暴言男 枝野官房長官で日中関係はもう絶望

(日刊ゲンダイ2011/1/14)

◆ケンカ売るようなデタラメ人事

こんな男に内閣の要が務まるのか――。内閣改造の最大の焦点だった仙谷官房長官の後釜に、枝野幸男幹事長代理(46)の起用が固まった。枝野の抜擢は「仙谷の子分だし、菅のさきがけ時代からの仲間で信頼が厚い」(民主党関係者)という事情があるらしいが、早くも不安の声が上がっている。
最大の懸念は、枝野の中国観だ。中国漁船衝突事件で大騒ぎだった昨年10月に、さいたま市で講演し、「中国は悪しき隣人」「法治主義の通らない国」「そんな国と経済的パートナーシップを組む企業は、よほどのお人よし」と、悪しざまに罵(ののし)ったのだ。
日中間の基本方針であり、菅首相が就任以来繰り返してきた「戦略的互恵関係」すら、枝野は「外交的な美辞麗句」と切って捨てている。

政府を挙げて尖閣問題でコジれた日中関係の修復に努める中、よりによって“暴言男”を内閣のスポークスマン役に就けるとは、正気の沙汰とは思えない。元外交官で評論家の天木直人氏もこう指摘する。
「中国政府は、枝野氏の発言を決して忘れていませんし、決して許しません。あの発言は中国側に深刻なシコリを残したと思います。枝野氏を内閣の要に起用するのは、中国政府にケンカを売ったも同然。菅政権は、いたずらに中国の態度を硬化させる材料を与えてどうする気なのか。これ以上、日中関係を悪化させても、日本が得るものはありません。嫌中派として中国側に厳しく批判されている前原外相の留任も含め、枝野氏の官房長官起用で菅政権の対中外交は行き詰まりますよ」

枝野は昨年、月刊誌で過激派幹部との結びつきも報じられた。国会が始まれば、野党の集中砲火を浴びることは必至。大体、「『政治主導』とうかつなことを言って大変なことになった」と後援者の前で泣き言を言うような男に、官房長官という大役が務まるとは思えない。

菅がミスキャストに気づく頃には、改造内閣は終わっている。




※日刊ゲンダイはケータイで月315円で読める。
この貴重な媒体を応援しよう!
http://gendai.net/