16人離脱は終わりの始まり 民主党クーデター第2幕 (日刊ゲンダイ2011/2/18)

「北辰会」に小沢系政務三役が続く

菅政権が16人のクーデターに大揺れだ。17日に会派離脱を表明したメンバー全員が造反すれば、社民党を引き込んだところで衆院は「3分の2」に届かない。予算関連法案の再可決は夢のまた夢となるが、倒閣運動はこれで終わりではない。クーデター第2弾は間近に迫っている。政変は始まったばかりだ。
岡田幹事長に会派離脱願を出したのは、比例単独で出馬した当選1、2回の衆院議員。「菅政権に正当性はない」「マニフェスト実現に取り組む我々こそが真の民主党だ」と主張した。

守勢に回った岡田は離脱を認めない方針で、「考え直して責任を果たしてほしい」と説得する構えを見せる。「目くじらを立てなくてもいい」と処分にも否定的だ。
だが、水が漏れ始めた堤防は決壊する。倒閣の動きは止まらない。これは菅政権の終わりの始まりである。
「今回の16人は次がない人たちです。逆風が予想される選挙で比例単独となると、自分たちまで議席は回ってこない。選挙区を持った候補者の敗者復活で終わりです。だから、捨て身になれた。失うモノがないのです。それだけに腰砕けは考えられない。徹底的にやるでしょう。どうせダメなんだから声を上げて、小沢の復権を待つしかないのです。執行部に除名されたらされたで道はある。河村名古屋市長の減税日本など、地域政党を核にした新党です。そこまで考えているだろうから、矛を収めることはありませんよ」(民主党関係者)

22日には党倫理委員会が開かれる。小沢を聴取し吊るし上げてから常任幹事会に送る手はずだ。これが終われば第2幕。クーデターは、さらに激化する。

「小沢グループの1回生でつくる“北辰会”は総勢50人を超えます。次は、今回は参加していない残りのメンバーが立ち上がるでしょう。きのうも30人が集まり、“思いは共有している”と盛り上がった。選挙で負けても責任をとらない執行部が、小沢元代表に『党としてのケジメだ』とか言って処分を下すのだからムチャクチャです。小沢系の政務三役も呼応した動きを見せますよ。グループの幹部が辞表を取りまとめていて、いざというときに全員で叩きつける準備は整っている。こうなれば政権内部からのクーデターです。さすがの菅首相も権力にしがみつくことはできません」(民主党事情通)

菅降ろしの波は、何も小沢グループだけにとどまらない。衆院選のマニフェストを実行せず、旧自民党政権の路線に逆戻りした菅政権には、党内の中間派からも批判が出ている。マニフェストの実行という錦の御旗がある限り、クーデターはどんどん拡大するのだ。

◆国民新党は連立離脱

国民新党だって政権の横っ腹から一撃を加える。下地幹事長は15日に、「万一裏切るようなことがあれば、政治生命を懸けて菅直人首相を倒す」と強調、「郵政改革法案の今国会成立」という連立合意の履行を迫った。これは、事実上の連立離脱宣言だ。
「予算関連法案を通すのに手いっぱいの菅政権が郵政をやれるわけがない。それを見越しての“倒閣宣言”だから、連立の解消は時間の問題です。寝業師の亀井静香代表は、菅政権に最大の打撃を与えられるタイミングを狙っています」(政界関係者)

第2波の衝撃で菅政権は終わりだ。




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