仁義なき「菅降ろし」本格化 小沢系、夜の街で交わした盃
(ZAKZAK:夕刊フジ2011年01月05日17時00分)http://p.tl/iIvY

菅直人首相(64)に議員辞職まで迫られ、絶体絶命の小沢一郎元民主党代表(68)が逆襲に動き出す。

12日の全国幹事長会議、13日の党大会で、地方の代議員から「菅では春の統一地方選を戦えない」と「菅降ろし」を巻き起こさせようというのだ。血で血を洗う仁義なき戦いの火蓋がいよいよ切って落される。

 「菅があそこまで言うとは思わなかった」

 菅首相の4日の年頭会見を聞いた小沢系議員からは、一斉に驚きと焦りの声があがった。

 「政治家としての出処進退を明らかにして、裁判に専念されるのであれば、そうされるべきだ」と、小沢氏に議員辞職まで迫った菅首相。側近らと年頭会見の打ち合わせをした3日には、周囲に「野党と税制改革の議論を始めるにも、厳しい通常国会を乗り切るためにも『政治とカネ』を決着させることが何より大事だ」と「小沢切り」に強い決意を示したという。

 「政治とカネ」に厳しい公明党や、増税抜きのバラマキ色が強い小沢氏の政策を踏まえれば、通常国会を見据え、早期の「小沢切り」は不可欠というわけだ。

 しかしこのまま、小沢氏が座して死を待つわけでない。頼りになるのは、一昨年の衆院選で党幹事長として全国を行脚した際の地方人脈だ。

 地方には、衆院北海道5区補選を皮切りに、福岡市長選や沖縄、和歌山両県知事選、民主現職が全員落選した松戸市議選など、主要選で連戦連敗の菅首相へ不満がうっ積している。

 「尖閣問題など腰の定まらない政権運営に、本来国政と関係ない地方選が犠牲になるケースが目立っている。地方には『このままでは例年より多くの候補者を擁立する統一選は大敗だ』との声が強い」(小沢系議員)。

 小沢氏は、政権交代を成し遂げた一昨年の大半を地方行脚に費やした。地元の連合や地方議員と夜の懇親会に繰り出し、二次会、三次会まで付き合ったという。

 それだけに、別の小沢系議員の1人は「地方には親小沢が多く党内対立より挙党一致を求める意見が強い。この声をフル活用し、菅包囲網を構築していく」と打ち明ける。

 都道府県連の幹事長らが集う12日の全国幹事長会議では、党執行部と出席者の意見交換が予定されている。ここで「党内対立をあおっている場合でない」「小沢問題より、政権運営が下手な菅首相の方が問題がある」など、菅批判を炎上させようというのだ。

 そうなれば、13日の党大会も紛糾するのは必至で、菅降ろしの動きが本格化する可能性も高そうだ。