無責任首相 諫早湾開門尻拭いは丸投げ

(日刊ゲンダイ2011/1/22)

◆菅首相のどうしようもない無責任

菅というのは、ホント、無責任な男である。

諫早干拓事業で水門開放の高裁判決に「上告断念」を決めた一件である。一見、初めて政治主導を発揮したように見えたが、地元はカンカン。中村法道知事が上告を直談判するため官邸に乗り込んできたほどだが、菅はこうした尻拭いにまったく動こうとしない。農相ら担当者に丸投げなのだ。
「23日に農相ら政務三役が諫早湾干拓地の現地視察をします。その後、地元関係者との集会を開く。『なぜ政治決断をした菅首相自身が来ないのか』と地元住民はカンカンです。集会には『開門を受け入れたわけではない。上告断念の理由を聞きたい』と息巻く開門反対派が大挙して駆けつける見通しで、政務三役が糾弾されるのは確実です」(地元事情通)

菅首相が自ら現地入りしない背景には仰天の理由がある。
実は諫早湾干拓には「最初からこだわりがない」(農水省関係者)というのだ。菅といえば、ギロチンのごとく、諫早湾が閉じられた時にド派手なパフォーマンスをして話題になった。ところが、今回、農水省の官僚が裁判の結果を受けて判断を仰ごうとすると、「オレに持ってくるな、と言わんばかりの態度だった」(関係者)というのである。

こんな調子だから、地元の説得で泥をかぶるわけがない。
そういえば、こういうふうにパフォーマンスだけで尻拭いをしない大臣がもうひとりいる。八ツ場ダムの凍結を打ち出した前原元国交相(現外相)だ。2人はウリ二つである。


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