「反小沢」暴走改造 “ゾンビ”枝野官房長官起用で民主党は大崩壊に突き進む

(日刊ゲンダイ2011/1/15)

内閣改造後の14日の首相会見。記者に「新内閣の名前は?」と問われたのに、菅首相はシドロモドロ。「有言実行内閣の具体的な実を示す時がきた」と意味不明の答えで結局ネーミングできず、醜態をさらした。だったら、名前をつけてやろう。改造内閣は、「“反小沢”身内たらい回し内閣」だ。

◆「身内たらい回し」の愚挙

さすがに中間派の民主党議員も呆れ声だ。
「菅さんの身内びいきには憤りすら覚えます。参院選大敗のA級戦犯コンビが、その責任も取っていないのに重要ポストに登用された。官房長官になった枝野さんは、参院選時は幹事長だったし、国対委員長に抜擢された安住さんは、選対委員長だったんですよ。議長経験者の江田さんが法相になるのもおかしな話。細野さんが入閣の打診を固辞したそうですが、『脱小沢』色がより鮮明になった今度の内閣では、とても受けられないでしょう」
最悪なのは、仙谷前官房長官の子分という理由で官房長官ポストを得た枝野幸男(46)だ。野党時代は「党内きっての論客」と持ち上げられたが、仙谷同様に弁護士出身で、口だけ達者なデタラメ男である。
与党になった後は実績ゼロ。事業仕分けリーダーや行政刷新相をやったが、目立ったのはエラソーな口ぶりだけ。手柄は蓮舫に奪われっぱなしだった。幹事長の時は、「みんなの党」に「行政改革や公務員制度改革のかなりの部分で一致している。一緒にやっていただける」と秋波を送る軽率発言が猛批判を浴び、参院選は何の手も打てず惨敗。その責任を取らず居座り、9月の代表選後に“更迭”かと思いきや、幹事長代理で延命。臨時国会では野党とのパイプがなく岡田幹事長とともに力不足を露呈しただけだった。「政治主導なんてウカツなことを言った。与党がこんなに忙しいとは」と漏らすような男に、官房長官の激務が務まるわけがない。処世術にたけたゾンビ男でしかないのだ。


政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
「官房長官は、仕事量が膨大であるのはもちろんのこと、官僚や野党に対する陰の調整役にならなければならない。時に叱りつけ、時になだめる。上がってくる膨大な情報のうち、どれを総理に上げるのか取捨選択も必要です。幹事長として、選挙ひとつ仕切れず、党内や地方県連をまとめることさえできなかった枝野さんに、官房長官はとてもムリでしょう。菅首相と対等な関係だった仙谷官房長官は、“陰の総理”として政権で主導的な役割でしたが、枝野官房長官の場合は、お目付け役の藤井副長官や後見人の仙谷さんに気を使いながら、秘書役になるだけ。菅首相はますます暴走することになりますよ」

ただの使いパシリ長官になるのが関の山だというのである。

就任会見で枝野は、仙谷に勝っていることは、「歌がうまいこと」と「話がわかりやすいこと」とかヌカしていた。官房長官より趣味のカラオケを極める方が向いているんじゃないか。枝野の起用で民主党内の亀裂が深まり、菅政権は大崩壊への道、まっしぐらだ。

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