岡田幹事長 3つの大罪 (日刊ゲンダイ2011/2/1)

愛知ダブル選惨敗決定的

愛知のダブル選挙(県知事選・名古屋市長選)は、今月6日投票だが、報道各社の世論調査で、民主党の惨敗が決定的だ。一昨年の総選挙では、全15選挙区を制覇した民主王国愛知での歴史的大敗。党内では早くも敗因分析が始まっているが、背景には「選挙センスゼロ」と酷評される岡田幹事長の3つの戦略ミスがあった。

(1)河村相手に無謀な挑戦
河村たかし市長(62)の辞職に伴う出直し市長選に、民主党は衆院議員の石田芳弘(65)を“刺客”として送り込んだが、あまりに無謀だった。
「河村の名古屋での人気は絶大です。勝負になるのは星野仙一(楽天監督)ぐらいでしょう。しかし岡田は、石田が強い意欲を示しているなどの理由でアッサリ出馬を認めた。幹事長ならば止めるべきでしょう。また河村が自らの政策を巡って市議会と対立したときだって、岡田は“パフォーマンス”と批判せず、大目に見ればよかったんですよ。貴重な衆議院1議席を失った上、市長選大敗となれば、党には大ダメージです」(政治部記者)

(2)知事選に57歳元官僚擁立
昨年9月に神田真秋知事が今期限りの引退を表明、岡田はすぐに総務省出身の御園慎一郎氏(57)の擁立を決めたが、みなズッコケたという。
「60歳近い元官僚なんて、民主党の候補者として最もふさわしくない。最初からこの人で大丈夫? との声が上がっていました。しかし岡田さんは、県連が出してきた候補だから、とあっさり推薦した。何も検討せず、地元の意向にただ従うだけなんです。勝てない候補者なら、容赦なく差し替えないと。“選挙のプロ”小沢元代表には、そういう厳しさがありました」(民主党関係者)

(3)無意味な大号令
岡田は民主党全議員に愛知に入るよう大号令。31日までに延べ120人が駆けつけたが、これがまた不評なのだ。
「野党で勢いのあるときは、国会議員を大量に呼んで『民主党』を連呼させることは効果的でした。しかし逆風の中、愛知と縁のない議員を呼んで演説させても、意味がない。しかも誰も知らない若手が多く演説がヘタ。民主党はやっぱりダメだと票が逃げています。効果的な議員だけ呼べばいいのに……」(前出の関係者)
ここまでやって大惨敗ならば、当然責任を取るのが常識だが、岡田は違うようだ。「地方選挙と中央は分けて考えたほうがいい」とシタリ顔で記者に話しているのだからアキれてしまう。

先は見えた。
「惨敗後の記者会見ではおそらく『やることは全てやった』『批判は結果論だ』と逃げるでしょう。しかし民主王国・愛知での敗北に、4月に選挙を控える地方議員からは『岡田では戦えない』との声が一気に上がる。今、死んだフリをしている仙谷代表代行が、選挙の権限を岡田から奪うことも考えられます。ますます孤立するでしょう」(政界関係者)

岡田こそ“一兵卒”がふさわしい。



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