【改造内閣・菅首相会見詳報】(14日夕)
(産経新聞2011.1.14 22:23)http://p.tl/_ShJ

会見で記者の質問に答える前に発言する菅直人首相=14日午後、首相官邸(酒巻俊介撮影) 菅直人首相は14日夕、第2次改造内閣発足を受けて首相官邸で記者会見した。会見の詳報は以下の通り。


 【冒頭発言】

 「私は本日、内閣を改造し、先ほど皇居で認証式を済ませてまいりました。この改造について、国民の皆さんに、なぜこうした改造を行ったのか、さらには、これからどのように国会に臨もうとしているのか。そのことをまず申し上げたいと思います。私は今の日本の置かれた大変危機的な状況、20年間続く経済の低迷、財政の悪化、不安な社会保障、そして進まない地域主権、また外交の問題でも多くの問題を抱えております。こういった危機を乗り越えていくうえで、通常国会に向かって党と内閣の体制を最もそういう危機に向かって、それを越えていく力を最大にしたい。そういう観点から改造を行い、また引き続き党の人事についても、明日あさってを含めて、いくつかの点での強化を図ってまいりたい。このように考えております」

 「特に1月4日の記者会見で私は、平成の開国を行わなければならない、また最小不幸社会を目指したい、不条理な政治をただしていきたい、この3つの理念を申し上げました。そしてこれを、さらに具体的に申し上げれば、今、大きな課題としてあるのは、これから安心できる社会保障制度、これは制度のあり方と同時に持続可能な、その財源をいかにしていくのか、この議論が必要であります」

 「今回、与謝野(馨)さんに経済財政担当大臣として参加をしていただいた。このことは、こうした面での議論を、国民的な議論を高めてまいりたい、このように考えたからであります。特に与謝野さんは自民党時代においても、安心社会実現会議というものを作られて、こうした社会保障のあり方、その財源のあり方について検討されてきた中心メンバーであります。また、わが党が行ったこの問題の検討会でも、多くのメンバーがこの安心実現、安心社会実現会議とだぶったメンバーにもなっておりまして、そういうことも含めて、共通性の高い政策を持っておられる、このように考えました」

 「さらに言えば、この問題では、必ずしも政党と政党の間で大きな差があるというよりも、共通の認識があると、このように思っておりまして。そういった点も含めて、与謝野さんにこうした問題の責任者になってもらったこと、これは、この内閣改造の一つの大きな表れ、性格の表れだと受け止めていただきたいと思っております」

 「さらには経済連携と日本農業の改革、これについても、海江田(万里)大臣に経産大臣に就任していただき、もちろん鹿野(道彦)農水大臣にも頑張っていただき、この2つを両立させる道筋をしっかりと打ち出してまいりたい。このように考えているところであります。そのうえで通常国会について、24日からの召集をこの後、衆参の議運の理事会の方に、新しい官房長官から申し出をしていただくことにいたしております」

 「この通常国会について、ぜひ国民の皆さんにお願いをしたい、訴えたいことがあります。それは、この国会を、単に与野党の国会ではなくて、国民の皆さんが一緒になって議論をする、そういう国会にしていきたいということであります。今の日本の、ただいま申し上げたような国の危機を乗り越えるためには、どのようにすべきなのか。これを与野党が国会の場で話し合い、国民の皆さんがそれを聞いて『あ、こういうやり方があるのか』『いや、ああいうやり方があるのか』。そういうことを判断をしていただく」

 「多くの課題を先送りしてきているわけですが、これらについて一緒にそれを進めていこうではないか。こういう議論についても、与野党の議論が国民の皆さんの中で『そういうことを言ってるならあの党の言ってることがいいじゃないか』『こちらの方がいいじゃないか』。そういった議論にしていきたい。このように考えております。そして、そのために、例えば党首討論、クエスチョンタイムをできるだけ早い機会に開かれるのであれば、積極的に応じていきたい。このことも申し上げておきたいと思います」

 「それに加えて、言うまでもありませんが、この通常国会は来年度の予算を審議をする場であります。私たちとしては、この来年度の予算こそ、現在日本のおかれた危機を突破していく、まず第一歩になりうる予算だと自信を持って国民の皆さんに提示をいたしました。例えば経済成長について、科学技術の予算を積み増し、また企業が海外に移転をするということを防ぐためにも、国内の立地に対して促進的な税制、そういったものもこの予算と一環して提出をいたしております」

 「また、子育て、あるいはこれから子供を産もうとされている皆さんにとって、待機児童をゼロにする、このためにも200億円の予算を今年度積み、これから数年の間に待機児童がゼロになるように順次推し進めていく。さらには地方主権、長年、言葉は言われてまいりましたが、各省ごとの補助金がなかなか一括交付金等に変えることができなかった。当初は28億円しか各役所が出してこなかった。その一括交付金化を5000億を超える規模で実施をするというのが来年度の予算であります」

「こういった予算について、ぜひ将来の日本のあり方と関連した形で、大いに国民の皆さんの前で議論をしていきたい。このように考えているところであります。そういった意味で、24日に召集をお願いする予定の次期通常国会では、国民が一緒になって参加をしていただけるような国会になることを、私たちも全力を挙げて努力をいたしたいと思いますし、ぜひ、野党の皆さんにも、そういう姿勢で国会に臨んでいただけるよう、この場を借りてお願い申し上げ、冒頭の私からのお話とさせていただきます。どうもありがとうございました」


【消費税率上げ】

 --今回の改造で与謝野氏が経済財政担当相に入り、藤井裕久氏が官房副長官になった。消費税率上げに向けた布陣が敷かれたともいえると思う。ただ、民主党は平成21年の衆院選マニフェストで、行政の無駄遣い削減や埋蔵金活用で16・8兆円の財源が生み出せると言った。そして、これを信じて多くの有権者が政権交代を選んだという面もある。首相も昨年7月の参院選前に消費税率を上げる時期は、次の総選挙で国民の了解があった段階だと明言している。民主党は今回マニフェストの見直しを表明したが、そうであるならば、ここは衆院解散でもう一度、信を問うのが筋ではないか

 「あの、ただいまの質問についてですね、私は非常に誤解を生むような質問だと申し上げざるを得ません。私たちが申し上げているのは、今の社会保障制度がこのまま維持できるのか、あるいはさらに充実することができるのか、そのことをしっかりと議論しようと。その時に、あわせて当然ながら、維持していくための財源のあり方、現在のままで十分なのかどうなのかということを議論しようとしているんです。それをですね、何か消費税引き上げのための議論、そういう風に決め付けて、すり替えて質問されるのは、私はフェアではないと思っております」

 「先だっての記者会見の時にも申し上げたように、例えば、現在の消費税を、国税分については高齢者の医療、介護、年金に振り向けるという、そうした税制の基本的考え方が平成11年に決まっておりますけれども、平成11年においては、約7兆円が消費税の国税分でありました。国の歳入分でありました。必要な費用は約8兆5000億程度でありました。ですから、確かに高齢者の医療、介護、年金について、消費税の国税分で、ほぼまかなえてきたわけですが、平成22年においては、収入は7兆円が変わらないのに対して、17兆円の支出をすでにしているわけです」

 「では、その差額の10兆円はどうしているかといえば、それは実質的には赤字国債で、借金で埋めているわけであります。こういう状態が持続可能なのかという議論を、社会保障の議論としてしっかりしよう、そういう風に申し上げているときに、社会保障の『社』の字も言わないで、何か消費税の議論をしようとしているように言われるのは、私は大きく国民の皆さんに間違ったメッセージを与えると思いますので、あえてこのことを申し上げ、お答えとさせていただきます」


【閣僚人事】

 --首相は昨日の民主党大会で、今回の内閣改造は問責を出されたからではないと言った。昨年9月に改造したばかりの「有言実行内閣」を、たった4カ月で変えるのは非常にわかりにくい。問責がなくても、仙谷由人官房長官を枝野幸男氏に交代させるつもりだったのか。今回の人事は、閣僚が問責されれば辞任するという慣例を作ることにつながらないか。首相はこれまで412人内閣と言っていたが、今回の閣僚人事では小沢一郎元代表に近い議員の起用はなかった。小沢氏の周りに適当な人材がいなかったということか。あるいは排除の意図があったということか

 「先ほど申し上げましたように、この内閣の改造と党の態勢は、これは大会でも申し上げましたが、民主党の危機を越えるためではなくて、日本の危機を越えるためという、そういう観点から行ったもの、あるいは行おうとしているものであります。その理由については今申し上げたように、今日本が抱えている危機の、大きな課題を超えるうえで、例えば与謝野さんの参加といったものも必要だと考えたわけであります。同時に、党の方のいろいろな活動も、さらに大きくしていかなければなりません」

 「例えばシンクタンク、あるいはいろいろな新しい公共と呼ばれるようなNPOグループとの連携。そうしたことは内閣だけではなかなかできません。こういう活動に大きく幅を広げていくうえで、仙谷さんは大変有能な力を持っておられると思っております。そういった意味で、全体のことを考えた中で、日本の危機を超えていくうえで、最強の体制を作る、そういう考えで推し進めたものであります」

「また、何か一部のグループでやったのではないかという趣旨のことを言われますが、それは全く当たりません。昨年9月の代表選挙で私が党員、サポーター、全地方議員、全国会議員に申し上げたわけです。クリーンでオープンな政治をやりたい。そして私がその皆さんによって代表に選ばれたわけです。ですから、その公約を実現することに協力をしていただける方であれば、それは誰でも全員参加でやりましょう。例えばオバマ大統領が誕生すれば、オバマ大統領の公約を実現するうえで協力する人が集まっていくのは当然であります。そういった意味で、私の代表選の公約、あるいはそうした考え方を中心にして、党がまとまって、この日本の危機に取り組んでいく。そういう立場で、この改造や党人事についての評価を行う、あるいは行おうといたしております」

 「その中には、一般的に言えば小沢さんのグループといわれる方も、常に、特に副大臣、政務官にはたくさん、この間もおられますし、また代表選で必ずしも私を応援していただいた方以外にも、閣僚にもすでに何人もおられるわけでありまして。基本的に党の方針、あるいは私が申し上げた、クリーンでオープンな政治というものに賛同し、ともに行動していただける方は全員参加をしていただく。そういう姿勢で臨んでいるということを明確に申し上げておきます」

 --(衆院解散・総選挙への考え方を尋ねた質問に)答えてないじゃないですか

 「何を答えてないんですか」

 --きちんと答えずに…

 (千代幹也内閣広報官「すいません、進行にご協力いただけますか」)


【社会保障制度改革】

 --社会保障改革のひとつの大きな柱に年金制度改革の問題がある。与謝野氏は年金制度について現時点では社会保険料方式が最も合理的だとの姿勢を示している。一方、民主党政権は2009年マニフェストでも全額税方式による最低保証年金の創設を掲げている。与謝野氏起用で、議論の進め方によっては民主党が掲げた全額税方式の旗を降ろすことも選択肢と考えているのか。そうであるならば、民主党マニフェストとの矛盾を国民にどう説明するか

 「あの、先ほど申し上げましたが、社会保障制度というものの考え方、年金を含めて大変、幅広いものがあります。その、そして高齢化というものが、いよいよ私も含む、団塊世代の、60、あるいは65歳を超える中で、従来議論してきた年金制度の改革で、果たして、そうした状況に対応できるのか、これまで相当民主党の中でも議論してまいりましたが、それが3年、5年経過をする中で、現実の人口構成の変化は極めて急激なものがあります」

 「ですから私はもちろん、これまで民主党として提案し、議論してきたことをベースにした議論が必要だとは思いますけれども、そういうことをベースにしながらも、いろいろな意見がこれから本格的な改革に向かって議論がされるとは、他の考え方も含めて議論されることは、私は十分あっていいのではないかと。こう考えております」


【「412人内閣」】

 --与謝野氏の起用だが、412人内閣ということで、民主党の中には有能な人がいっぱいいると言っていた。その中から人材を発掘して起用しようとは考えなかったのか

 「先ほど申し上げたように、あの、412人内閣というものを念頭に、先の、私が、代表選が終わったとき、あるいは就任したときにですね、そういう方向で閣僚ばかりでなく、副大臣や政務官を含めて、適材適所でお願いをした。それに加えて、政調を復活しましたので、そしてその政調会長に入閣をしていただいておりますので、従来の与党の中での議論が、積極的な形で内閣にも反映できる仕組みがありますので、その幅も併せて理解をいただければですね。党の中の議論は党だけで完結するということではないわけですから。政権党の場合は」

 「そういう意味では、412人内閣というものの形を、党と内閣に立場は分かれておりますが、私はトータルして考えていただければ、そうした形になっていると。その中でもちろん、それぞれの分野、能力や経験のある方は、その中で中心的な役割を大いに果たしていただきたいと、こう思ってます」


 【TPP】

 --環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の推進派として知られる海江田万里氏を経産相に登用した。TPPには農業関係者はじめ民主党の内外で批判があるが、どのように反対派を説得するか

 「これも、この間ずっと申し上げてきているわけですけれども、農業の改革というのは、この貿易自由化という問題を別に置いたとしても、避けて通れない状況にある。就業している人の平均年齢が66歳という状況ですから、貿易自由化を、いっさい現在のままでととめたとしてもですね、あと5年、あと10年たったときに日本経済が、失礼、日本農業がこのままでは成り立たなくなる。そういう危機意識を持って農業改革の本部を立ち上げ、私が本部長として今その改革の方向性を大議論を始めております」

「そして同時にTPPを含む経済連携のあり方についても、例えばそういうものに踏み込んで実現していく場合には、どういう農業の改革、あるいは農業に対するいろいろな手立てが必要か。あるいは手当てが必要か。そういうことも事前にですね、しっかりと検討しておこう、こういう姿勢で現在臨んでいるところであります」

 「そういったトータルな検討の中で、若い人がどんどん農業に入っていって、そして世界で最も、まあ私は多くの人がおいしいと言っていただいていると思いますし、安全だと言っていただいていると思いますが。そういう農業、そして食、食べ物、こういうものをですね、世界に広げていくことも十分可能である。そういう形で進めていくことで、国民的な合意が得られると、こう考えております」


 【社会保障制度改革】

 --保障の話で、最初に社会保障のあり方の議論について話していたが、まずは税制の抜本改革の議論というよりも社会保障のあり方を議論して消費税を含む議論をしようとする2段構えで臨むということか。また、民主党の今までの議論をベースにして議論することはあってもいいというが、要するに全額税方式という年金改革の考え方はベースだが、それに固執しないということか。また、与謝野氏を中心ということで、政調会の話があったが、与謝野氏と玄葉氏の関係はどういう形にするのかをわかりやすく説明してほしい

 「あの、最初のご質問は基本的にはその通りです。つまりは社会保障制度のあり方を議論すると。社会保障制度のあり方をこっちに置いてですね、何かこの議論しようとしているのでは全くありません。社会保障制度のあり方を議論すると、その時に、先ほど申し上げたように例えば消費税の国税分を高齢者の医療費等に振り向けると総則はなっておりますが、現実は7兆の収入に対して17兆すでにかかっていると。こういう問題も含めて、社会保障制度を考える上でですね、それが持続可能であるのかどうか。こういったことを併せて当然、議論しなければですね、社会保障制度の安心っていうものは生み出せることはできません」

 「ですから、基本的には社会保障制度のあり方を考えていく中で、必要なそうした持続可能な財源のあり方についても議論する。こういうことに、そういう考え方であります。いろいろですね、あの、年金制度の個別的な問題、いろいろあります。まあ全額税方式という表現もされましたけども、最低保障年金方式でありますので、必ずしもその最低保障の部分をわが党は言っているのであって、全部を税金でまかなうということではありませんのでですね、今われわれが、もともと言っていることを含めてですね」

 「ですからそういうことは、私自身はですね、先ほど申し上げましたが、従来5年ぐらい前にいろいろ議論したことを私もかなり覚えておりますけれども、この5年間の人口構成の変化、さらに5年、10年先の変化を考えますと、そのころを前提とした考え方そのものが果たしてそのままでいいのか。そういうことも含めて考えなければならないと。これは当然のことだと、こう思っています」


【政権評価のギャップ】

 --経済3団体は菅政権に合格点を出した。一方で世論やメディアの論調はかなり厳しいものがある。この経済界の評価とのギャップの原因はどこにあると考えるか

 「経済界がどのように言われたからということを越えてですね、私はこの1年半前からの政権交代後に民主党あるいは民主党政権でやってきたことは大筋間違ってはいなかったと思っている。しかし、残念ながらそのことをしっかりと国民に理解していただくことができていないためにですね、何かこうイメージとしてですね、何かこうやってないとか、できてないとか、バラマキだとかいうことをいわれて、それを十分にそうではないということを伝え切れてないと思う」

 「例えば1つの例をあげます。子ども手当であります。今ですね、これは昨日の大会でもちょっと申し上げましたが、本当に日本の人口構成がどうなっているのか。ベトナムが平均年齢、確か27歳です。そして日本が現在45歳です。わが国も私が生まれた20年目くらいの昭和40年のころには平均年齢はもちろんもっと若かったわけですね。その時代にお年寄りに対していろんな手当てをだんだんと作り上げていきました」

 「しかし、子供が産んで育てる分野には必ずしも十分な手当といいましょうか、社会的なフォローがありませんでした。それだけが原因ではありませんが、結果として少子化がどんどん進んでいる。そこに対して何をするのか。そういう観点からですね、私たちは子ども手当ということを提案し、まずは当初の目標の半分でありますが、初年度1万3000円の子ども手当をスタートさせたわけです」

 「ですから、私はこれをバラマキという言い方で一言で片づけられるのは、大変違っている。これまでお年寄りには比較的手厚かったけど、子供に対して非常に薄かったものを、しっかりとですね、バランスのよい社会保障にしていく。あるいは高校の無償化もその一環であります。ですから、その意味を含めてしっかりと伝えられてない」

「あるいは来年度の予算でいえば、これも先ほど少し申し上げましたが、待機児童ゼロに向かってですね、具体的に予算をつけ、工程表を作ってやっている。こういうことについて、国民の皆さんにしっかり理解していただければ、国民からも合格点がいただけるものと思っております」


【「歴史への反逆行為」発言】

 --首相は昨日、税、社会保障の協議に野党が参加しない場合、「歴史への反逆行為だ」と強い発言をした。野党が反発している。野党の協力が必要ななかで、なぜそのような挑発的な発言をしたか。発言を撤回する考えは

 「確か私が党大会で申し上げたときに、その直前でしたか、私の読んだ『デフレの正体』という本を紹介して、今話題になりましたけど、年齢構成が非常に大きく変化していると申し上げた。私は私自身の中でも、これほどの大きな変化に対して政策対応が遅れていることについて、当時野党の立場が長かったことがあったのとしても、あるいは一時、厚生大臣を務めたことも含めて言えば、やはりこういう大きな年齢構成の変化に着目した対応は遅れていたということを、私の反省も含めてあるわけでして、そういう意味では与野党を含めてですね、そういう状況にあると思いましたので、歴史という言葉を使ったのは、そういう日本の歴史の中で著者は2000年に一度の出来事と言っていた」

 「つまりは日本の歴史の中で、人口そのものが減少に向かうのは、2000年前は何人かは別として、少なくとも有史以来初めてのことと言っている。そういうことを念頭において、こういう問題にきちっとした議論をしていくことが、今生きている私たち政治家には絶対に必要であって、それを怠ることはそういう歴史に対し、私はそれをある意味で軽視することになるという趣旨で申し上げたわけでありまして、別に言葉を撤回するとかいうことは考えていません」


【問責カード】

 --今回の改造で閣外に去った3人のうち2人は問責可決された方、1人が提出された方で3人とも関係がある。首相は問責とは関係ないというが、野党側は問責カードに自信を深めている。改造にあたってそういう事態を招く可能性を考えたのか

 「先ほど来本質的なことは申し上げたつもりです。つまりはわが党の危機とかですね、国会対応とかそれらをまったく無視しているわけではありません。それらを総合的に考えるのは当然ですが、そういう範疇(はんちゅう)で考えたのでなくて、今の日本の危機的な状況を超えていくため、内閣として党としてどういう形がもっとも強力な体制になるのか。より責任を果たす体制になるのか。そういうことで申し上げたつもりです。問責についての考え方はこの間、いろいろ議論が行われております。私も何度かその議論をこの場で紹介したことがありますけど、今日はそういう紹介はですね、今申し上げたようにそういうことがベースで行った改造ではありませんので、細かいそういう議論は、この場では申し上げるのは控えておきたいと思います」


【内閣を命名】

 --内閣に名前をつけるなら

 「私としてはですね、この、これまで申し上げてきた有言実行内閣の具体的な実を示すときがきたと。ですから有言実行内閣を推し進める、そういう考え方です」