小沢一郎 離党追放もくろむ執行部に強烈パンチ

(日刊ゲンダイ2011/2/1)
「民主党議員として誠心誠意取り組む」

「裁判において、私が無実であることはおのずと明らかになる」
「引き続き民主党の国会議員として、誠心誠意取り組んでいく」
予想されたこととはいえ、小沢一郎元代表にここまで堂々と主張されては、「離党」や「除名」を突き付けようと待ち構えていた菅首相や民主党執行部は、今ごろ腰が引けていることだろう。岡田幹事長は、今週中に役員会を開いて、小沢を処分するかどうか議論を始める方針。だが、執行部には、「小沢が無罪になったら誰が責任を取るのか」という問題が重くのしかかる。
強制起訴を受けての、ぶらさがり会見で小沢は余裕しゃくしゃくだった。大勢のマスコミが待ち構える部屋に入ってくるなり、テーブルに置かれたICレコーダーの多さに「おお、いっぱいだな」とおどけ、質問のやりとりでも笑いがこぼれたほどだ。一方、「強制起訴されて党にとどまって、国民の理解を得られると思うのか」と普段は厳しい大マスコミは、小沢本人を前にするとなぜか沈黙だった。
会見後、小沢は自らを支持する小沢グループや鳩山グループの議員19人と会食。いつもと変わらず淡々と日本酒を飲み、意気軒高だったという。参加した議員のひとりが言う。
「強制起訴で会見した指定弁護士3人のうちの1人が『検審の議決に従って、有罪判決を得られるように取り組みたい』と言ってましたが、そんな消極的な起訴って、何なんですか。小沢さんが無罪になったら、どうするのか。党は処分などできないでしょう」
菅も枝野官房長官も小沢の処分について、「岡田幹事長を中心に協議する」と相変わらず責任を押し付け、その岡田は、「私の責任で取りまとめる」と大見え切っているものの、ホンネでは厳しい処分はしたくない。役員会には処分不要を主張する輿石参院会長もいる。
民主党は参院選惨敗でも誰も責任を取らない政党だ。「小沢無罪」を恐れて、結局、処分はあやふやになるのが関の山じゃないか。