岡田幹事長 政倫審メンバー差し替えのために国会の全委員会を総入れ替え

(日刊ゲンダイ2011/1/19)

◆そこまでやるか

今週、安住淳国対委員長の名前で配られた配属委員会の希望調査票に、民主党内は騒然だ。
所属したい委員会に印をつけ、第3希望まで出すことになっているが、予算委員会と政治倫理審査会だけは、最初から欄が設けられていないのだ。
「特定の委員会について希望を受け付けないのは、初めてのこと。あからさまな、対小沢シフトです。執行部はここまでやるのかと絶句しました」(民主党中堅議員)

岡田幹事長はきのう(18日)、週内に政倫審で小沢元代表の招致議決を行う方針を表明。自民党など野党は議決に応じない方針だが、その場合は、17人いる民主党の委員だけで強行することも辞さないという。ただし、委員の中には小沢支持派もいて、彼らが反対すれば、招致議決はできない。それで、執行部は委員の差し替えも検討していたのだが、これがなかなか難しかった。政倫審規程第8条には、「委員に選任されたものは正当な理由がなければ辞任することはできない」と明記されている。無理やり差し替えれば、党内の小沢支持派が猛反発、大騒ぎになるのは確実だ。

そこで浮上した苦肉の策が、法務や厚生労働など国会の委員会の総入れ替えなのだ。これなら、政倫審だけをターゲットにしたわけではないと言い張れる。
政倫審の委員のひとりで、幹事を務める川内博史衆院議員が言う。
「そもそも、国会の開会が間近に迫ったこの時期に委員会のメンバーを総入れ替えすること自体が異例です。政倫審の差し替えが目的としか考えられません。予算委員会の希望を受け付けないのも、小沢さんの証人喚問を見越してのことだといわれている。身内を売る態勢を着々と整えるなんて、執行部は何を考えているのか。私は政倫審の委員を辞めるつもりはありません。18日にあらためて辞任の意向はないことを、委員の有志8人の連名で安住国対委員長に申し入れました」

委員会希望調査の締め切りは19日午前。執行部は、20日に委員を差し替える予定だ。政倫審と予算委員会を“反小沢”の一派で固めれば、執行部の意向に沿った議決が可能になる。すでに人選も終わっているという。
石川知裕議員の検察捜査バクロで、小沢無罪は動かなくなった。それなのに、執行部が国会の委員会を私物化してまで、小沢潰しに血道を上げるなんて異常も異常。岡田幹事長もついに狂ったか。




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