水谷建設元会長のいかがわしさ [国民は騙されている 小沢「強制起訴」の虚構]
(日刊ゲンダイ2011/1/27)

◆福島前知事の収賄事件も大混乱

小沢事件は、ウラ献金1億円があったかどうかで、事件の性質は百パーセント違ってくる。それこそ有罪か無罪かの問題だ。
検察は、1億円事件があったから「悪質だ」として、虚偽記載容疑で石川知裕衆院議員などを逮捕し、政治を今日まで大混乱させている。
そもそも土地取引をめぐる「期ズレ」の問題はとくに不正がない。もし1億円事件がなかったら、小沢事件はでっち上げであり、小沢抹殺、政権交代潰しの政治的陰謀ということになる。

それだけに、水谷建設からの「1億円ウラ献金事件」は何にもまして重要であり、大マスコミも国会もイの一番に真相を追求しなければいけない問題なのだ。
東京地検特捜部は、水谷建設元会長の証言をもとに、小沢事件を組み立てたが、水谷功元会長(65)の証言は信じていいのか。専門家はそこにクビをかしげる。というのも、当時も脱税で刑務所に服役していたように、水谷元会長はいわくつきの人物なのだ。

福島県の佐藤栄佐久前知事の収賄事件でも、核心の証言をしていた。検察はそれをもとに立件したのだが、裁判の途中で水谷元会長は「自分の裁判(脱税)が進行中だったので、実刑を回避しようと検察から言われるままを証言した」と告白、証言をひっくり返したものだ。最終的に佐藤栄佐久前知事の事件は、実質無罪となっている。

司法に詳しいジャーナリストが言う。

「水谷氏は政界のタニマチといわれるが、単に気前がいいだけでなく、闇社会にも通じ、損得勘定で動く海千山千の人物。さまざまな事件で検察にシッポをつかまれている。検事から、“あっちの事件は目をつむるから、こっちの事件は言う通りにしろ”と言われれば、罪を逃れるために何だって言う。そういう評判ですよ」
そんないい加減な人物の証言をもとに、検察は1億円ヤミ献金事件を組み立てたのだから乱暴だ。大マスコミは、検察のシリ馬にばかり乗っていないで、少しは水谷建設や水谷元会長の正体に迫ったらどうなのか。検察の広報機関でないというのなら、水谷元会長を会見に引っ張りだしたらどうなのか。それがジャーナリズムだろう。
こう言うと、大マスコミは、1億円の授受に関しては、第三者の証言もあるという。検察に教えてもらっているからだ。しかし、その授受現場にいた目撃者たちの証言も輪をかけていい加減なものなのだ。(つづく)