蓮舫大臣 狙いは「後出しジャンケン」 (日刊ゲンダイ2011/1/11)

◆したたかオンナの作戦は勝てる条件が整ってからの出馬表明

「しかるべきところから声をいただければ、検討するのは政治家として当然だ」――。蓮舫行政刷新相(43)の突然の意欲表明が波紋を広げている。7日の会見で東京都知事選(4月10日投開票)について、民主党の正式要請を条件に「出てもいいわよ」と言わんばかりに、初めて出馬に含みを持たせたのだ。
地方選で連戦連敗の菅民主党にとって、知名度抜群の蓮舫は“最後の切り札”だ。昨年の参院選東京選挙区で過去最高の171万票を獲得し、党内の待望論も根強い。
本人の発言も変化してきた。

「大臣就任以来、都知事選への出馬の有無を聞かれても『可能性はない』と言明していました。ところが、12月以降は否定する際に『現段階では』と前置きを付けだし、そして今回の条件付きの出馬意欲表明です。すでに党幹部からの打診もあり、本人も出馬に前のめりともいわれています」(民主党関係者)
ライバルにも闘志メラメラだ。昨年末に記者団から、立候補の意向を固めた宮崎県の東国原英夫知事について聞かれると、「彼は都民に嫌われるタイプ」「田舎臭いし。戦略も透けて見えるし、都民はそういうところを見てるんじゃない?」とメッタ切り。
4月の目黒区議選に夫の出馬が決まった時も「夫への応援演説? いやしないよ。私も忙しいから」と、にべもなかったが、目黒区議選と都知事選の時期は重なる。蓮舫が都知事選に立候補すれば、ダンナの選挙に関わっている余裕はない。

都知事選に意欲マンマンにも映るのだが、なぜ蓮舫はもったいぶった言い回しを続けるのか。
「狙いは“後出しジャンケン”です。現時点では、最大のライバルの石原都知事が4選を目指すのかどうかは不透明。内閣改造で閣僚にとどまっても、都知事選の告示直前の3月には予算審議で菅政権が立ち往生し、後見人の首相のイスに誰が座っているかも分かりません。彼女はとことん負け戦を嫌うタイプ。抜群の知名度があるため早期に出馬表明する必要はなく、勝てる条件が整ってから最終判断すればいいという考えなのです」(民主党都連関係者)
泥舟の菅政権から絶好の条件で抜け出し、都知事のハクを付けた後に国政に返り咲き、目指すは女性初の首相――。

キャリア志向が強い蓮舫の野望は透けて見えるが、事業仕分けすら頓挫しドン詰まりのタレント政治家を、はたして都民は支持するだろうか。




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