●ムバラク氏の即時退陣協議=米、暫定政府を提案-NYタイムズ
(時事通信2011/02/04-12:20)http://p.tl/9Nbk
 【ワシントン時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は3日、オバマ政権がエジプト政府との間で、ムバラク大統領に即時退陣を求め、スレイマン副大統領率いる暫定政府を発足させる提案について協議していると報じた。ただ、ムバラク大統領は退陣を拒否しており、協議の行方は不透明だ。
 クリントン国務長官は同日、エジプト政府と野党に対し、「秩序ある政権移行に向けた真剣な交渉の即時開始」を要求。バイデン副大統領もスレイマン副大統領と電話で会談し、交渉開始を促した。現場情勢が緊迫の度を深める中、米政府はムバラク氏退陣と暫定政府発足を加速化させるため、圧力を強めているもようだ。
 同紙が米当局者などの話として伝えた提案は、スレイマン副大統領がエナン軍参謀総長、タンタウィ国防相の支持を得て暫定政府を発足させ、憲法改正作業を直ちに開始するという内容。また、イスラム原理主義勢力、ムスリム同胞団を含む野党とともに選挙制度改革の協議を行うことも盛り込まれている。
 提案は、オバマ政権がムバラク大統領周辺の高官と協議している複数の選択肢の一つ。副大統領や軍部は現段階で、大統領の即時退陣を受け入れる姿勢を示していないという。



●米、組織的取材妨害と非難=エジプトで相次ぐ記者襲撃
(時事通信2011/02/04-12:39)http://p.tl/_M9J
 【ワシントン時事】クリントン米国務長官は3日、エジプトのデモ現場で外国人記者の襲撃や拘束が相次いでいることについて、「報道の自由を保障する国際規範に違反し、受け入れ難い」と強く非難した。米政府は、エジプト政府が関与する組織的行動とみて、取材妨害の中止と拘束された記者の釈放を求めている。
 同長官は記者団に対し、「エジプト政府と軍には、脅かされている人々を保護し、襲撃に関与した者を摘発する明白な責任がある」と強調。取材活動の安全を確保する措置を取るよう要求した。
 カイロでは2日以降、ワシントン・ポスト紙、ニューヨーク・タイムズ紙、アルジャジーラなどの記者やカメラマンが警察や軍に拘束された。また、CNNやABC、ロイター・テレビのクルーがデモ隊に殴打されたほか、BBC放送が機材を押収されている。
 クローリー国務次官補(広報担当)は3日の記者会見で、報道陣に対する襲撃が「偶発的なものではなく、取材妨害の試みだ」と言明し、政府の関与を示唆した。また、国務省高官は「事態が続けば圧力を強める」と述べた。


●エジプト、外国人記者らに襲撃相次ぐ ナイフで刺され重傷も
(AFPニュース2011年02月04日 12:38) http://p.tl/HSDL
【2月4日 AFP】エジプト・カイロ(Cairo)中心部で2日と3日、反政府デモの取材にあたっている外国人ジャーナリストに対する襲撃や拘束が相次ぎ、ホスニ・ムバラク(Hosni Mubarak)大統領の支持派による「組織的な攻撃」だとして、米国を始めとする国際社会から非難の声が上がっている。

 標的となったのは、反政府デモの震源地タハリール広場(Tahrir Square)で反政府デモ隊と大統領支持派との衝突を取材していた複数の外国メディアの記者ら。大統領支持派に後をつけられ暴行されたほか、軍に身柄を拘束された記者もいる。

 米国の非営利団体「ジャーナリスト保護委員会(Committee to Protect Journalists)」は、「国際メディアに対する前例のない組織的な攻撃」だと非難した。

 また、市内で国際人権団体が事務所を構えるビルに警察が踏み込み、アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)とヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch、HRW)の外国人スタッフらが身柄を拘束された。

 ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)米国務長官は、エジプト政府と軍には記者らを守る「明確な責任」があるとして一連の攻撃を厳しく非難。国連の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長も、ジャーナリストや人権活動家への攻撃は「言語道断で到底受け入れられない」との声明を出した。英、仏、独、伊、スペインも共同声明で攻撃を批判した。

■「外国人記者はスパイ」、国営メディアが煽る

 取材にあたっていた特派員やカメラマンらの話によると、襲撃に先立ってエジプト国営メディアが、外国人記者らはスパイだと非難するキャンペーンを展開していたという。

 英BBC特派員は、秘密警察に手錠と目隠しをされ、3時間にわたって尋問されたと語った。

 スウェーデン公共放送SVTのレポーターの1人は、数時間にわたって連絡が取れなくなった後、「ナイフで刺され重傷を負った」状態でカイロ市内の病院にいるところを発見された。このレポーターは現在手術を受けている。

 デモの様子を24時間体制で報道しエジプト当局から目の敵にされているカタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al Jazeera)は、特派員の1人がムバラク派に追い回され「ユダヤ人」「イヌ」などと罵声を浴びせられたことを明らかにした。また、2日には同局英語放送の記者6人が数時間身柄を拘束され、カメラを没収されたという。

 米CNNの看板特派員アンダーソン・クーパー(Anderson Cooper)も、自分とカメラマンがタハリール広場のすぐそばで襲撃を受けた状況について「修羅場だった。突然、男が向かってきて顔を殴ったんだ」と生々しく語った。

 サウジアラビア資本の衛星テレビ局アルアラビア(Al-Arabiya)とベルギー紙ルソワール(Le Soir)の記者も、ムバラク派に激しく殴られた。

 フランスBFM TVの記者3人は15分にわたって殴る、蹴るの暴行を受け、軍車両が通りがかってようやく助けられたという。トルコの国営トルコ・ラジオ・テレビ放送(TRT)の記者は殴られた挙げ句、財布やカメラ、携帯電話などを奪われ、トルコ大使館に逃げ込んだ。(c)AFP/Joseph Krauss



●交渉の即時開始要求=エジプトでの記者襲撃を非難-米国務長官
(時事通信2011/02/04-09:32)http://p.tl/x5yU
 【ワシントン時事】クリントン米国務長官は3日、エジプト政府と野党や市民、政治各派に対し、「平和で秩序ある政権移行に向けた真剣な交渉の即時開始」を要求した。また、デモ現場で相次いでいる記者を標的にした襲撃や拘束を強く非難、エジプト政府に対応を訴えた。
 バイデン副大統領は同日、エジプトのスレイマン副大統領と電話で会談し、こうした要求を伝えた。米政府は「秩序ある移行」の即時開始を促してきたが、現場情勢が緊迫の度を深める中、一歩踏み込んだ表現で交渉入りを迫った形だ。
 同長官は記者団に対し、「エジプト国民は、具体的な変化を生み出す有意義なプロセスを期待している」と述べた。一方、外国人記者の襲撃や拘束について「報道の自由を保障する国際規範に違反し、受け入れ難い」と批判。記者やデモ参加者の保護と襲撃に関与した者の摘発を求めた。
 ホワイトハウスによると、バイデン副大統領は電話会談で、暴力拡大の阻止と「信頼できる包括的な交渉」の即時開始を呼び掛けるとともに、拘束された記者らの解放を要請した。
 カイロでは2日以降、ワシントン・ポスト紙、ニューヨーク・タイムズ紙、アルジャジーラなどの記者やカメラマンが警察や軍に拘束された。また、CNNやABC、ロイター・テレビのクルーがデモ隊に殴打されたほか、BBC放送が機材を押収されている。
 クローリー国務次官補(広報担当)は「偶発的なものではなく、取材妨害の試みだ」と非難。米政府は、エジプト政府が関与する組織的行動とみて、同国側に取材妨害の中止を求めている。国務省高官は「事態が続けば、圧力を強める」と述べた。


●同胞団の権力掌握懸念=「辞任すれば混乱」-次男後継の意図否定・ムバラク大統領
(時事通信2011/02/04-07:58)http://p.tl/untK
 【ワシントン時事】エジプトのムバラク大統領は3日、米ABCテレビのインタビューで、現時点で辞任すれば、イスラム原理主義勢力、ムスリム同胞団が権力を握り、混乱が生じると警告した。ムバラク大統領退陣を求める反政府デモの発生後、同大統領が外国メディアのインタビューに応じたのは初めて。
 エジプトのスレイマン副大統領はこの日、国営テレビに対し、ムスリム同胞団との対話に応じると表明。同胞団の政権掌握を警戒しつつも、デモ収拾に向けて大統領側も一定の譲歩を示している。
 ムバラク大統領は、30年にも及ぶ大統領の職務にうんざりしており、今すぐにでも辞めたいが、国家の混乱を懸念して辞任を踏みとどまっていると指摘。オバマ大統領と電話で話した際に「あなたはエジプトの文化を、私が今辞任すればどうなるかを理解していない」と述べたことを明らかにした。
 その上で、9月の大統領選挙について、「私は再出馬するつもりはなかったし、(次男の)ガマルを後継者にすることも意図したことはない」と言明した。


●いま辞任すればエジプトは大混乱に陥る=ムバラク大統領
(ロイター2011年 02月 4日 08:51)http://p.tl/v_sj
 [ワシントン 3日 ロイター] エジプトのムバラク大統領は3日、いま辞任すればエジプトは大混乱に陥り、イスラム原理主義組織、ムスリム同胞団が主導権を握るだろう、と述べた。

 ムバラク大統領は大統領府で米ABCテレビのクリスティアン・アマンプール氏のインタビューに応じ「うんざりしている。62年間公職を務め、もう十分だ。辞任したい」と述べた。その上で「きょう辞任すれば、エジプトは大混乱に陥る」と語った。

 首都カイロ中心部のタハリール広場一帯で2日に発生した反ムバラク派と親ムバラク派の衝突については、政府には責任はないとし、イスラム原理主義組織のムスリム同胞団が関与していると非難。「2日の出来事は非常に残念だ。エジプト国民同士が戦う姿を見たくはない」と述べた。

 大統領の退陣を求める声があがっていることについて「国民に何と言われようとかまわない。今私にとって大切なのは、私の国エジプトだ」と語った。

 さらに、再選を目指すつもりはないと表明したことで安どしたとし、子息のガマル氏を同氏の後に大統領に就任させるつもりも一切なかった、と述べた。

 またオバマ米大統領に対して「エジプトの文化や、私が辞任したらエジプトがどうなるかを理解していない」と伝えたことを明らかにした。


●ヨルダンのムスリム同胞団が国王と会談へ
(WSJ2011年 2月 4日 7:18)http://p.tl/7mq0

 同胞団の諮問機関のトップを務めるアブドル・ラティフ・アラビアト氏によると、会談で同胞団は議会の解散、および改革を加えた選挙法の下での議会選挙を要求するという。同氏は「国王は今日の午後、われわれのグループと会う」としている。

 同胞団の政治組織「イスラム行動戦線」は3日、これより先、新しく首相に指名されたマルーフ・バヒト氏が2日の話し合いで新政権は政治改革を行うと約束したものの、4日の抗議デモは実行する計画だと述べた。行動戦線のゼキ・バニ・アルシェイド氏によると、行動戦線は「約束ではなく行動」を求めている。同氏は、バヒト首相は2日に選挙法の改革とその他の政治改革を行うと約束した。行動戦線は昨年11月に行われた前回の選挙をボイコットしている。

 アブドラ国王は1日、政治改革を求める反政府デモを受けて、リファイ首相に代えてバヒト元首相を新首相に指名した。同国では最近、チュニジアのベンアリ大統領が追放されたことやエジプトなどでの反政府デモを受けて、政府への抗議活動が激しくなっている。



●エジプト政府、反体制派に若干の譲歩
(WSJ2011年 2月 4日 7:48) http://p.tl/0TEE
 しかしオマール・スレイマン副大統領はムバラク大統領の即時辞任要求を拒否、経済への一層の打撃を食い止めるため、デモを中止して政治改革が交渉開始できるようにすることが先決だと訴えた。

 アフメド・ファリド保健相は国営テレビで、2日に始まった乱闘で8人が死亡、900人近くが負傷したと述べた。 

 スレイマン副大統領は、ムバラク支持者と反体制派との最近の衝突における政府の責任には言及せず、政党と結びついた民兵ないし外国の挑発分子の仕業だと批判した。同副大統領は「もし(反体制運動に伴う)こうした混乱が続けば、国が破滅し、真の改革が実現できない」と訴え、デモ隊が求めているムバラク大統領の即時辞任に応じない姿勢を示した。 

 同副大統領は「ムバラク大統領は高潔な人物であり、人々は彼が果たしたエジプトへの貢献を尊重しなければならない」と述べ、「大統領の即時辞任を求める者は非エジプト的だ」とも語った。

  デモ隊とムバラク支持者との衝突は3日午後まで続き、デモ隊が同広場の外に防衛ラインを広げ、前日夜に体制支持者たちが火炎瓶発射台に使った高速道路の陸橋を攻撃し始めた。3日夜までには反体制派デモ隊が陸橋やその周辺を占拠し、体制支持者の姿はほとんどいなくなった。 

 シャフィク首相は国営テレビで、「われわれの誤りだった」と述べ、同広場での衝突を謝罪した。同首相は、ムバラク氏支持者が同広場になだれ込んだことに驚いたと述べ、彼らが命令されて広場に行ったのか、あるいは自発的だったのか調査すると語った。 

 国営テレビによると、スレイマン副大統領は、ムバラク大統領の息子ガマル氏が今年後半の大統領選挙に立候補しないだろうと述べた。同副大統領はまた、拘束されたデモ参加者のうち、違法行為を犯していない者全員の釈放を命じた。 

 一方、国営テレビによれば、検察当局は、先週ムバラク大統領に更迭されたアドリ前内相ら数人の前閣僚について、銀行口座を凍結するとともに、出国を禁止した。アドリ前内相は長年、治安警察を使って反体制派関係者に対して残虐行為を働いたと非難の的になっている。

 しかし、政府のこうした譲歩姿勢は、反体制派の主要な要求であるムバラク大統領出国の受諾までには至っていない。



●イエメンで大規模な反政府デモ=平穏に終了
(WSJ2011年 2月 4日 8:21) http://p.tl/TJKx
 一方、南部のアデンで行われたデモでは、治安部隊がデモ隊に発砲し、2人が負傷したもよう。警察がデモ隊に催涙弾を発射し、15人が逮捕されたとの目撃者情報もある。

 サヌアでは警備が強化され、治安部隊による巡回が増強されている。町は閑散としており、この日はほとんどの商店が休業した。

 イエメンの反政府抗議デモは、チュニジアやエジプトでの抗議行動に触発されたもので、これを受けサレハ大統領は物価統制や経済的な問題への対応のために導入した税を撤廃してほかの手段を検討することを約束、さらに2013年の次期大統領選への不出馬を表明するとともに、息子への権力移譲の可能性も否定した。

 この日のサヌアでのデモでは、政府派にも反政府派にもお祭り騒ぎの雰囲気も生まれ、最近高まっていた緊張感は和らいだ形となった。政府支持派が集まったサヌアの解放広場では、食べ物や飲料水の露店が出て、人々は踊ったり歌ったりしていた。

 反政府運動が驚きをもって迎えられたチュニジアやエジプトと違い、イエメンのサレハ大統領は長らく権力基盤が弱いとみなされ、政治的には不安定な状態にある。

 野党連合・合同会議(JMP)のムタワカル議長は、これまで掲げてきたサレハ大統領の即時退陣要求について、「それは、現段階の問題ではない」と否定し、「われわれは変革を求めている。それは、特定の人々に対するものではなく、民主化と人権保護に向けて前進することだ」と述べた。

 反政府派の指導者はまた、エジプトで政府支持派と反政府派が衝突したことを受け、3日のデモでは暴動化を回避することに腐心したことを明らかにした。イエメンの反政府運動は、チュニジアやエジプトと違いデモをしっかり統制しており、数千人を集結させ平穏に解散させることができる態勢を作り上げている。またサレハ大統領は30年超にわたって大統領の座にあるものの、反対派とはうまく折り合いを付けてきた。