与謝野大臣政治資金で購入!個人資産 780万円高級車 マッサージチェア付き

(日刊ゲンダイ2011/1/25)

◆「公私混同」じゃないの?

与謝野馨経財相(72)の政治団体の“奇妙な支出”が、本紙の調べで明らかになった。与謝野は国会議員に義務付けられた資産公開で乗用車1台の所有を公表している。ところが、この車の購入代金から保険料、車検代、自動車税の負担金まで、総額1000万円以上を自分が代表を務める政治団体の事務所費で賄っている。コレって、政治資金の「公私混同」ではないのか。
問題の車は、08年10月に購入したトヨタのアルファード。トヨタ最上級のミニバンで、中でも与謝野が乗るのは「贅(ぜい)沢(たく)な空間とくつろぎを極め」(HPより)た「ロイヤルラウンジ」タイプだ。
「通常4人乗りの後部スペースをゆったりできる2人用に変え冷蔵庫も完備。革張りの温熱シートにはマッサージチェア機能まで備わっています」(トヨタ自動車関係者)
購入価格は778万5280円なり。全額負担したのは、与謝野の資金管理団体「駿山会」(東京・四谷)である。本体価格に加え、自動車電話取り付け作業代(5万1345円)に備品リース代(141万7500円)と、取得の際にかかった総費用約925万円は駿山会持ちだった。

与謝野は車の維持費も、政治団体に負わせている。
駿山会と、さらに同じ住所で与謝野が支部長を務めた「自民党東京都第1選挙区支部」の収支報告書を見ると、車の購入後に「備品・消耗品」や「事務所費」名目で、「ガソリン代」をはじめ、「自賠責保険代」「自動車税」「自動車保険料」などの支出がワンサと出てくる。政党支部には政党交付金として税金も流れているが、両団体が計上した車の維持費とみられる支出は09年までに計約120万円に達した。
問題の車の名義は与謝野個人。車庫証明も東京・六本木の与謝野の自宅で届け出ている。資産公開に記した通り、表面的には与謝野の個人資産にしか見えないが、カネは政治団体の負担――。なぜ不透明な会計処理をするのか。

与謝野事務所は「ご指摘はごもっとも」と、こう説明する。
「問題の車両はあくまで事務所全体の車です。大臣就任で公用車が与えられた現在は、秘書が移動用に使用することもあります。四谷の事務所に駐車場はなく、車庫証明を得るために周辺で借りれば費用もかさみます。そのため普段から車を保管している与謝野の自宅で車庫証明を得たのです。資産公開で報告したのも、便宜上は車の名義が与謝野個人のため。政治団体名義では、車の車検登録もできません。公私の判別がつきにくく、我々としても悩ましい問題ですが、与謝野の資産を増やすために、政治資金を支出したのではない旨は、ご理解いただきたい」

与謝野が車の購入代から諸経費まで自腹を切ればスッキリするのに……。


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