小沢派は民主脱党政界再編へ (日刊ゲンダイ2011/2/8)

菅民主は否定された

名古屋市長選と愛知県知事選で惨敗した民主党。きのう(7日)菅首相は「敗因をしっかり分析したい」などと言っていたが、分析しなくても、敗因はハッキリしている。

有権者は菅民主党に“不信任”を突きつけたのだ。
「民主党は菅首相になってから、参院選、沖縄県知事選、福岡市長選、茨城県議選、西東京市議選……とあらゆる選挙で負けている。これほど敗北が続くのは、候補者がウンヌンという話ではない。国民が菅民主党を否定しているということです。内閣支持率が21%、不支持率が77%に達しているのを見れば明らかでしょう」(政治評論家・本澤二郎氏)

菅首相が選挙で連戦連敗しているのは、国民を裏切ったからだ。民主党は09年衆院選マニフェストで「政治主導」「日米対等」「国民生活が第一」を掲げて政権交代を実現させた。民主党なら政・官・財で癒着し、行き詰まった日本の政治を根っこから変えてくれると国民は期待したものだ。

ところが、首相はマニフェストをことごとく見直し、政権交代の原動力だった「ムダの根絶」まで放棄してしまった。その一方で「消費税増税」など、マニフェストに書かれていないことに血道をあげ、与謝野馨を大臣に起用するなど、民主党の「自民党化」をどんどん進めている。
これでは、せっかく自民党を倒し、政権交代した意味がない。裏切られた国民が選挙で一票を投じないのも当たり前だ。

◆菅民主不支持の国民は小沢決起を期待している

こうなったら、心ある民主党議員は「国民生活が第一」という民主党の原点を守るためにも、変質した菅民主党に見切りをつけ、「新党」を結成した方がいい。このまま菅民主党にとどまっても、どうせ次の選挙で落選するだけだ。1年半前の原点に戻る「真・民主党」が誕生すれば、国民も歓迎する。

政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
「09年マニフェストを大事に考えている小沢・鳩山グループは、勝手にマニフェストを変えている菅首相に不信感を強めています。このままでは、民主党が民主党ではなくなってしまうと純粋に心配している。鳩山由紀夫元首相も1月末『こんな党をつくったつもりじゃなかった』と発言しています。彼らは、菅首相がこれ以上暴走したら、100人規模で離党するつもりです。もし、小沢・鳩山グループが集団離党したら、一気に政界再編につながる可能性があります」

民主党は「政党支持率」でも自民党に負けはじめている。とっくに国民は変質した民主党を見放している。民主党議員は、国民が何を期待しているのかよく考えることだ。



※日刊ゲンダイはケータイで月315円で読める。
この貴重な媒体を応援しよう!
http://gendai.net/