末期的な民主党都知事選 誰もいなくなってとうとう「菅伸子擁立」の動き

(日刊ゲンダイ2011/2/14)

全国の知事選で岩手以外は一人も単独候補を当選させられない政権党って何?

─やれ東国原だ、ワタミの会長だと、連日候補者の名前が飛び交っている東京都知事選挙(4月10日投票)。
統一地方選の象徴的な選挙だけに各党が力を入れるのは当然だが、完全にカヤの外に置かれているのが民主党だ。
投票まで2カ月を切ったというのに、一向に候補者が決まらない。
「昨春の時点では、東京選出の国会議員を知事選に出馬させる予定でした。長妻昭(前厚労相)、小宮山洋子(厚労副大臣)、海江田万里(経済産業相)……。しかし7月の参院選挙の大敗とその後の菅政権の迷走で一気に逆風となり、とてもじゃないが彼らでは勝てない。唯一残していた蓮舫大臣も、現職の石原知事が出馬する方向なので厳しいでしょう。石井一選対委員長が、郵便不正事件で無罪判決を受けた村木厚子元厚労省局長と最近面会し、ちょっとした騒ぎになりましたが、アッサリ断られたようです。負ける選挙だし、出たいという人はいませんよ」(民主党関係者)

とはいえ政権政党が、自公が擁立する石原の4選を指をくわえて見ているわけにもいかない。まして東京は菅首相のお膝元、不戦敗は許されない。そこで“ある女性”の名前が挙がっているという。
「夫人の伸子さんです。もう破れかぶれですね。一応知名度は高いし、演説はうまい。女性からの支持も多い。“政治の私物化だ”との批判は受けますが、それは親子で茶番劇を演じている石原親子だって同じこと。伸子さんならそこそこ票は取れるでしょう。ダンナ以上かもしれない。政権与党でありながら、誰も都知事選に手を挙げないのは、菅首相の責任問題になる。伸子さんに尻拭いをしてもらう意味もあります」(前出の関係者)

妻の名前が挙がるなんて、まさに世も末だが、民主党の候補者不足はそれだけ深刻だ。
4月10日投票の知事選は、東京以外に北海道や福岡など12道県あるが、民主党の独自候補で勝てそうなのは小沢元代表の地元・岩手だけ。福井や奈良、佐賀など9県では、独自候補も出せない。原則相乗りを禁止していながら、このテイタラクだ。岡田幹事長の地元・三重県でも候補が見つからず、“貴重”な参院議員を無理やり知事選に出馬させようとしているから情けない。
「県議選・市議選に向けても、立候補予定者が『民主党では戦えない』と公認や推薦を辞退したり、みんなの党などに移るケースが増えています。今後国会では予算審議がモメるだけに、最終的な“脱走者”は100人近くに上るでしょう」(政界関係者)

もはや政権末期以外の何ものでもない。



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