【菅首相会見詳報】(1)「この1年半、大筋で間違えていない」(13日午後)
(産経新聞2011.1.13 18:41)http://p.tl/ilAi
 菅直人首相(民主党代表)は13日午後、民主党大会終了後に記者会見を行い、政権交代後の成果について「大筋において間違っていなかった。支持率が低いとは受け止めていない」と述べた。
 首相会見の詳報は以下の通り。
【冒頭発言】
「今日は党大会、取材にお集まりいただきまして大変ありがとうございます。今年の党大会、昨日来、いくつかの会議を重ねて終了いたしました。まあ、私としてはこの間、やや民主党に対する、ある種のバッシングのような雰囲気の中で、自信をお互いに、やや失いかけていたというように思ったので、『そうじゃないんだ』と。私たちがこの1年半やってきたことは大筋において間違っていなかったし、来年度の予算に盛り込んだことは、おおいに国民の皆さんに伝えれば理解がいただけるんだと、そのことを中心に、それぞれの会議などで申し上げてまいりました」
 「私が感じたところでは、多くの仲間の皆さんが、厳しい中にも『そうだな』と、『しっかりと言うべきことを伝えていけば、そうした道が開けるのではないか』と、そういう認識をいただいたように感じたところであります。同時に党全体として、例えば広報のあり方等を含めてですね、ややもすれば野党時代というのは、時の政権を批判をする立場でありましたので、ある意味、党としていろいろなことを文書にすることができやすいというとちょっと語弊がありますが、十分可能であったわけでありますが、政権党、与党になった民主党としては、どういったことをやっているのかという内容については、主に内閣でやっておりますので、必ずしも党の方にそうした説明のあり方などが、十分に伝え切れておりませんでした」

 「そういった反省も含めてですね、これから全力を挙げて、ちょうど予算審議と並行して統一地方選の準備が進むわけでありますので、この場でも申し上げた、例えば待機児童ゼロ作戦とか、あるいは新卒者雇用の特別チームとか、あるいは子ども手当てについても、従来、高齢者の社会保障はかなり充実していたけれども、世界的に比較しても子供に対するそういった社会保障の面が弱かったとか、そういうことをですね、積極的に全国的にも訴える態勢を党の立場からも作っていただくよう、私も内閣総理大臣としてという立場だけでなくて、民主党代表として、そうした指導性を発揮をしていきたい、このように考えております。冒頭、私の方から一言申し上げました」


【菅首相会見詳報】(2)「支持率低いと受け止めていない」(13日午後)
(産経新聞2011.1.13 18:43)http://p.tl/UiDQ
【内閣支持率・会見オープン化】
 --今、国民の内閣支持率がものすごく低くなっている。首相は年頭会見で、これから国民の意見を幅広く聞きたいと言ったが、今後の首相会見はフルオープンか
 「まずあの、ものすごく(低い)という風には私は受け止めておりません。まあ最初の段階でかなり高い水準で、参議院選挙で負けてかなり低い水準、またその後高い水準になり、また低くなり、まあ今ちょっぴり、まあNHKなどのあれでは上がっております。ですから何かですね、皆さん方がものすごい低いとかですね、駄目だ駄目だということを繰り返されますと、駄目じゃなくても駄目なのかなと、そういう傾向が率直なところ、メディアの報道はあると思うんです」
 「これは私たちだけじゃなくて、前の自民党政権の時も、まあこれ、われわれは攻める立場でありましたが、だんだんこう何か雰囲気がこう下り坂になっていくと、何を言ってももう『駄目だ、駄目だ』でですね、聞いてもらえなくなるという現象がありました。ですから先ほど冒頭にも申し上げましたように、自信を持って民主党としてやっていることを伝えていけば、ちゃんとその中身で私は反論されている部分はほとんどないと思います。メディアも野党もですね」

 「つまりは、何かイメージを壊していくということで攻撃をされておりますが、政策の中身で。部分的にはありますよ、部分的には反論がありますが、大きな問題で、わが党がやっていることについて、きちっとした反論はほとんど出ておりません。ですから、どんどん下がっているという風には思っていませんし、しっかりと伝えることによって、国民の理解はいただけると思っております。フルオープンの問題は、私としては総理の会見は、今日もですが、こういう形(フルオープン)でこれからも行いたいと思っております」
【内閣改造の方針】
 --首相は党大会でのあいさつで、明日の内閣改造に絡み、「問責決議は関係ない」という趣旨のことを言った。問責を受けたかどうかは全く考慮に入れず改造に着手する考えか。また、明日の内閣改造と党役員人事で何を重視するのか。国会対策か、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)か、税制改革か。優先順位は
 「先ほど大会のあいさつで申し上げましたように、民主党の危機をいかに超えていくかということは、もちろん民主党にとっては大事ですけれども、私はあえて申し上げました。日本の危機をいかに超えていくかということに対して民主党が何をできるかという、そういう姿勢で臨んでいきたい。ですから明日を含めてですね、内閣と党の何らかの変更を行いますけれども、それは今、日本が抱えている多くの課題を、政権を担っている、担当している民主党、あるいは民主党政権がですね、最も強力にそういった問題に立ち向かって、超えていける態勢をつくる、そういう観点から、何らかの変更を行いたいと。こう思っております」



【菅首相会見詳報】(3)「与謝野氏は共通性の高い政治家」(13日午後)
(産経新聞2011.1.13 18:43)http://p.tl/4anT
【与謝野氏の政権入り】
 --党大会の前に、たちあがれ日本の与謝野馨共同代表が離党して与党入りするとの報道があった。仮に与党に入るなら、野党時代から与謝野氏の政策などを批判してきた首相の政治信条と矛盾するのでは
 「あの、与謝野さんのいろいろと去就についてご本人の判断で活動されているわけでありまして、そのこと自体について私からあまりコメントすることは控えたいと思います。一般的に言えば、私の理解する与謝野さん、これは自民党時代からですけれども、やはり財政のあり方、財政健全化などについて、あるいは自民党の中でもですね、確かナントカ安心会議というのを中心に取り組まれて、社会保障のあり方、こういう問題に対しては非常に熱心な方であり、私はそういうところでは、私なり民主党の考え方とも大きな流れとしてはかなり共通性の高い政治家だと、このように、これまでも認識して参りましたし、今も認識しております」
【TPP】
 --首相は積極的にTPPを推進するというが、地方によっては反対の意見書などが採択されている。そうした意見を無視したまま統一選を迎えるということは、何か対策を考えているのか

 「これもですね、質問の仕方にまで、どこまで申し上げていいか分かりませんが、民主党が今議論していることをよくごらんいただければですね、特に農業の改革が必要だということを一番強く言ってるんです。先ほどこの場でも申し上げたように、わが党は昨年から農業の戸別的所得補償をとり入れました。そういうことを含めて、今就業されている平均年齢が66歳。66歳が平均年齢という農業が、TPPとか貿易自由化ということが一切、なんと言いましょうか、議論がなくてもですね、このままで元気な農業として成り立っていくかということを、多くの方が心配をし、問題視されてるんです」
 「ですからわが党としては農業改革を実現すると、その本部長は私でありますけども、それに全力を挙げていくし、そのために私も先だっては山形の庄内のコメ農家、あるいは千葉の野菜農家、6次産業、そういうことをですね、しっかり現場を見、お話を聞いて、それを踏まえながらですね、日本の農業再生の道筋を今年前半くらいまでにはまとめて提案していきたいと。これはもちろん、いろんな場所で訴えて参りたいと思ってます」


【菅首相会見詳報】(4)「内閣改造に日夜頭を使っている」(13日午後)
(産経新聞2011.1.13 18:41) http://p.tl/BhgQ
【普天間問題】
 --米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題は期限を決めずに交渉するのか。なにがしかのタイムリミット、目標、スケジュール的なものを決めているのか
 「普天間飛行場の移設問題については、ご承知のように昨年5月28日の鳩山内閣のもとでの日米合意を踏まえていくということを申し上げ、同時に沖縄における基地負担の軽減を実現するため全力を挙げるということを申し上げてきました。まあ、そういう基本方針の中で、先月も沖縄に出かけて、いろいろな意味での現状を自らの目で見て参りました」
 「普天間について、この5月28日の合意では、(沖縄県名護市)辺野古沖への移転ということが軸になっております。同時に沖縄の皆さんに理解をいただかなければならないと思っておりますので、そういった意味で、いつまでにという時限を切ってですね、理解をいただくというのは、なかなか難しいわけですから。理解をいただく努力を、やはりこれから全力挙げて継続するということで臨んでいきたいと思ってます。期限を切ったという意味での目標というものは定めておりません」

【仙谷氏の処遇】
 --仙谷由人官房長官について今後はどういう役割を期待したいと現段階で考えているか
 「今日は大会終了後の記者会見でありますので、まあ明日、新しい内閣を含めて改造を行いたいと思ってますので、その時点ではですね、その問題を含めて、もっと積極的に私の抱負は申し上げたいと思います。ただ今日の段階では、まだいろいろなことをですね、発表する前、あるいは決める前にですね、そうしたことを前提とした質問は、明日以降にお答えをしたいと思います」
 【内閣改造】
 --先ほど首相は「今回の改造は問責うんぬんでなく日本の危機を打開するため」とおっしゃった。その日本の危機打開のため、政府与党が作る予算案は野党の協力を得なければ年度内成立、執行が難しいという客観的状況がある。政権の最大の課題だが、今回の改造で、どうやってこの課題を果たせる内閣にしようと考えているのか
 「そのことに日夜、頭を使っているということが私の答えです。どうもありがとうございました」