2カ月前、石川議員に「裁判頑張って」の名刺を置いていった水谷元会長


[国民は騙されている 小沢「強制起訴」の虚構]  (日刊ゲンダイ2011/2/7)


不可解な行動は5000万円渡した記憶がない証明か


きょう(7日)から始まった石川知裕議員の公判。それに合わせて、各メディアは、証言台に立つ水谷建設の水谷功元会長(65)を追いかけている。
水谷元会長は、この事件のキーマンだ。小沢事件とは、突きつめれば、水谷建設から小沢サイドに1億円のウラ献金が渡ったかどうかだけ。すべては「04年10月と05年4月に5000万円ずつ計1億円を小沢サイドに提供した」という水谷元会長の供述から始まったといっていい。
ところが、水谷元会長は、最近になって周辺やメディアに「渡したか分からない」「よく覚えていない」などと言い始めている。本紙の取材にも「石川とか大久保ってだれなのか知らん」と仰天発言している。検察の切り札は、そのくらいいい加減なオッサンなのだ。


最近も小沢周辺で奇怪な動きを見せている。当事者の石川議員がこう語る。
「水谷元会長は小沢事務所のパーティーに来たこともありません。川村元社長は何度か来ていたようですが、パーティーでは毎回、数百人と名刺交換をするので、さすがに全員の顔までは覚えていない。川村元社長の顔も分かりません。実は、昨年12月ごろ、初めて水谷元会長と対面しました。ほんの2カ月前のことです。収監される直前の鈴木宗男さんに呼ばれ、議員会館の部屋を訪ねると、知らない男がいる。“誰だろう?”と思っていたら、宗男さんに紹介されてビックリ。その男が水谷元会長だったのです。仰天しましたよ。私にダム工事の謝礼として5000万円を渡したと証言した人物が突然、目の前に現れたんですからね。どうしてあんなデタラメ供述をしたのか、問いただしたい気持ちはありましたが、私と彼は接見禁止なのです。それを宗男さんは知らなかったようなので、その旨を伝えた上で、すぐに退室しました」

この後の水谷元会長の行動も理解不能だ。宗男の部屋の帰りに、わざわざ石川の部屋に立ち寄り、名刺を置いていったという。それも「(裁判は)頑張ってください」というメッセージ付きだ。
いやはや、驚いた。工事受注のお礼にウラ金を渡すような計算高い経済人なら、こんな行動はしないし、自分がワナにはめた相手とは会いたくないのが普通だ。


水谷元会長の行動はあまりに不可解だ。ある政界関係者が言う。
「水谷さんは、もともとアバウトな政界のタニマチで、だれにカネをいくらまいたかなんて覚えていない。石川議員と平気で会えるのも、検察のシナリオ通りにしゃべらされただけだから、罪の意識はないのでしょう」
石川議員側の証人として出廷する水谷元会長が供述をひっくり返したら、小沢事件もひっくり返るのだ。
(つづく)




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