デモ隊と大統領派の衝突、秘密警察関与の情報も エジプト

発信地:カイロ/エジプト
(AFPBB News2011年02月03日 15:09)  http://p.tl/e4LO

【2月3日 AFP】反政府デモの参加者たちは血まみれになりながらも、彼らが「最前線」と呼ぶ衝突の現場へ戻って行った─―。9日目に突入したエジプトの反政府デモの震源地となっている首都カイロ(Cario)のタハリール広場(Tahrir Square)では2日午後、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領の退陣を求めるデモ隊の中に大統領支持派の一団が乱入し、激しい衝突で3人が死亡、639人が負傷した。

 日没後も続いた衝突のなか、大統領支持派が投げた火炎瓶のうち2本が、広場に近いエジプト考古学博物館の敷地内にも落ちたがすぐに撤去された。軍が威嚇射撃を放つ上空には、双方が投げ合う石が飛び交った。

「博物館へ行け、博物館のほうへ」と男性がメガホンで叫び、反政府デモの参加者らを誘導する。そして反政府派は、乱入以来絶え間なく攻撃してくる大統領派に対し、考古学博物館付近からいっせいに投石で反撃した。

 広場に乱入する際、ラクダや馬に乗り反政府派を追い立てた大統領派は、広場を囲む建物などの上から反政府派の群集に向かってコンクリートのブロックを投げ落とした。さらに両者は石、棒、鉄棒、短剣など持てるあらゆる種類の武器を手にし、大乱闘となった。

 広場からすぐのモスクの中に仮設の診療所が設けられ、看護師によると骨折や縫合を必要とする切り傷で数百人が手当てを受けた。

■大統領派乱入、「裏には与党と秘密警察」との非難

 反政府デモの参加者たちは、この大統領派との衝突について、ムバラク大統領の与党・国民民主党(NDP)が仕組んだものだと非難し、攻撃を始めた大統領派の人々が持っていたという4人分の党員証をAFP特派員に示して見せた。「親ムバラクのNDPと、私服を着た秘密警察が広場に侵入してきたんだ。反政府派を追い出すためだ」と、反政府派の63歳の男性は述べた。

 国営中東通信(MENA)が伝えたところでは、エジプト内務省は私服警官が広場に進入したことを否定している。しかし、反政府派は警察による急襲だと強く主張しており、日没後にさらに警官の数が増えることを懸念していた。

 一方、ムバラク大統領の支持者による襲撃は、大統領の権勢が弱体化している兆候だと見る反政府デモの参加者もいる。25歳の男性は「大統領は金を払って人を雇って、われわれを襲わせたんだ。ムバラクの最後の切り札だ。少しずつ、彼はすべてにおいて支配力を失っている」と語った。

 日没後もタハリール広場では、約5時間にわたり反政府派、大統領派ともに数千人の群集が投石や小競り合いを繰り返し、軍や医療当局の救急車が駆けつけては負傷者を運び去った。(c)AFP/Guillaume Lavallee


●エジプト大統領支持派が反体制派に発砲、4人死亡・13人負傷
(ロイター2011年 02月 3日 15:38)http://p.tl/0i6o
 [カイロ 3日 ロイター] 中東の衛星テレビ、アルアラビーヤや複数の目撃情報によると、エジプトの首都カイロ中心部のタハリール広場で3日、ムバラク大統領の支持派が反体制派グループに向けて発砲、4人が死亡、13人が負傷した。

 反体制派は10日前に抗議活動を開始。大統領支持派との衝突が急激に拡大している。
 3日の衝突は、現地時間午前4時(0200GMT、日本時間午前11時)ごろ始まった。
 現場から生中継された映像では、激しい銃撃が1時間以上にわたって続き、倒れた人が引きずられる姿が映し出された。大統領派・反体制派の双方が投石しており、周辺には黒煙が立ち込めている。
 夜明け直前には、広場に軍の車両が配備されたが、双方の衝突は収まっていない。
 ムバラク大統領は1日のテレビ演説で9月に辞任する意向を表明。その後、軍はデモ隊に撤収を呼びかけている。
 ただ、大統領の即時辞任を求める反体制派の多くは、抗議活動を継続しており、大統領支持派は、ラクダや馬で広場に乗り込み、火炎瓶やこん棒などで反体制派を攻撃していた。
 反体制派は、私服警官による襲撃だと非難しているが、内務省はこれを否定。政府は大統領の即時退陣を促す国際社会の声を拒否している。
こうした政府の姿勢や大統領支持派の浮上は、秩序ある権力委譲に向けたプロセスを複雑にする可能性がある。
 米政府高官は「ムバラク大統領に忠誠を誓う人間が、デモ隊を威嚇するために、支持者を投入したことは明らかだ」との認識を示した。 

 <デモ隊は抗議活動継続>  
 反体制派は今後も抗議活動を続ける方針を示している。
 スレイマン副大統領は、タハリール広場に集結した2000人のデモ隊に撤収を呼び掛け、夜間外出禁止令を順守するよう求めた。
 副大統領は、野党との協議開始は、デモ隊の解散にかかっているとしている。
 保健省によると、2日の衝突では3人が死亡。現場の医療関係者は1500人以上が負傷したと指摘している。
 ギブズ米大統領報道官は2日「政府によって暴力が扇動された部分があるのならば、直ちにやめるべきだ」と表明した。

<野党は協議を拒否> 
 エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は、軍が衝突を制止すべきと主張。
 「ムスリム同砲団」などの野党勢力は、大統領が即時辞任しない限り、スレイマン副大統領との協議には応じない意向を示している。 

<米政府は退陣圧力強める>  
 ムバラク大統領は1日の演説で、9月の大統領選での再選は目指さないが、円滑な権力の移譲に向けて任期を全うする方針を表明。
 オバマ大統領は演説を終えたムバラク大統領と電話会談し、権限移譲の即時開始を促した。
 しかし、エジプト外務省は声明で、米欧はエジプトの「国内状況をあおり立てようとしている」と表明し、権限移譲の即時開始を求める声を退けた。
 ギブズ米大統領報道官は2日、オバマ大統領は民主化への「移行は今開始されるべき」との見解を明示していると強調し、9月までの政権維持を狙うムバラク大統領に対する圧力を強めた。


●衝突で3人死亡=副大統領、デモ終結求める-エジプト
(時事通信2011/02/03-07:47)http://p.tl/dr-K 
【カイロ時事】エジプト保健省は2日夜、首都カイロ中心部のタハリール広場で同日に発生したムバラク大統領退陣を求めるデモ隊と大統領支持派の衝突で、3人が死亡、639人が負傷したと発表した。死亡した1人は兵士で、高架道路から転落したという。また、ロイター通信は現場の医師の話として、負傷者は1500人以上と伝えた。
 同広場ではこの日、双方が投石し、棒で殴り合いを続けた。大統領支持派とみられる一団は馬やラクダに乗って乱入、蹴散らされた反大統領派が反撃し馬から引きずり下ろして袋だたきにするなど激しい衝突を繰り返した。
 一方、中東通信によると、スレイマン副大統領は同日夜、「平静と安定を回復する当局の努力を助けるため、全国民が帰宅し夜間外出禁止令を順守する」ことを求めた。これより先、軍も同様の声明を出していた。


●エジプトで日本人カメラマン負傷 大統領支持派が暴行
(共同通信2011/02/03 06:53)http://p.tl/0MDU
 【カイロ共同】エジプトのムバラク大統領の即時辞任を求める反政府デモの野党勢力と大統領支持派が衝突したカイロ中心部のタハリール広場周辺で2日、日本人の男性フリーカメラマン2人が大統領支持派から暴行を受け、1人が顔などに軽傷を負った。
 AP通信によると、ほかにも米CNNテレビの著名キャスターやAPの記者らが大統領支持派から暴行を受けたほか、ベルギーの記者が治安当局に身柄を拘束された。
 大統領支持派は別の日本人カメラマンに「おまえたちが『革命、革命』と騒ぎ立てるのでこんなことになった」などと叫んでおり、外国が反政府デモをあおっているとの認識があるとみられる。
 負傷したカメラマンの知人によると、カメラマンは40歳代後半で、同広場周辺で大統領支持派に隠していたカメラが見つかり、約20人に取り囲まれ鉄パイプで殴られたり、蹴られたりした。もう1人の日本人は大統領支持派の男から、いきなり頭部を木の棒で殴られたが、けがはなかったという。


●ムバラク大統領支持派と反体制派が衝突、多数が負傷
(ロイター2011年 02月 3日 07:44) http://p.tl/juZQ
 [カイロ 2日 ロイター] エジプトのムバラク大統領が9月に退陣する意向を示してから一夜明けた2日、カイロで大統領支持派と反体制派が衝突し、多数の負傷者が出た。
 反体制派は、私服警官による襲撃だとして非難したが、内務省はこれ否定。政府は大統領の即時退陣を促す国際社会の声を拒否した。
 政府のこうした態度や大統領支持派の浮上は、秩序ある権力委譲に向けたプロセスを複雑にする可能性がある。
 米ホワイトハウスは大統領派と反体制派の衝突を受け、権力の移譲を可能にするためには暴力をやめることが不可欠との見方を示し、「政府によって暴力が扇動された部分があるのならば、直ちにやめるべきだ」と表明した。
 エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は、軍が衝突を制止すべきとの見方を示したが、軍は介入せず、静観を続けた。
 ムバラク大統領は1日の演説で、9月の大統領選での再選は目指さないが、円滑な権力の移譲に向けて任期を全うする方針を表明。オバマ大統領は演説を終えたムバラク大統領と電話会談し、権限移譲の即時開始を促した。
 しかし、エジプト外務省は声明で、米欧はエジプトの「国内状況をあおり立てようとしている」と表明し、権限移譲の即時開始を求める声を退けた。


●取材陣に暴行・脅迫続発=ムバラク大統領支持者-カイロ
(時事通信2011/02/03-11:51)http://p.tl/x0Ao
 【ワシントン時事】エジプトの首都カイロで、ムバラク大統領退陣を求めるデモ隊と大統領支持派の衝突などを取材していた欧米や中東のメディア取材陣が、大統領支持者らから相次ぎ暴行や脅迫を受けていることが2日分かった。
 米CNNテレビやロイター通信によると、CNNテレビの人気キャスター、アンダーソン・クーパーさんは、大統領支持派のデモ参加者から頭を殴られた。プロデューサーやカメラマンも被害を受けたほか、一緒にいた女性キャスターは、現場から立ち去るよう脅された。AP通信記者も大統領支持者を取材中に暴行を受けた。


●エジプト衝突で死者7人に 負傷者1500人超
(共同通信2011/02/03 14:20)http://p.tl/MLIR
エジプト衝突で死者7人に
 【カイロ共同】エジプトの国営テレビによると、首都カイロ中心部で2日起きた反政府デモの野党勢力とムバラク大統領支持派の衝突で、3人が死亡した。衝突は3日未明も続き、ロイター通信は中東の衛星テレビ、アルアラビーヤの報道として大統領派が発砲し、新たに4人が死亡、13人が負傷したと伝えた。大統領を退陣表明に追い込んだデモは、野党勢力と政権支持派に分断された「市民同士」が大規模に衝突し、2日間で少なくとも7人の死者を出す事態に発展。混乱はさらに拡大する恐れがある。
 ロイターによると2日の負傷者は1500人以上。大統領派の数千人は政府が組織したとみられ、巻き返しを図っている可能性がある。ギブズ米大統領報道官は2日「政府が暴力行為を扇動しているなら即刻手を引くべきだ」と警告した。
 日本人フリーカメラマン2人も襲われ、鉄パイプで殴られるなどして1人が軽傷を負った。同行していた知人カメラマンが明らかにした。
 ムバラク大統領は1日、現任期限りでの退陣を表明したが、野党勢力側は即時辞任を求めデモを継続する構え。イスラム教の金曜礼拝がある4日には再びデモが活発化することも予想され、緊張が高まっている。


●ムバラク大統領支持派と反体制派が衝突、3人死亡
(ロイター2011年 02月 3日 09:08)http://p.tl/dVKR
 [カイロ 2日 ロイター] エジプトのムバラク大統領が9月に退陣する意向を示してから一夜明けた2日、カイロで大統領支持派と反体制派が衝突し、多数の死傷者が出た。
 保健省によると、この日の衝突で3人が死亡。現場の医療関係者は1500人以上が負傷したとしている。
 軍は、抗議活動を行っている市民に対し、自宅に戻るよう呼び掛けた。
 米政府高官は「ムバラク大統領に忠誠を誓う人間が、デモ隊を威嚇するために、支持者を投入したことは明らかだ」との認識を示している。
 反体制派は、私服警官による襲撃だとして非難したが、内務省はこれを否定。政府は大統領の即時退陣を促す国際社会の声を拒否した。
 政府のこうした態度や大統領支持派の浮上は、秩序ある権力委譲に向けたプロセスを複雑にする可能性がある。
 米ホワイトハウスは大統領派と反体制派の衝突を受け、権力の移譲を可能にするためには暴力をやめることが不可欠との見方を示し、「政府によって暴力が扇動された部分があるのならば、直ちにやめるべきだ」と表明した。
 エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長は、軍が衝突を制止すべきとの見方を示したが、軍は介入せず、静観を続けている。

<タハリール広場の緊張高まる>
 カイロ中心部のタハリール広場には2000人のデモ隊が寝泊まりしている。
 エジプトのスレイマン副大統領は、デモ隊に撤収を呼び掛け、夜間外出禁止令を順守するよう訴えた。
 ただデモ隊は、大統領支持派の攻撃に備えて広場にバリケードを築いている。散発的に発砲音が聞こえ、火炎瓶による火災が発生するなど、緊迫した情勢が続いている。
 副大統領は、野党との協議開始は、デモ隊の解散にかかっているとしている。

 <米政府は退陣圧力強める>
 ムバラク大統領は1日の演説で、9月の大統領選での再選は目指さないが、円滑な権力の移譲に向けて任期を全うする方針を表明。オバマ大統領は演説を終えたムバラク大統領と電話会談し、権限移譲の即時開始を促した。
 しかし、エジプト外務省は声明で、米欧はエジプトの「国内状況をあおり立てようとしている」と表明し、権限移譲の即時開始を求める声を退けた。
 ギブズ米大統領報道官は2日、オバマ大統領は民主化への「移行は今開始されるべき」との見解を明示していると強調し、9月までの政権維持を狙うムバラク大統領に対する圧力を強めた。
 <軍の動向がカギ>
 軍はデモ隊に撤収を求めているが、「ムスリム同砲団」などの野党勢力は抗議活動の拡大を呼びかけており、大統領が即時辞任しない限り、スレイマン副大統領との協議には応じないとしている。
 原油価格は28カ月ぶりの高値から反落したものの、エジプトの混乱が、他の中東・北アフリカ諸国に波及するとの懸念から、北海ブレント原油は依然1バレル=101ドルを超える水準で取引されている。


●少なくとも500人が負傷=エジプト
(時事通信2011/02/03-01:33)http://p.tl/vjW_
【カイロAFP=時事】エジプトの医療関係者は2日、カイロで同日発生した反体制派と親大統領派の衝突で、負傷者は少なくとも500人に上ったと述べた。


●反大統領派に催涙弾=カイロ
(時事通信2011/02/03-01:37)
 【カイロAFP時事】エジプトの首都カイロ市内で2日、集結していた反大統領派に対し、催涙弾が撃ち込まれ始めた。


●秩序回復へ軌道修正=デモ参加者に帰宅要請-エジプト軍
(時事通信2011/02/02-22:58)http://p.tl/jyXi
 【カイロ時事】エジプト軍は2日、国営テレビを通じて声明を出し、ムバラク大統領辞任を求めてデモを続けている参加者に対し、社会の安定を確保するため帰宅するよう求めた。ムバラク氏が1日に次期大統領選への不出馬を表明したのを受け、政権に強い影響力を持つ軍が、デモ容認姿勢から、秩序回復へ向けて軌道修正したもようだ。
 こうした中、前日に数十万人規模のデモが実施された首都カイロ中心部のタハリール広場では、双方数千人規模の反ムバラク大統領派と体制支持派が衝突、数十人が負傷する流血の事態に発展した。
 一方、カイロ、アレクサンドリア、スエズの3都市で午後3時~翌朝8時を対象にしていた夜間外出禁止令は、午後5時~翌朝7時の時間帯に縮小された。また、1月28日前後から遮断されていたインターネットが回復し始めた。
 軍は31日の声明では「平和的な手段による表現の自由はすべての人々の権利だ」とデモを容認する中立姿勢を打ち出しており、全土で100万人規模となった1日のデモにも一切介入しなかった。


●大統領派と衝突、多数負傷 エジプト反政府デモ、対立深刻化
(共同通信2011/02/02 23:28) http://p.tl/cMwR
 2日、エジプト・カイロ中心部のタハリール広場で、衝突する大統領支持派(下)とデモ隊(AP=共同)
【カイロ共同】エジプトのホスニ・ムバラク大統領(82)が今秋に退陣する意向を表明してから一夜明けた2日、カイロ中心部のタハリール広場で、反政府デモの野党勢力と大統領支持派が衝突、ロイター通信によると、数十人が負傷した。野党勢力はあくまで大統領の即時辞任を要求。退陣表明を評価する支持者との対立が深刻化した。
 野党勢力は、イスラム教の休日で金曜礼拝がある4日に再び大規模デモを計画し、辞任に追い込む構え。全土で100万人規模の参加者を集めた反政府デモの勢いがどの程度続くかが今後の情勢を左右する。
 カイロ市内では、政府が組織したとみられる大統領支持派による数千人のデモが行われた。大統領派とみられる一団が馬やラクダで広場に乱入。両者が石を投げたり、棒で殴り合ったりしたが、軍は介入していない。
 国民の間には、生活に多大な影響を与えているデモから距離を置く動きも出始めており、エジプト国防省報道官は2日、テレビを通じて国民に対し、デモを終結させ、通常の生活に戻るよう訴えた。外出禁止令の時間は短縮され、インターネットも復旧した。


●エジプト:両派石投げ合い血まみれ 銃声も
(毎日新聞 2011年2月3日1時13分)http://p.tl/0HiJ
エジプト国旗を持ち、ラクダに乗ってタハリール広場に向かうムバラク大統領支持者=カイロ市内で2011年2月2日、共同
 【カイロ和田浩明】エジプト・カイロでは2日、ムバラク大統領の即時退陣を求めて市中心部タハリール広場に集まっていたデモ隊に大統領支持派が事実上の「攻撃」を仕掛け、流血の惨事となった。市中心部ではこん棒などを持った両派の数万人が入り乱れ、相手方を激しく殴打。路面からはがしたコンクリート片や石を投げ合い、血まみれの負傷者が仲間に抱えられ次々と後方へ運ばれている。市中心部では煙も上がっている。
 AP通信によると、反政府側デモ隊約1万人が集結していたところに、大統領支持派約3000人が襲いかかった。馬やラクダに乗り、手にむちや棒を持って襲いかかった支持派もいたが、反政府側参加者に馬上から引きずり下ろされ、路上で激しく殴打された。
 広場周辺には秩序維持のために国軍が展開していたが、衝突は防げなかった。一帯では時折、銃声が響き渡っており、兵士が事態沈静化のために空へ向けて発砲しているとの情報がある。


●反独裁デモの舞台で流血=激しく投石、引退演説に賛否-エジプト
(時事通信2011/02/03-00:41)http://p.tl/3CsF 
【カイロ時事】激しく投石し合うムバラク・エジプト大統領の支持派と反対派-。大統領辞任要求デモの拠点となってきた首都カイロ中心部のタハリール広場は2日、衝突により流血の舞台となった。ムバラク大統領は引退表明で事態収拾を狙ったが、混乱が続いている。
 数千人規模の反大統領派のデモ隊が残っていた広場に昼すぎ、数千人の大統領支持派が突入、馬やラクダに乗って行進した。そのうち、投石やこん棒を使った激しい衝突に発展し、数十人が負傷した。市民の間では、引退演説に賛否の激論が起きていることが背景にある。
 現場に展開する軍は自制を促したが、本格的な介入はしていない。ただ、空に向け威嚇発砲する音が聞かれた。これに対し、軍は威嚇発砲を否定、情報は混乱している。
 親大統領派の突然の広場乱入に対しては、体制側が市民に100ポンド(約1500円)を支払い、大統領派デモに動員をかけたとの情報や、秘密警察が親大統領派の市民に紛れ衝突を扇動したと訴える反大統領派の主張もある。
 一方、市内のムスタファマフムード広場には、ムバラク大統領支持を訴える数千人規模のデモ隊が集結。参加者のアッバスさん(34)は「ムバラクはわれわれの父親だ。敬意を払わなければならない」と訴えた。
 南部ミニヤから家族でやって来たタレクさん(29)は「エルバラダイ(前国際原子力機関事務局長)は一体何者だ?ムバラクが去れば、エジプトは死ぬ」と語り、体制維持を求めた。軍用ヘリコプターは上空を旋回し続けているが、通りからは軍車両の姿が減っている。インターネットの復旧に市民からは歓迎の声が上がった。現金自動預払機(ATM)前には行列ができた。



「駐在国にムバラク支援を働きかけよ」、イスラエルが自国の外交官に通達
2011年02月01日 11:3 http://p.tl/uH7S
【2月1日 AFP】イスラエル政府が、各国に駐在する自国の外交官に対し、エジプトのホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領を支援するよう駐在国政府に働きかけるよう命じたと、31日の現地紙ハーレツ(Haaretz)が伝えた。

 ハーレツ紙によると、イスラエル外務省は「エジプトの政権の安定を維持することは中東全体の利益」になるだけでなく「欧米の利益でもある」ことを強調するよう外交官に命じた。この通達は米国やカナダ、中国、ロシア、欧州各国など少なくとも12か国の駐在外交官に伝えられたという。

 イスラエルの外務省報道官と首相報道官は、AFPの取材に、このような指示があったことについては確認も否定もしないと述べた。

 エジプトでの反政府デモをめぐっては、ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相が公式な発言をしないよう閣僚に求めていると30日に述べるなど、イスラエルはこれまで控え目な行動をとっていた。ネタニヤフ首相も、推移を慎重に見守っている、という以上の発言はしていない。

 しかし、ハーレツ紙は、イスラエル政府はエジプト問題に対する欧米の公式見解に不満を持っているとイスラエル政府高官が示唆したと伝えた。

 米政府と欧州当局はムバラク大統領の退陣までは求めていないものの、エジプトの民主化への移行を呼びかけ、平和的な抗議デモを認めるよう要請している。このイスラエル政府高官は、「米国人と欧州人は世論に引っ張られており、各国の真の国益を十分検討していない」と語ったという。

 さらに同高官は、「仮に欧米がムバラク政権に批判的であったとしても、欧米はその友人たちに孤立感を感じさせてはならない。ヨルダンとサウジアラビアは西洋の反応を見ている。誰もがムバラク大統領を捨てようとしていることを見ている。そしてこれは非常に深刻な意味合いを持つことになるだろう」と語ったという。(c)AFP