誰ひとり責任取らない 民主党デタラメ体質
(日刊ゲンダイ2011年2月15日)

愛知惨敗 自民は県連執行部が総退陣
 河村・大村の「ムラムラ連合」が完勝した今月6日の愛知トリプル選挙から1週間。自民党愛知県連は13日、名古屋市内で会合を開き、鈴木政二県連会長(参院議員)ら執行部が総退陣することを決めた。知事選で県連推薦の候補が大差で落選したことの引責辞任だ。
 それなら……と問いたくなる。民主党はどうなのか。愛知県知事選は、150万2571票を獲得した大村秀章が当選。自民党が推した重徳和彦は54万6610票で次点だった。それなのに、政権与党・民主党が推薦した御園慎一郎にいたっては、48万7896票のトリプルスコアで3着だった。
 岡田幹事長は知事選告示後、4回も愛知入り。全民主党議員にも応援に行くよう指示し、実際に200人程度の議員が駆けつけた。それだけ全力投球しておきながら、民主党王国の愛知でこの負けっぷりは異常だ。

●岡田幹事長もダンマリ決め込む
 自民党の県連幹部が引責辞任するなら、民主党は岡田幹事長ら党執行部の責任問題に発展して当然の大惨敗である。
「今のところ、党内で執行部の責任論は浮上していません。昨年の参院選以来、わが党は誰も責任を取らなくていい党になってしまったからです」(民主党の中堅議員)
 参院選当時の選挙責任者は選対本部長を務めた菅直人、その下の石井一本部長代理、そして枝野幸男幹事長と安住淳選対委員長といった面々だ。自身の消費税発言で大敗したというのに、菅は代表に居座った。あとの3人は一時、役を退いたものの、今年1月の第2次改造内閣で、枝野は史上最年少の官房長官に抜擢され、安住は国対委員長に、石井は選対委員長に返り咲いた。責任らしい責任も取らずに、表舞台に復帰したのだ。
「参院選惨敗の戦犯が、むしろ今では出世しているのだから、アホらしくなってきますよ」(前出の中堅議員)
 もっとも、民主党愛知県連には選挙の責任を取ろうとする動きもあったという。
「愛知県連の牧義夫会長(衆院議員)は、胸ポケットに辞表をしのばせて選挙を戦っていた。負ければ辞任するつもりでいたのです。ところが、後任のなり手がいない。愛知県では今後も選挙日程がめじろ押し。3月に出直し名古屋市議選、4月には衆院6区の補選や統一地方選もある。菅政権が続く限り、勝てる見込みは皆無です。こんな時期に県連の幹部を押し付けられるのはゴメンとなり、誰も火中の栗を拾おうとしないのです」(地元紙記者)
 小沢追放に血まなこのくせに、選挙惨敗にはほおかぶり、こんなデタラメ体質では、国民からソッポを向かれるのも当然だ。もはや政党の体をなしていない。支持率は限りなくゼロに近づいていく。



※日刊ゲンダイはケータイで月315円で読める。
この貴重な媒体を応援しよう!
http://gendai.net/