●“小沢氏の証人喚問検討も”
(NHKニュース 2011年1月20日 23時2分) http://p.tl/qJ_R
民主党の小沢元代表は、衆議院政治倫理審査会への出席について、通常国会冒頭の出席には、事実上、応じられないとする考えを、審査会の土肥会長に伝えました。これに対して岡田幹事長は、20日夜、記者団に対し「議決しても出席しないのが明らかで、意味がない」などと述べ、審査会の議決を断念する意向を示したうえで、証人喚問や党としての処分を検討せざるをえないという考えを示しました。

小沢元代表の衆議院政治倫理審査会への対応を巡って、審査会の土肥会長は、小沢氏に対し、来週28日までの出席を要請し、20日正午までに回答するよう求めていました。これに対し、小沢氏は、みずからに近い審査会の川内幹事を通じて、「平成23年度予算案の成立を最優先させ、国会の状況を見ながら判断させてもらいたい」などとして、通常国会冒頭の出席には、事実上、応じられないとする考えを土肥会長に伝えました。このあと、川内氏は記者団に対し、「きのう小沢氏と会った際に、出席要請への回答を承ったので、土肥会長に報告した。小沢氏は、どんなに遅くとも予算成立後に審査会に出席するという意思を明確にしているので、本人の意思に任せればいい」と述べました。一方、土肥会長は、記者会見で「日程を指定して出席を求めたが、一切答えておらず無回答に近い。審査会会長としては承服できない」と述べたうえで、今後の対応は党執行部の判断に従いたいという考えを示しました。これを受けて、岡田幹事長は20日夜、愛知県豊橋市で記者団に対し「事実上ゼロ回答で、非常に残念だ。そのことを前提に今後のことを考えていかなければならない。議決するのが目的ではなく、審査会できちんと説明してもらうことが目的なので、議決しても出てこないことは明らかで、意味がない」と述べ、審査会の議決を断念する意向を示しました。そのうえで、岡田氏は「国会での説明は、審査会か証人喚問の2つしかない。だからこそ審査会で説明してほしいと粘り強く求めてきたが、それがノーとなれば、野党の声が力を得てしまうということがあると思う。みずから1つを封じてしまえば、残された1つになるので、まずいことだと思っている。今後のことはそうした状況を踏まえ、党の中で議論が必要だと思う」と述べ、小沢氏の証人喚問を検討せざるをえないという考えを示しました。また、記者団が「小沢氏への離党勧告も検討するのか」と質問したのに対し、岡田氏は、「先取りは避けたいが、代表、幹事長が粘り強く説得して、受け入れられなかったことは事実だ」と述べ、党としての処分についても検討せざるをえないという考えを示しました。


●岡田氏、小沢氏の証人喚問検討 政倫審招致議決を断念 
(共同通信2011/01/20 20:14)

 記者の質問に答える民主党の岡田幹事長=20日午後、愛知県豊橋市
 民主党の岡田克也幹事長は20日、小沢一郎元代表の衆院政治倫理審査会への招致議決を断念し、野党が求める証人喚問を検討する考えを表明した。小沢氏が国会冒頭の政倫審出席要請を拒否したのを受け、執行部側が圧力を強めた形。ただ強制力のある証人喚問については小沢氏支持派議員が強く反発するのは必至。安住淳国対委員長は小沢氏が強制起訴された場合、自発的な離党を促す考えを示した。

 岡田氏は愛知県豊橋市で、小沢氏の政治資金問題に関し「国会での説明の場は政倫審と証人喚問の二つしかないので、残りは一つになる」と述べた。


●石川被告の録音記録を証拠採用 特捜部の再聴取の様子
(共同通信2011/01/20 21:40) http://p.tl/tAwA
 小沢一郎民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり政治資金規正法違反の罪に問われた衆院議員石川知裕被告(37)ら元秘書3人の公判前整理手続き第13回協議で、東京地裁は20日、石川被告が昨年5月に東京地検特捜部の再聴取の様子を録音した記録を証拠採用することを決めた。
 記録には、石川被告が検事の誘導で逮捕段階と同様に起訴内容を認めるやりとりなどが含まれている。弁護側は公判で供述調書の任意性や信用性を争う方針。
 再聴取は小沢元代表に対する東京第5検察審査会の起訴相当の議決を受け実施された。


●普天間移設波高し 閣僚の主導権争いますます 北沢VS前原激化 枝野参戦でますます混迷 
(産経新聞 2011.1.20 22:16)http://p.tl/6Y02
 北沢俊美防衛相は20日、沖縄県の仲(なか)井(い)真(ま)弘(ひろ)多(かず)知事と県庁で会談し、沖縄の基地負担軽減策として米軍嘉手納飛行場(嘉手納町など)のF15戦闘機訓練の一部をグアムに移転させることで米側と合意したと伝えた。ギンバル訓練場(金(き)武(ん)町)の来年度中の返還着手も表明したが、仲井真氏は米軍普天間飛行場(宜(ぎ)野(の)湾(わん)市)の県外移設を重ねて求め、政府との溝の深さがまた浮き彫りになった。21日に枝野幸男官房長官、月内に前原誠司外相もそれぞれ沖縄訪問を予定。普天間問題をめぐる閣内の主導権争いばかりが激化しており、解決への道はますます遠のいている。(半沢尚久)

 北沢氏「成果を上げられるよう米側と交渉しました」

 仲井真氏「嘉手納の騒音でマイナス効果があるのか?」

 北沢氏はメモを読みながらF15訓練の一部グアム移転の“成果”を強調したが、仲井真氏はにべもなかった。訓練移転に関する日米合意では、騒音増大の一因となっている嘉手納所属以外の航空機の飛来制限が盛り込まれておらず、騒音軽減が期待できないことを見透かしているためだ。

 訓練移転に伴う往復燃料などの経費も日本側の負担となる。グアムの戦略拠点化を進めたい米側にとって、在日米軍の戦闘機がグアムで訓練することは「抑止力向上でも渡りに船だ」(自衛隊幹部)という。北沢氏が自賛するほど、米側は腹を痛めていないのが実情なのだ。

 ギンバル訓練場の返還も平成8年の「沖縄に関する特別行動委員会(SACO)」最終報告で全面返還が決まっており、合意内容の積み残しにすぎない。

 北沢氏は訓練移転とギンバル返還について「普天間代替施設がはっきりしない中で先行実施したい」と強調したが、これは「普天間問題が進展しない限り抜本的な負担軽減には応じない」とする米側の強硬姿勢を吐露したに等しい。実際、米側は嘉手納以南の施設返還は「ゼロ回答」を貫いている。

内閣改造で防衛相に三(み)度(たび)留任し、訓練移転の日米合意を沖縄訪問時に合わせる「我田引水」で沖縄に乗り込んだ北沢氏だが、またも普天間問題で交渉の糸口はつかめなかった。

 閣内では、北沢、前原両氏の主導権争いが苛烈化しつつある。17日に首相官邸で行われた閣僚会議でも2人は火花を散らした。

 前原氏が普天間代替施設に関するV字とI字の両案のうちV字案に絞り込むよう主張すると北沢氏は「沖縄の頭越しで決めるのか」と猛反発した。翌18日の記者会見でも前原氏の対応を「稚拙だ」と皮肉った。

 前原氏は対米交渉で普天間問題をとりあえず棚上げして「共通戦略目標」策定を優先させることに前向きな反応を引き出したことにより、日米交渉の主導権を握ったとの自負がある。それだけに4月に予定される日米安全保障協議委員会(2プラス2)でV字案に決定するぐらいの進展は不可欠だと考えているのだ。

これに対し、北沢氏は沖縄との「パイプ」を武器に巻き返しを図る。さらに菅直人首相の「政局指南役」を務めることで前原氏を牽(けん)制(せい)し続ける。

 この混乱に拍車をかけそうなのが枝野氏だ。振興予算を握る沖縄担当相を兼務し、就任後1週間での沖縄訪問は「普天間問題は官邸主導にする」との意思表示だとの見方が強い。ただ、これまで普天間問題に関与してこなかっただけに沖縄には「素人に一から説明するのは勘弁してほしい」という空気が充満している。

 司令塔のはずの首相の影は相変わらず薄い。昨年12月の沖縄訪問で辺野古移設を「ベターな選択」と口を滑らせ、地元から猛反発を浴びたことがトラウマになっているようだ。司令塔不在のまま閣僚が主導権争いを続ければ問題はますますこじれかねない。