延び延びになってきた小沢裁判!何をモタつく3人の指定弁護士

(日刊ゲンダイ2011/1/25)

腰が引けたのか

「無罪確実とはいえ、(検察官役の)指定弁護士は検察審査会の議決に従って、早く起訴するべきです。引き延ばしている理由が分かりません」

名城大教授で、元検事の郷原信郎氏はこうクビをかしげる。確かに、小沢元代表の「強制起訴」が遅れに遅れている。検察審査会の2回目の「起訴相当」議決は9月。指定弁護士が決まったのは10月だから、すでに3カ月近く経つ。当初は「遅くても、通常国会前」といわれていたのに、国会は始まってしまった。小沢サイドは「さっさと起訴してくれ」とばかり、事情聴取を拒否しているのに、何をモタモタしているのか。
「今月に入り、事態が急変した。すでに政治資金規正法違反で起訴されている衆院議員の石川知裕被告の再聴取時の恫喝録音が表面化したり、元第1秘書の大久保隆規被告の供述調書の証拠申請を検察が却下したりしたことが影響しているようなのです。小沢の強制起訴は、この2人の供述調書が“前提”。2人の公判が成り立たなければ、小沢の起訴は最高裁判例にある通り、『有罪判決を期待しうる合理的根拠が客観的に欠如している』として、違法の可能性が出てくるのです。それで二の足を踏んでいるのではないか」(司法ジャーナリスト)

指定弁護士がお手上げなら、強制起訴を「見送り」すれば済む話だ。
「常識的に考えれば、2月7日の石川被告の初公判の様子を見て判断するのかもしれません。そこで検察側が新しい材料を出したら、それを付け足して『訴因変更』するなんて話も出ています」(前出の司法ジャーナリスト)

何から何までデタラメになってきた小沢裁判。それなのに、民主党も国会も「小沢起訴なら離党勧告、議員辞職」なんて話になっているのだから、マヌケぞろいだ。



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