[日米首脳会議]米国がキャンセル

(日刊ゲンダイ2011/1/31)

菅訪米延期は「TPPをまとめてから来い」という圧力

一体何があったのか――。5月のゴールデンウイーク中に予定していた菅首相の訪米が延期になった。
首相官邸は、国会情勢が厳しくなりそうだから日本側から「6月下旬」に延期したいと申し入れたと主張している。だが、アメリカ側がキャンセルしてきたのは明らかだろう。ゴールデンウイーク中は国会も休会。トンボ返りの訪米は、国会情勢にさして影響がないからだ。
首脳会談は、昨年11月の横浜でのAPECの時、オバマ大統領から訪米を打診され決まったものだ。しかし、ここにきてアメリカが態度を一変させたのはなぜか。
「アメリカは昨年末、突然『会談場所はワシントンではなくサンフランシスコでどうか』と打診してきたといいます。菅首相は当然、首都ワシントンに招かれると思っていたから大ショックだったようです。軽く見られている証拠ですからね。追い打ちをかけるように、オバマ大統領の年頭教書も、韓国や中国については語っているのに、日本は最後まで一回も出てきませんでした。無視、軽視しているのは間違いありません」(外交関係者)
オバマ政権が「日米首脳会談」の延期を考えたのは、菅内閣がいつまで持つのか疑問に思っているからだ。会談直後に退陣したら、バカみたいなもので、また新政権とイチから協議しなければならない。
さらに、隠れた狙いもある。外交評論家で自民党議員の浜田和幸氏が言う。
「菅首相に対する『TPPを確実にまとめろよ』という無言の圧力でしょう。アメリカはどうしても日本をTPPに参加させたい。参加させることに成功すれば、日本市場でアメリカの金融、医療、教育などのサービス産業がボロ儲けできるからです。ちょうど菅首相は『6月までにTPPをまとめる』と公約している。『だったら首脳会談はTPPをまとめてからだ』というメッセージでしょう。菅首相は6月下旬の日米首脳会談を実現させるためにも、TPP参加に突っ走ってくるはずです」
菅はアメリカの使用人のようなものだから、ご主人さまに無視されると、気に入られようとさらに媚びて尽くす。ここまで手玉に取られる小心の隷属男が首相でいいのか。