田母神元空幕長に何が起きているのか (日刊ゲンダイ2011/2/8)

会社解散 マネージャー退社 3つの自宅

この男に何が起きているのか。

「日本が侵略国家だというのは濡れ衣」との論文を書いて“更迭”された田母神俊雄・元航空幕僚長(62)。先月23日に自宅マンションから現金や指輪など300万円相当の“空き巣”被害に遭ったばかりだが、他にも周辺で不審な出来事が相次いでいる。

08年11月に自衛隊を辞めた田母神氏は、翌09年2月に「株式会社田母神事務所」を設立。代表取締役に就任し、精力的な講演活動で年間5000万~7000万円の講演料を荒稼ぎしてきたが、昨年の大晦日に突然、会社を解散した。
「解散と同時に、田母神氏の講演スケジュールの窓口となっていたマネジャーも、事務所を去ったのです。理由は聞かされていませんが、何かあったのでしょうか」(田母神氏の知人)

田母神氏が会社解散の登記を済ませたのは今年1月11日。直後に盗難の被害に遭った。しかし、東京・世田谷区宮坂のマンションの一室に田母神氏が“自宅”を構えていたことは、限られた関係者しか知らない話だった。
「自衛隊時代から、田母神氏の住所は埼玉県三郷市内の『さつき平団地』にある築20年の大規模マンションの一室と聞かされていました」(前出の知人)

事実、田母神氏は「事務所」の代表者の住所に三郷のマンションを記載してきた。ところが、会社解散と同時に、あえて代表者の住所移転の登記も申請。盗難被害に遭った世田谷の住所とは異なる北区赤羽のマンションの一室を新住所として届け出たのだ。
「会社解散の理由について、お答えすることはありません。今も法人格のない個人事務所として継続しています」という田母神事務所のスタッフは、こう続けた。
「赤羽に田母神の自宅はありません。世田谷の住所は住まいであり、仕事場です」

会社代表者の住所移転の登記申請には住民票の提出が義務付けられている。本当の住所と違う記載をすれば、「電磁的公正証書原本不実記録罪」に問われかねない。そんな危険を冒してまで、田母神氏は世田谷の住所を知られたくなかったのだろうか。空き巣被害は偶然なのか。



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