前原外相はクリントンのパシリなのか!! (日刊ゲンダイ2011/1/6)

◆ポチ外交では国が危うい

韓国紙が今月3日、前原外相のインタビュー記事を掲載、そこで報じられた「日韓安保同盟を希望する」という発言が騒ぎになった。外務省国際報道官室は「そんな発言はない」と否定。韓国紙に直ちに訂正を求めたのである。

確かに、朝鮮半島がきな臭い時期だけに前原が本当に「日韓軍事同盟」に踏み込んだとすれば、北朝鮮を刺激する。外務省が慌てたのも分かるが、だからといって、この発言が根も葉もない話かというと、ちょっと違う。

前原が韓国との「軍事同盟」に前のめりなのは、紛れもない事実で、その背後には米国の意向があるのである。
「前原外相は先月上旬、訪米し、クリントン国務長官と会談した。その際、長官から『将来的には日本は日韓安保同盟を結ぶことを視野に入れるべきでしょうね』と持ちかけられているのです」(ホワイトハウス事情通)

この会談でクリントンは「韓国軍が在日米軍基地を自由に使用できることが望ましい」とも述べている。朝鮮半島有事を想定し、日米韓の安保同盟がにわかに現実味を帯び始めているのは間違いないのだ。
「ただし、クリントン長官にしても、すぐに日韓安保同盟なんかできっこないのは分かっている。歴史的背景がありますからね。『できればいい』くらいの軽い気持ちの提案でした。ところが、前原外相は『ベストを尽くします』と大真面目に答えた。そうしたら、韓国紙の発言になったのです。前原外相の入れ込み方には米側の方が驚いています」(同)

前原は韓国紙とのインタビューで、「同盟」という言葉こそ使わなかったが、日韓安保協力体制の必要性を強調。「新年の日本外交の最大の懸案は、安全保障分野で日韓両国がしっかりと対話を行っていける環境をつくっていくことだ」と言った。

まさに米国の「伝書鳩」だ。
「この会談でクリントン国務長官は普天間移設問題にも触れ、『目に見える形で沖縄を説得すべきだ』とも述べました。前原外相は帰国後、すぐに沖縄を訪問。仲井真知事に『心からお詫び』し、辺野古移転への理解を求めた。非常に分かりやすい言動で、クリントンのご機嫌取りに必死なのです」(外務省事情通)
仙谷官房長官はそんな前原を「短期間に日米関係を改善させた」とベタ褒めしている。

前原はきょう(6日)から、再び訪米し、クリントンと日米同盟の深化について話し合う。今度はどんな約束をしてくるのか。米国のポチみたいな外相では、国を売ることにならないか心配だ。



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