岡田幹事長「パフォーマンスといわれても仕方ない」記者会見詳報
(産経新聞2011.2.17 19:03)http://p.tl/W16h

 民主党の岡田克也幹事長は17日の記者会見で、同党の若手議員16人が民主党会派の離脱届を提出したことについて、「届け出が成り立たないのは議員ならわかっているわけであり、パフォーマンスといわれても仕方がない」と批判した。

 会派離脱届に関する詳細は以下の通り。

「(16人の議員から)会派の離脱の届け出をきょういただきました。同じ民主党に属しながら会派を離脱するということは、これはできません。できないことはおわかりの上でやっておられることだと思いますが、それはありえないということであります。従って、わたしは会って、そういったことをお話ししたいと思いましたが、単に離脱届を置いていかれたということであります。こういう非常に重要な問題について、単に置いていくというのは理解に苦しむことでもありますが、今の規約上、そういうことは想定されていないということは申し上げておきたいと思います」「もちろん、従って、これは(衆議院)議長のところにも行かれたと聞いておりますが、当然、届け出はなされていないと。党にも、それから衆議院にも届け出はなされていないということであります。で、いろいろご意見おありだと思いますが、わたしは意見交換することにやぶさかではございません。ただ、それぞれ民主党公認で出て当選をされた議員のみなさんですから、やっぱり責任ある行動ということは求めたいというふうに思っております」

 --平成23年度予算案と予算関連法案の審議に与える影響はあるか

「離脱届というものは、これは有効なものではありませんので、このことが特に何か影響があるとは考えておりません。子供が生まれていないのに出生届を出すようなものですから、それはまったく受理されないわけであります。ただ、ここで書かれたこと、いろいろ、党の政策とか、執行部に対する批判、不満が述べられておりますので、そういうことは当然、おっしゃっていただいた方がいいし、政策に不満があるのであれば、それぞれ議論する場があるわけですから、そういうところできちんと言っていただいたらいいと。そういうところで言わずに、いきなり不満であるというのは、わたしはいかがかものかというふうに考えております」

 --党の処分に値するか

「よく話を聞いてみなければいけませんが、こういったことが無効であるということは、ご承知の上でやられたことではないかというふうに思いますので、あまり目くじら立てなくていいんじゃないかというふうに思います。しかし、軽率な行為ということは言えると思いますので、よくお話は聞いてみたいと考えています」

 --議員らは予算関連法案の採決で造反することも示唆している

「先ほど言いましたように、届け出は無効ですし、党の議員である限り、党の決めたことには従っていただく。もちろん、決めるに際していろんな議論は当然、党の中で行われるわけですが、決めたことに従っていただくということは当然であります。そうでない仮定の質問にお答えする必要はないと思います」

 --党内でこの動きが波及していく感じがある

「この動きといっても、先ほど言いましたように、届け出は成り立たない届け出をしているわけで、そういうことは議員ならみんなわかっているわけですから、そういう意味では、意味のないというか、パフォーマンスといわれても仕方がないと思います。それ以上にコメントすることは特にございません」

 --なぜ、会派離脱が党規約に反するのか

「まず規約はひとつの党でひとつの会派ということが大前提で規約が書かれております。同じ党でない人を会派に入れるときには、その手続きは書かれている。ということは、同じ党の人が複数の会派を持つということは想定されていないということです。もうこれは明らかだと思います」

 --党をまとめる立場の幹事長としてどう受け止めているか

「それ以前の問題だと思いますね。できないこと、しかも同じ党で当選をしながら、有権者に選ばれながら、別会派をつくる。そして議論する場がありながら、いろいろ批判をするということは、わたしはいかがなものかというふうに思います。まあ、これ以上、いろいろみなさんが質問することも、答えることも、何か届け出というものが意味あることのように思われてしまいますから、わたしはそこは、メディアのみなさんもこういう届け出は意味がないんだということはきちんと伝えていただきたいとご要望しておきます」

 --離脱届を出した人は、いずれも小沢一郎元代表の処分に反対し、離脱の理由にも挙げている

「理由の中に挙げてましたっけ?」

 --記者会見で説明した

「文書の中にはそういうものはなかったと思うんですね。記者会見、わたし、ちょっと細かくは承知しておりません。しかし、党の役員会、常任幹事会で議論を行っておるわけですから、そういったことに、自分の意見が違うからといって、意味のないこととはいえ、会派離脱届を出すということは、党としての、党人としての自覚を欠いたといわれても仕方がないというふうに思います。ぜひ、もう一度考え直して、しっかり党所属議員としてしっかり責任を果たしていただきたいと思います。もうこれ以上、コメントする気が、わたしはあまりありません」

 --離脱届を出した議員らを含め、一昨年の衆院選マニフェストの検証は党内であまり理解を得られていない

「マニフェストの検証を行うべきだというのは、党大会のとき、全国幹事長会議を開いたときに、1人の幹事長、岩手の方だったんですが、(その人を)除いてほぼ、全員というと言い過ぎかもしれませんが、多くの方から『早く見直しの方向性を出してもらいたい』という声が寄せられました。それぞれ県会議員の方が多いわけですが、地元を回っている中で、やっぱりこのままではうそをついたといわれかねないと。だからできないものについては、なぜできないかということも含めて、きちっとですね、『こういうことは残念ながら、すぐにはできない』とか『時間がかかる』とか、あるいは『できない』とかですね、そういうことを説明することが、有権者、国民の信頼を得ることになると。そういう意見が相次いだわけですが、わたし、まさしくそういうことだと。わたしも実感としてそういう気持ちを持っております」

「きょうのみなさんは選挙区持たない方、そのことが影響しているかどうか知りませんが、わたしはちょっと、2009年のマニフェストをこの期に及んで『全部やらなきゃいけないんだ』と、そういうふうに言っておられるとすると、それはちょっと、国民の意思からだいぶ離れていると、そういうふうに言わざるをえません」


●「全く理解できぬ」=菅首相
(時事通信2011/02/17-19:59)http://p.tl/VMdf
 菅直人首相は17日夜、民主党衆院議員16人の会派離脱表明について、首相官邸で記者団に「全く理解できない行動だ」と批判した。16人が離脱の理由に菅政権のマニフェスト(政権公約)修正の動きを挙げていることに関しては「マニフェスト見直しは、先の(民主党)大会で承認されたことだ」と述べた。
 2011年度予算関連法案が年度内に成立しなかった場合の対応について、首相は「国民の生活に大変重要な案件だから、成立に全力を尽くしたい」と語った。 



●民主、離脱届16人処分せず 執行部、沈静化図る
(共同通信2011/02/17 19:22) http://p.tl/ZWFK

 民主党本部で記者会見する岡田幹事長=17日午後、東京・永田町

 民主党の岡田克也幹事長は17日の記者会見で、強制起訴された小沢一郎元代表への処分方針に反発した衆院議員16人が会派離脱届を提出した問題をめぐり、離脱を認めず、16人の処分は検討しない考えを示した。黙殺することで事態の沈静化を図るのが狙いだ。菅直人首相は、記者団に「全く理解できない行動だ」と批判した。

 ただ「離党予備軍」を抱え込み、政権運営が厳しさを増すのは確実。2011年度予算関連法案採決での造反を示唆した16人に、ほかの小沢系議員が同調する可能性も否めず、執行部は事態の推移を慎重に見極める構えだ。

 岡田氏は会派離脱届について「無効だ」と強調。提出者の渡辺浩一郎衆院議員ら16人を処分する可能性については「目くじらを立てなくていい」と否定した。また今回の動きを「意味のないパフォーマンスと言われても仕方ない」と指摘。渡辺氏らが造反の可能性を示唆したことについても「党所属議員には党で決めたことに従ってもらう」と反論した。

 これに関し首相は17日、仙谷由人代表代行と官邸で会談し、今後の対応を協議。岡田氏も仙谷氏や輿石東参院議員会長と個別に会談し、党内の情勢分析を急いだ。

 輿石氏は記者会見で16議員について「軽々にその行動が正しい、正しくないと言うべきではない」と評価を避けた。