●名古屋トリプル投票:河村氏陣営が完勝 市長、知事選制す
(毎日新聞 2011年2月7日2時07分) http://p.tl/4zjr

 任期満了に伴う愛知県知事選と前市長の辞職に伴う出直しの名古屋市長選、同市議会解散の賛否を問う住民投票が6日投開票された。市長選は前職の河村たかし氏(62)=減税日本公認=が過去最多得票だった前回(09年4月)の約51万票を約15万票上回り、再選された。知事選は河村氏が担ぎ出した前衆院議員の大村秀章氏(50)=公明県本部支持=が初当選。直接請求(リコール)による住民投票は、賛成票が7割を占め、市議会解散が決まった。政令指定都市でリコール成立により議会が解散されるのは初めて。市議会との対立から「トリプル投票」を仕掛けた河村氏の勢力が完勝した。

 投票率は、知事選52.52%(前回52.11%)、市長選54.14%(前回50.54%)、住民投票54.17%だった。

 名古屋市長選は、河村氏が自ら代表を務める地域政党・減税日本から立候補したほか、前民主党衆院議員の石田芳弘氏(65)=民主、社民、国民新、自民県連推薦▽元参院議員の八田ひろ子氏(64)=共産推薦▽前市議の杉山均氏(54)の3人が出馬した。

 愛知県知事選は、大村氏と、元総務省審議官の御園慎一郎氏(57)=民主、社民、国民新推薦▽元総務省課長補佐の重徳和彦氏(40)=自民県連推薦▽医師の薬師寺道代氏(46)=みんな公認▽医師の土井敏彦氏(64)=共産推薦=の新人5人による乱戦になった。

 河村、大村両氏は減税や中京都構想など共通の公約を掲げて連携。両氏がそれぞれ地域政党をつくって既成政党との対決姿勢を打ち出した。

 民主は知事選に御園氏、市長選に石田氏を擁立した。4月の統一地方選の前哨戦で、菅再改造内閣発足後最初の大型地方選でもあり、党本部は閣僚級を相次いで投入したが「河村、大村連合」の勢いは最後まで衰えなかった。

 自民党愛知県連は知事選で重徳氏を擁立。市長選では前民主党衆院議員の石田氏を支援したが、前自民県連会長の大村氏の出馬もあり、自民支持層をまとめきれなかった。

 公職選挙法の規定で河村氏の任期は1期目の残任期間の13年4月まで。大村氏は15日に知事に就任する。

 名古屋市議会解散の賛否を問う住民投票は政令指定都市では初めて。解散に伴う出直し市議選は3月13日投票が有力視される。【加藤潔、丸山進】

 名古屋市長選確定得票数次の通り

当 662251 河村たかし<2>諸前

  216764 石田 芳弘 無新=[民][社][国]

   46405 八田ひろ子 無新=[共]

   23185 杉山  均 無新

 愛知県知事選確定得票数次の通り

当1502571 大村 秀章<1>無新

  546610 重徳 和彦 無新

  487896 御園慎一郎 無新=[民][社][国]

  324222 薬師寺道代 み新

  141320 土井 敏彦 無新=[共]

 名古屋市議会解散の住民投票(選管最終発表)

 賛成696146

 反対252921


●民主 大差敗北で危機感強まる
(NHKニュース2011年2月7日 4時9分) http://p.tl/J3FG
民主党内では、愛知県知事選挙と名古屋市長選挙で推薦候補が大差で敗れたことについて、「菅政権への失望感の表れだ」などとして、4月の統一地方選挙を控えて危機感が強まっており、執行部の責任を問う声も出ています。また、今回の選挙結果は、主要政党に対する批判だという指摘も出ており、地域政党の動向に注目が集まりそうです。
愛知県知事選挙と名古屋市長選挙で、民主党が推薦した候補者が、いずれも大差で敗れたことについて、民主党の石井選挙対策委員長は、6日夜、「非常に残念だ」としながらも、名古屋市長選挙は『河村劇場』が演出された特異な現象で菅政権に決定的な打撃を与えるものではないという考えを示しました。しかし、民主党は、菅政権になって、去年の参議院選挙以降、12月の茨城県議会議員選挙など地方選挙で敗北や苦戦が続き、今回も衆議院の15の小選挙区を独占している愛知県での大敗だけに、党内では「菅政権への失望感の表れだ」などとして、4月の統一地方選挙を控えて危機感が強まっています。そして、菅総理大臣の政権運営や、小沢元代表を巡る党内対立の長期化などが一連の選挙結果に影響しているとして、菅総理大臣や岡田幹事長ら今の執行部の責任を問う声も出ています。一方、野党側は、今回の選挙結果について、民主党が政権公約を安易に変更する姿勢を示していることや、小沢氏の国会招致で結論を先延ばしにしていることに対する有権者の反発の表れだとして、引き続き、政府・民主党への攻勢を強める方針です。また、今回の選挙では、民主党だけでなく、自民党が支援した候補も大差で敗れており、民主党の鳩山前総理大臣は記者団に対し、「既存の政党に対する失望感が、結果としてローカル政党への期待感として集まってきている」と述べるなど、選挙結果は主要政党に対する批判だという指摘も出ています。各党とも地域政党の動きは無視できないとしており、その動向に注目が集まりそうです。


●民主、石井一選対委員長「特異な名古屋の河村劇場」「大村氏は自民の脱北者」
(産経新聞2011.2.7 00:55) http://p.tl/bWR7

 民主党の石井一選挙対策委員長は6日夜、愛知県知事選と名古屋市長選で民主党推薦候補が大敗したことを受け「一地方の首長選であり、政党同士の戦いというより特異な名古屋で起こったこと。決定的な打撃を与える結果ではない」と述べ、政権運営に与える影響を否定した。党本部で記者団に答えた。

 石井氏は敗北の原因を「ちょっと理解できない台風のようなもの。名古屋では河村たかし氏が正義の味方という『河村劇場』が見事に演出されていた」と分析。党執行部の責任について「名古屋の特殊な雰囲気から出ている結果でそこまで問題が発展するとは思わない」と否定した。

 強制起訴された小沢一郎元代表の対応をめぐる党内対立が及ぼした影響については「ないといえば問題はあるだろうが、それが敗因ではない」と説明。愛知県知事選に当選した大村秀章氏については「大村さんは自民党の脱北者だ」と述べた


●「民主王国」で惨敗、執行部の責任問う声
(読売新聞2011年2月7日01時50分) http://p.tl/T6-E
 「民主王国」と言われる愛知県での「ダブル敗北」に加え、知事選の「2、3位争い」で民主推薦の候補が自民支持の候補の後じんを拝したことで、民主党内では菅首相(党代表)や岡田幹事長らの責任を問う声が出ている。

 特に「必ず1度は現地入りを」と号令をかけた岡田氏への風圧は強く、中堅議員は「政権与党の候補が3番手なんて、あり得ない。辞任すべきだ」と強調。若手も「政権公約は守れないし、小沢一郎元代表の問題でもめていては勝てない」とぼやいた。

 石井一選挙対策委員長は「河村氏の減税の主張に、すべてがからめ取られた」と敗因を分析。輿石東参院議員会長は「『しっかりしろ』という声だ。党の結束が大事だ」と語った。



●「手羽先何本、一緒に食ったかわからん」河村氏・大村氏
(朝日新聞2011年2月7日1時17分)http://p.tl/0WiK

 6日午後8時すぎ。名古屋市内の3カ所で、同時に「万歳」の声が上がった。

 「政治を変えてくれ、という市民のどえらい期待が実った。歴史的な日だ」。市長選で「当選確実」の知らせを受けた河村氏は、東区の個人事務所前の大型トラックの荷台を開放してつくった「特設ステージ」に立ち、満面の笑みで語った。

 支援者から、バケツでお湯をかけられるパフォーマンスを披露。詰めかけた支援者が歓声を上げると、河村氏は両手を突き上げて「おりゃあー」と雄たけびを上げた。

 そのころ、そばにある河村氏の支援団体「ネットワーク河村市長」の事務所でも、住民投票の「市議会解散」の報を受け、メンバーが「やった」と声をあげ、そろって万歳をした。

 そして、河村氏と連携して知事選を戦ってきた大村秀章氏の中区の事務所。「当選確実」の知らせを受け、クラッカーの紙テープを浴びながら、大村氏は「河村さんと一緒に愛知の新時代をつくっていく」と顔を紅潮させた。

 前代未聞のトリプル投票。元民主党衆院議員だった河村氏は、テレビ出演などを通じて親交を深めた元自民党衆院議員の大村氏とタッグを組んだ。ともに地域政党を立ち上げて「反既成政党」を前面に掲げ、自らが属した政党を否定する戦いを展開した。

 午後10時から市内のホテルでそろって記者会見に臨んだ2人。「手羽先何本、一緒に食ったかわからん」と大村氏との蜜月ぶりを強調する河村氏の横で、大村氏は「今回の結果は既成政党に対するアンチテーゼ。民主、自民推薦の方を圧倒的な大差で退けた。これが県民、市民の民意だ」と高らかに勝利宣言をした。

 「河村・大村連合」の既成政党との対決は、3月の出直し市議選、4月の愛知県議選でも続く。統一地方選では、大阪府議選や大阪市議選に加え、東京都知事選との連携も視野に入る。

 河村氏の地域政党「減税日本」は市議選で定数75の過半数確保を目指す。河村氏は「次の市議選が桶狭間の戦いと同じくらい大事な日。現職でない人を選んでほしい」と、有権者に「河村派」への投票を呼びかけた。

 「民主主義は最後は多数決。議会は仲間を増やし、多数をとらないといけない」。県議選に地域政党「日本一愛知の会」の候補者を擁立する大村氏も、河村氏と似た考えを語った。7日にも会公認候補の公募を始める考えを示し、「党籍は問わない。現職の方でもどんどん募りたい」と議員に働きかけた。

 空前の大勝を果たした2人。衆院議員時代から「総理を狙う男」と自ら公言してきた河村氏は、記者会見で「総理の座」への意欲について水を向けられると、「看板は下ろしていない」と語った。大村氏は「私も『総理を狙う男』とテレビで言われた。看板は下ろさない」。そろって怪気炎を上げた。



●元秘書3人、無罪主張へ 陸山会事件初公判
(共同通信2011/02/07 05:26) http://p.tl/XnnT

 民主党元代表の小沢一郎被告(68)が強制起訴された資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で、政治資金規正法違反の罪に問われた元秘書3人の初公判が7日、東京地裁(登石郁朗裁判長)で開かれる。

 3人は元私設秘書の衆院議員石川知裕(37)、元公設第1秘書大久保隆規(49)、元私設秘書池田光智(33)各被告。いずれも無罪主張の方針で、審理の行方が小沢元代表の公判に大きな影響を与えるのは必至だ。

 元秘書3人の審理は7月に終わり、判決は秋ごろになる見通し。

 最大の争点は、石川議員らが捜査段階で虚偽記入を大筋で認めた供述調書の信用性。石川議員は保釈後の再聴取時の録音記録を基に「供述は誘導された」として調書の任意性も否定している。

 検察側は「裏献金の存在を知られたくなかったため、小沢元代表からの借入金4億円をあえて記入しなかった」と主張しており、中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県桑名市)からの「1億円提供」を立証する方針。

 元秘書側は受領自体を否定している。

 起訴状によると、元秘書は陸山会の土地購入費に充てられたとされる借入金4億円を2004年分報告書に、返済金4億円を07年分報告書に記入しなかった、などとしている。


●4億円「自分と家族の口座から」=小沢氏調書を読み上げ-陸山会事件初公判で検察側
(時事通信2011/02/07-15:24)http://p.tl/9BRf
 小沢一郎民主党元代表(68)の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反罪に問われた衆院議員石川知裕被告(37)ら元秘書3人の初公判は、7日午後も東京地裁(登石郁朗裁判長)で続いた。検察側は証拠調べで、「(陸山会に)貸し付けた4億円は、自分と家族の名義の口座に残っていた資金だった」とする、小沢元代表の供述調書の要旨を読み上げた。
 午後の公判では、午前中に続いて弁護側の冒頭陳述も行われ、石川被告側は、取り調べ担当検事から「有罪は免れないから、国会議員として再起したいなら情状に配慮した努力をすべきだ。否認せず自白調書に署名したほうがいい」と持ち掛けられたと主張。他の検事からは、石川被告による別の事件を立件する可能性を示唆され、「水谷建設からの5000万円受領を自供すれば、別事件の罪は問わない」と言われたとも訴えた。
 元私設秘書池田光智被告(33)側も、検事から「供述調書の内容を認めて署名しなければ勾留期間が長くなる。署名すれば悪いようにはしない」などと迫られたとした。


●陸山会の収支報告書、いまだ訂正されず
(読売新聞2011年2月7日15時05分)http://p.tl/cLrW
 小沢一郎民主党元代表は自身の資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡る政治資金収支報告書の虚偽記入が発覚した後、「事務的なミス」「訂正で許されてきたもの」などと発言をしてきた。

 しかし、発覚から1年以上たっても収支報告書を訂正していない。

 公判で検察が主張する陸山会の虚偽記入は、小沢元代表が用意した土地購入代金の原資4億円以外にも、関連政治団体間の資金移動など多数あり、04、05、07年の3年分で、総額約21億7000万円に上る。この中には、客観的な資金の流れに合致しない記載が多数ある。ところが、陸山会は収支報告書を一切訂正していない。

 土地取引に関する記載を訂正しない理由について、元秘書の弁護人の1人は「故意に虚偽を記入したわけではないと公判で主張するため、訂正するかどうかは公判が終わってから考える」と話している。


●裏献金めぐり激突 検察VS弁護側が全面戦争
(産経新聞2011.2.7 13:18)http://p.tl/LhOT
 ゼネコンからの「裏献金」はあったのか。小沢一郎民主党元代表の元秘書3人の初公判では検察側、弁護側が裏献金の有無をめぐり攻防を繰り広げた。

 検察側は、中堅ゼネコン「水谷建設」が、大久保隆規被告(49)からの要求を受けて、胆沢ダム(岩手県奥州市)下請け工事の受注謝礼として、平成16年10月と17年4月にそれぞれ5千万円を渡したと指摘。

 検察側によると、小沢事務所の公共工事業者選定の意向を伝える役割だった大久保被告は16年9月ごろ、水谷建設元社長に1億円を要求。元社長は受注業者が決定する10月7日から海外出張だったため、大久保被告は前日の6日と、元社長帰国後の14日に具体的な日程を相談した。その結果、元社長は15日午後、東京都港区内のホテルで大久保被告の代理で訪れた石川知裕被告(37)に宅急便の袋に入った現金5千万円を手渡した。

 また残り5千万円は、17年4月19日に大久保被告が同じホテルで元社長から受領。ほかにも、大久保被告は元社長から料亭で接待を受けたり、「お歳暮」「お中元」などとして100万円を受け取るなどしていたという。検察側はこうした裏献金の実態を明らかにし、虚偽記載の動機について「建設業者からの謝礼金など小沢事務所での収入実態が露見するのを回避しようと考えた」と指摘した。

 一方、弁護側は裏献金疑惑について全面的に否定。石川被告は罪状認否で5千万円の受領について「そのような事実は断じてない」と述べた。

 水谷建設の元経理担当幹部らは21年7月の東京地検特捜部の調べに対し、5千万円の原資について16年当時、水谷建設が中古重機の売買代金を過小計上して捻出したものと供述した。

 これに対し、弁護側は冒頭陳述で、18年7月に元会長らが逮捕された法人税法違反事件の捜査で国税当局が水谷建設に対し徹底した調査を行いながら、こうした裏金は一切問題とならなかったと指摘し、供述の「不自然さ」を強調した。

 また、元運転手の手帳の記録を基に、16年10月15日に元社長をホテルに送り届けた事実がないとも指摘。元運転手は自らの手帳に乗車した人の名前、行方などを記載していたが、16年10月15日の欄には「12:10 東京駅迎え 社長」と記載されているのみで、その後の社用車の運行状況については一切記載がなく、空白だった、という。


●前原氏、鳩山氏を「前首相でも、政府と違う考え方は控えてほしい」批判 北方領土めぐり
(産経新聞2011.2.7 14:37) http://p.tl/jlel

 前原誠司外相は7日午後の衆院予算委員会で、鳩山由紀夫前首相が5日の講演で、北方領土の2島返還論に言及したことについて「鳩山氏個人の考え方で、政府の考え方ではまったくない。元首相が日本政府の考え方と異なる考え方を、個人的意見であれ、言うのは控えていただきたい」と批判した。

 その上で「4島が日本固有の領土であることはまぎれもない事実だ。4島の帰属を確定し、ロシアとの間で平和条約を結ぶというのは鳩山前政権も現政権も変わらない基本的な考え方だ」と述べた。

 鳩山氏は5日に北海道根室市で講演し、「4島を同時に返せというアプローチであれば、今のような現実の中で未来永劫(えいごう)、平行線のままだ。2島(歯舞群島、色丹島)にプラスアルファという考え方で、プラスアルファの解釈に知恵が必要だ」と述べた。