野田財務相がブンむくれ (日刊ゲンダイ2011/1/21)

◆与謝野に仕事奪われ存在感ゼロ

重要ポストのわりに影の薄い野田佳彦財務相(53)が、珍しく脚光を浴びた。関係政治団体の「野田よしひこ後援会」が、スナックなどの飲み代を政治活動費として計上していたことが分かったのだ。
問題の支出は09年4~12月の計12件で、金額は合計22万2500円。いずれも野田の選挙区にあるJR総武線・船橋駅周辺のクラブやパブ、スナックの飲み代で、1回あたり1万~3万4000円だった。野田事務所は「公私混同があった」と認め、収支報告書を修正している。
こんなことでしか話題にならないのが情けないが、与謝野経財相の入閣でますます存在感がなくなり、野田はブンむくれているという。
「菅首相がご執心の消費税増税は、もともと財務大臣の野田氏が中心になってまとめるはずでした。年頭の財務省職員への訓示でも、税制抜本改革について『政治生命を懸けて実現したい』と張り切っていたものです。ところが、内閣改造後はすっかり与謝野氏に主導権を奪われ、カヤの外に追いやられてしまった」(財務省関係者)

待遇も野田と与謝野では雲泥の差だ。与謝野の秘書官には、経産省の嶋田隆通商機構部長が就いた。自民党政権で与謝野が旧通産相になった時から4回にわたって秘書官に起用され、50代にして5度目の登板。大臣秘書官には40歳前後の課長か課長補佐が就くのが普通で、このクラスの“大物秘書官”は異例だ。
「早くも財務官僚は、野田さんをスッ飛ばして、与謝野さんや藤井さんに“ご報告”に行くようになっている。そのうえ現政権は、財務相経験者が勢ぞろい。前任の菅さんは首相、前々任の藤井さんまで官邸入りし、野田さんは肩身が狭いでしょう」(霞が関事情通)
なじみのスナックで憂さ晴らしするしかないか。