菅のラブコールにヒジ鉄の公明党

(日刊ゲンダイ2011/1/28)

◆予算関連法案の成立はムリ

やはり泥舟と共に溺れる者はいなかった。公明党がきのう(27日)の衆院本会議で、「マニフェスト修正なら信を問うべき」(井上幹事長)と、秋波を送る菅首相に強烈なひじ鉄を食らわせたのだ。「公明党はあなたの政権担当能力に大きな疑問を持たざるを得ない」とまで突き放されて万事休す。右にフラフラ、左にフラフラのコウモリ政党にソッポを向かれては、予算関連法案の成立もおぼつかない。政権運営は通常国会の冒頭から行き詰まった格好だ。
「民意を無視したツケですね。菅首相は、『4年間は議論もしない』とした消費税増税を強行し、国内農業の崩壊につながるTPP参加に前のめりになっている。おかげで支持率は一向に回復せず、20%台を維持するのがやっとです。これでは、いくらラブコールを送られても、公明党はOKしませんよ。自業自得です」(政界関係者)
菅は、与謝野経財相を一本釣りしたことで、社民党の6人を足せば、衆院で再可決に必要な3分の2を確保できると踏んでいる。だが、こちらは消費税に反対だから、袖にされるのは必至だ。
これ以上、醜態をさらすのもつらいだろう。菅首相は一日も早く辞職すべきである。