菅が手を焼く西岡参院議長 何者なのか何が狙いなのか

(日刊ゲンダイ2011/1/12)

◆雑誌で「仙谷切り」主張、無視されたらどうするの

さすがに想定外だったらしい。西岡武夫・参院議長(74)が「問責を受けた仙谷長官の留任は認められない」と強く言い出したことに、菅首相が頭を抱えている。
西岡議長は8日発売の文芸春秋で「菅・仙谷には国を任せられない」と、2人を痛烈に批判。10日には首相と直接会い、「仙谷長官は辞めるべきだ」と通告。さらに、きのう(11日)は記者会見を開き、「院の総意として問責を可決した以上、辞任すべきだ」と念押ししている。
雑誌に書いてしまった以上、引っ込みがつかない面もあるが、議長がここまで自分の意見を強く主張するのは異例のことだ。しかも、仙谷長官が出席する参院本会議の開会には応じないとまで示唆している。
「首相周辺は、まさか民主党出身の“身内”の議長から弾が飛んでくるとは、想像もしていなかったようです。文芸春秋に批判記事が載ることも詳しく知らなかった。ビックリした首相が、西岡議長に真意を聞こうと会う直前、わざわざ確認のために自分で文芸春秋を買い求めたほどです」(政界事情通)
西岡議長は衆院11期、参院2期、勤続年数42年の最長老だ。小沢一郎や森喜朗、渡部恒三より議員歴が長い。
なぜ、ここまで「仙谷辞任」にこだわるのか。
「西岡議長は、政界でも有名な一言居士の男です。言い出したらテコでも動かない。早大卒業後、衆院議員を5期務めた父と、参院議員だった母の地盤を継いで、27歳で衆院初当選した“純粋培養”だけに、自分に間違いはないと突っ走るタイプ。クールビズにも反対し、真夏でもネクタイをしている。蓮舫が国会内でファッション誌のモデルとして撮影をした時も激怒した。敵に回すとヤッカイな政治家です。今回は、参院議長として、院の意思を無視しようとする菅、仙谷が許せないのでしょう。もともと考えが違う左派の2人が気に入らないということもあるはずです」(民主党関係者)
菅首相は、扱いづらい西岡武夫を棚上げするために、昨年夏、議長に祭り上げたという。「議長続投」でも約束しないと、「仙谷続投」はモメにモメることになりそうだ。



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