名古屋市議会「報酬検討会」に野中起用のミエミエの狙い

(日刊ゲンダイ2011/1/20)

TBSの時事放談ぐらいでしか見かけないかつての“政界のドン”が、トリプル選挙でいま注目の名古屋に乗り込む。
名古屋市議会が、市議の報酬額を決めるために設置する第三者機関「報酬検討会」のメンバーに野中広務・元自民党幹事長を起用する方向だというのだ。京都出身の野中がなんで名古屋なのかワケが分からないが、どうやら強烈キャラの河村たかし市長に対抗するためには、「目には目を」ということらしい。

市議のひとりがこう言う。
「政令指定都市の政策勉強会で野中氏と面識を持った自民党市議が、報酬検討会の委員を直接依頼したのです。河村市長は、『市議の報酬は今の半分でいい。議員はボランティアでやるもんだ』と言っています。
反発した市議会は、市民や有識者でつくる第三者機関を設置し、そこで報酬額を決める条例を作った。地方議員を経て、国会議員や閣僚にまでなった野中氏なら、ボランティアで政治家はできないことをよく理解している。事務所の維持費や広報紙ひとつとっても、政治にある程度のお金がかかることを説得力を持って主張してくれるでしょう。野中氏の肩書と発言力に期待しての人選です」

つまり、「報酬額は下げられない」という結論ありきの検討会の主導役をやらせようということだ。
しかし、古い金権自民党政治のド真ん中を歩いてきた男で、名古屋市民の支持が得られるのか? 逆効果だろ。




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