人間に興味がない幹事長の「何でも均等」選挙じゃダメだ

[それみろ!小沢がいないと選挙に勝てない民主党]
(日刊ゲンダイ2011/2/9)

世論調査もやらずにワンパターンの繰り返し

日本には地域ごとに細かい人間関係や特性がある。選挙ではよく、農村部、都市部という分け方をするが、実際の選挙戦ではもっと緻密な分類が必要だ。誰が実力者で、誰の指示ならどういう人が動くのか。どんな組織や団体があるのか。選挙ではこうしたデータがモノをいう。当然、「選挙の責任者である幹事長や選対委員長は、こうした地域の特性に詳しくなければ務まらない。『人、地域、構造』に興味を持っているか。これが幹事長や選対委員長の資質になる」(元県連幹部)。ところが、岡田幹事長にはそれがないのだ。

岡田の選挙戦術は、ひと言で言うと「全国一律の統一マニュアル」だ。岡田は、4月の統一地方選までに49都道府県を一巡するとして、毎週末、全国行脚している。しかし、せっかく足を運んでも、やることはどこも同じだ。「『会場が満席でよかった』『選挙ガンバロー』とこんな掛け声をかけておしまい」(地方議員)というから驚いてしまう。集まった人がどういう人か。組織・団体の人ならば、どんなところか。業界ならば景気はどうか。幹事長として聞いておくことはないか。フツーの幹事長なら気にするところだが、興味がない。
国会議員と地方議員の関係はどうか。地元秘書との間にトラブルはないか。こうした人間くさい情報にも無頓着だ。

選挙資金の配り方も「均等」が岡田の原則だ。県議選の公認料は一律100万円。50万円から倍にした。しかし、一律というのは、一番無難だが、非効率だ。「絶対当選できないような候補に配るのはムダ。当落分析をして、カネは効果的に配るべきだ。選択と集中が必要なのに、透明、公平ではダレが幹事長をやっても同じだ」(前出の元県連幹部)と、選挙のベテランは断言する。

地域の現状分析には、世論調査が効果的だが、岡田はそれもしない。
「小沢さんが選挙を仕切っていた頃は、定期的に世論調査をしてトレンドを見ていました。地域ごとの民主党支持率の変化をチェックし、国会議員、地方議員の地域浸透度が一目で分かるようにした。そうしたデータを基にして、支持が下がっている選挙区は、議員の尻を叩いた。しかし、今は世論調査を一切やっていないのです」(地方県連幹部)

岡田は、自分の情報がないから、地方県連が上げてきた候補者をそのまま公認し、ただやみくもに国会議員を大量動員する選挙しかできない。戦略ゼロのワンパターン。これでは、選挙に勝てるわけがない。
(つづく)


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