とうとう東京で“菅隠し”が始まった

(日刊ゲンダイ2011/1/4)

今の時期、街角で見かける選挙ポスターは、2ショット、3ショットと呼ばれるものだ。4月の統一地方選への出馬を予定している候補者が、地元の有名議員やタレント政治家と一緒に並んでいるものが多い。東京の民主党候補者にとって、2ショットでポスターを作りたい人気議員といえば、菅首相と蓮舫行政刷新相……のはず。ところが、ここへ来て、あえて菅首相の顔写真部分を折り曲げて見えなくしたり、切り取ったりした“菅隠し”ポスターが出始めているのだ。

そんなポスターのひとり、練馬区の土屋均区議を直撃すると、
「ポスターが折り曲げられているとは知りませんでした。確かに、『菅さんはイメージが悪い』という声はあります。私の顔写真は残っているとすると、どなたかが好意で気を使ってやって下さっているのでしょうか」
先月末の西東京市議選で、落選者6人中、民主党現職が4人という大惨敗を喫したが、そのうち2人は“地元のスター”菅との2ショットポスターを張っていた。菅ポスターは、縁起が悪いだけで御利益ゼロ。統一地方選に向けて走り出した候補者の関係者があわててポスターにいたずらして“菅隠し”に走るのもうなずけるのだ。

「有権者の声を聞くと、西東京市議選の大敗は、小沢さんの政治とカネよりも、むしろ菅首相の能力不足に国民が嫌気をさした結果です。菅首相との2ショットポスターは、いまやマイナス材料でしかない。本当なら別のポスターに張り替えたいところでしょうが、地方選の候補者はポスターを刷り直す余裕はないですからねえ」(民主党都議)
お膝元の東京でさえ、ここまで嫌われていることを、岩手で盤石の選挙地盤を誇る小沢と比較しながら、菅は自覚した方がいい。



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