分からない。彼らを(選挙運動の手足として)押さえるのが目的で、名目や実態はどうでもよかった」と証言した。

 青木氏の事務所は「労務費支払いに関しては桜下塾の09年分の収支報告で適切に処理している。正当な労働の対価としての支払い」と文書で回答した。具体的な労務内容について説明はなかった。【杉本修作、町田徳丈、松谷譲二】

 ◆青木氏側からの資金提供◆

  氏  名        金額    領収書日付

原田大・都議(政治団体) 18万円   8月1日

   〃       27万3000円 8月17日

日景省吾・北区議候補 22万1000円 8月17日

   〃         12万円   8月以下空欄

鈴木隆司・北区議     18万円   8月14日

小椋修平・足立区議     6万円   7月30日

   〃       4万5500円  8月17日

大畑修・北区議      9万円    8月14日

林千春・北区議      9万円    8月14日

福田伸樹・北区議     9万円    8月17日

花見隆・北区議      9万円     空欄

和田宗春・都議長の妻 3万6000円  8月以下空欄



●菅氏「権力を掌握する」 首相と小沢氏、新年会で火花
(朝日新聞2011年1月3日4時4分)http://p.tl/C0jY

 菅直人首相と民主党の小沢一郎元代表が1日午後の同じ時間帯に、別々に新年会を開き、側近らを集めて今年の抱負を語った。小沢氏がいつ衆院政治倫理審査会(政倫審)に出席するべきなのか、主張に開きがある両者が、互いを意識した発言で見えない火花を散らした。

 菅首相は1日午後、約5時間にわたって首相公邸で新年会を開催。閣内から仙谷由人官房長官、北沢俊美防衛相、蓮舫行政刷新相ら、民主党側から枝野幸男幹事長代理、江田五月前参院議長など衆参約45議員が参加した。

 出席者によると、首相はあいさつで「今年は自分らしさをしっかり出したい」と宣言。さらに「臨時国会は守りに徹したが通常国会はそうはさせない。やりたいことをやるために権力を掌握する」と意気込みを見せた。

 首相は例年元日、東京都内の自宅に側近議員や知人を招いており、今年は首相の希望で「祝賀会」を開いた。公邸内の私生活スペースを使い、首相側がすしやおでんなどを用意した。

 一方、小沢元代表は都内の自宅で新年会を開き、原口一博前総務相、山岡賢次副代表、細野豪志前幹事長代理、谷亮子参院議員ら衆参約120議員が参加した。

 小沢氏はあいさつで、自らの自民党幹事長時代に参院が与党少数ながら法案成立にこぎ着けた事例を挙げながら「ねじれ国会になったんだから仕方ない、という理屈は通用しない」と、菅政権の国会運営を暗に批判。その上で「本当の議会制民主主義と、国民の生活が第一の政治を実現したい」と訴えた。

 小沢氏は自らの「政治とカネ」の問題については「私自身、皆さんにご迷惑ばっかりかけております」と触れただけだった。ただ、昨年末には自ら政倫審出席を表明しており、局面を打開すべきなのは参院で問責を受けた仙谷氏らを抱える首相側だとの主張だ。参加者は「小沢氏はかなり高揚していた」と話した。



◆小沢邸新年会出席を取材で確認した議員(敬称略)


(毎日新聞 2011年1月3日 東京朝刊) http://p.tl/ERxt

 《民主党衆院議員》※海江田万里▽原口一博▽山岡賢次▽山田正彦▽東祥三(以上当選5回)吉田治▽細野豪志▽松野頼久▽※城島光力▽※松原仁(以上当選4回)樋高剛▽松木謙公▽内山晃▽松宮勲▽高山智司▽津島恭一▽小宮山泰子▽神風英男▽山口壮▽中津川博郷▽中塚一宏▽鈴木克昌(以上当選3回)岡島一正▽太田和美▽辻恵▽横山北斗▽福田昭夫▽中野譲▽渡辺浩一郎▽橋本清仁▽松崎哲久▽古賀敬章▽若井康彦▽梶原康弘▽階猛▽石関貴史(以上当選2回)黒田雄▽中後淳▽水野智彦▽岡本英子▽川島智太郎▽金子健一▽石田三示▽岸本周平▽山口和之▽石原洋三郎▽菊池長右エ門▽畑浩治▽瑞慶覧長敏▽高橋英行▽三宅雪子▽江端貴子▽木村剛司▽相原史乃▽大西孝典▽菅川洋▽仁木博文▽山崎摩耶▽萩原仁▽早川久美子▽大谷啓▽渡辺義彦▽玉城デニー▽笠原多見子▽大山昌宏▽柳田和己▽奥野総一郎▽村上史好▽高松和夫▽小林正枝▽川口浩▽熊谷貞俊▽木内孝胤▽空本誠喜▽阪口直人(以上当選1回)

 《同参院議員》平田健二(当選3回)平野達男▽広野允士▽森ゆうこ▽尾立源幸(以上当選2回)藤原良信▽外山斎▽谷亮子▽田城郁▽安井美沙子▽行田邦子▽小見山幸治▽主浜了▽姫井由美子▽一川保夫▽室井邦彦▽米長晴信▽大久保潔重▽平山幸司▽友近聡朗▽佐藤公治▽川上義博(以上当選1回)

 《民主党以外の衆院議員》石川知裕(無所属、当選2回)▽浅野貴博(新党大地、当選1回)※は菅首相の年賀会への出席も確認した議員


小沢氏新年会
 〔政府側〕
 鈴木克昌総務副大臣▽東祥三内閣府副大臣▽平野達男内閣府副大臣▽松木謙公農水政務官▽樋高剛環境政務官
〔衆院議員〕
 相原史乃▽浅野貴博(新党大地)▽石井章▽石川知裕(無所属)▽石関貴史▽石田三示▽石原洋三郎▽内山晃▽江端貴子▽太田和美▽大谷啓▽大西孝典▽大山昌宏▽岡島一正▽岡本英子▽奥野総一郎▽笠原多見子▽梶原康弘▽金子健一▽川口浩▽川島智太郎▽木内孝胤▽菊池長右エ門▽岸本周平▽木村剛司▽熊谷貞俊▽黒田雄▽古賀敬章▽小林正枝▽小宮山泰子▽坂口岳洋▽階猛▽神風英男▽菅川洋▽瑞慶覧長敏▽空本誠喜▽高橋英行▽高松和夫▽高山智司▽玉城デニー▽中後淳▽辻恵▽津島恭一▽中塚一宏▽中津川博郷▽中野譲▽仁木博文▽萩原仁▽橋本清仁▽畑浩治▽早川久美子▽原口一博▽福田昭夫▽細野豪志▽松崎哲久▽松野頼久▽松宮勲▽水野智彦▽三宅雪子▽村上史好▽柳田和己▽山岡賢次▽山口和之▽山口壮▽山崎摩耶▽山田正彦▽横山北斗▽吉田治▽若井康彦▽渡辺浩一郎▽渡辺義彦
 〔参院議員〕
 一川保夫▽大久保潔重▽尾立源幸▽川上義博▽行田邦子▽小見山幸治▽佐藤公治▽主浜了▽田城郁▽谷亮子▽友近聡朗▽外山斎▽姫井由美子▽平田健二▽平山幸司▽広野允士▽藤原良信▽室井邦彦▽森裕子▽安井美沙子▽米長晴信

両新年会出席者
 〔政府側〕
 海江田万里経済財政担当相
 〔衆院議員〕
 城島光力▽松原仁