菅は人間の質が悪い…側近が激白した「小沢復権計画」

(ZAKZAK夕刊フジ 2011年02月10日17時00分)http://p.tl/R8AL


平野貞夫氏 菅直人首相(64、民主党代表)は10日にも、政治資金規正法違反罪で強制起訴された小沢一郎元代表(68)と直接会談。


事件が政治不信を招いたとして、自発的な離党や衆院政治倫理審査会での説明を要求し、小沢氏が拒否した場合、「党員資格の停止」を軸に処分手続きを進める。求心力低下が指摘される中、今後、小沢氏に逆襲のシナリオはあるのか。小沢氏の「知恵袋」といわれる側近、平野貞夫元参院議員(75)を直撃した。


 ――小沢氏は強制起訴をどう受け止めているか

 「小沢氏に1月末に会って『検察審査会による今回の起訴は違憲性があり、適法でないものがある。起訴できないのではないか?』と伝えた。しかし、小沢氏は『制度上は起訴されるよ』と淡々としていた。今も、裁判の中で無実を証明していくという冷静なとらえ方をしている」


 ――離党や議員辞職はしないのか

 「一連の事件は『小沢に政権を取らせてはいけない』という旧体制や一部米国からの要請ででっちあげられた謀略だ。メディアが検察のリークをたれ流し、国民は『小沢は悪』と錯覚した。結果、検察が2度も不起訴にしたのに、検察審査会はイメージで強制起訴し、小沢氏は政治から排除されようとしている」

 「集団リンチと言うが、もっと悪質だ。有権者が選んだ政治家が、こんなやり方で排除されるのは、議会制民主主義の根本を狂わせる。ファシズムといってもいい。国会議員は『明日はわが身』と思わなければならない。小沢氏は自分が離党や議員辞職をすれば、あしき前例になると考えるから、離党や議員辞職もしない」


 ――小沢氏は、「小沢切り」に走る菅執行部をどう見ているのか

 「尋ねたことはないが『困ったもんだなぁ』という意識では。政権交代を果たしたのに、やっているのは消費税増税など自民党時代と同じ。それで自民党の協力を得られればいいが、バカにされている。『熟議の国会』といいながら、野党抜きで予算委員会を開いてしまう。統一地方選を控える地方議員には大変な迷惑だろう。菅首相は人間の質が悪い。小沢氏が代表選に出馬したのは、それを危惧していた」


 ――マニフェスト修正にも批判が強い

 「ここまで違うと、ウソをついたことになる。解散・総選挙どころか、党を解散すべきだ」


 ――菅政権の先行きは

 「悲劇的だ。野党の信頼が低下しており、参院のねじれは解消できない。衆院3分の2での再可決には社民党が必要だが、消費税があるため厳しい。与党内には改造人事に不満を持っている人は多い。3月か4月に行き詰まる可能性は高い」


 ――それを避けるには

 「挙党一致の体制を作る。実行しなければ、代わってもらうしかない」


 ――小沢氏が予算関連法案に反対するなど、倒閣に動くことはないか

 「『民主党議員として働く』と言った以上、そんな立場にはない」


 ――小沢氏はどうする

 「国民に理解を求めていく。最近ではインターネットで直接説明をしている。国会議員にも働きかけて分かってもらう。その人たちが菅政権をどう思い、どう動くかは分からない。裁判も進行する中で、判決前に『無実』の心証が強くなるだろう。追いつめられている? そんなことはない。小沢氏は元気だ」


 ■平野貞夫(ひらの・さだお)  1935年生まれ。法政大学大学院修了後、衆院事務局入りし、衆院議長秘書などを経て、92年に参院選高知選挙区で初当選。民主党の小沢一郎元代表とは、93年に自民党を離党してから、新生党、新進党、自由党と政治行動をともにしてきた。2004年に政界を引退したが、小沢氏の「懐刀」として影響力を保持している。