政権交代の功労者、長妻と馬淵までもが「反菅」で決起の断末魔

週刊現代

政権末期の様相を呈する菅内閣。小沢・鳩山グループ以外からも菅・仙谷体制に反旗を翻す動きが出てきた。長妻昭前厚労相と馬淵澄夫前国交相だ。
二人には共通点がある。野党時代、長妻氏は年金記録問題、馬淵氏が耐震偽装問題で民主党の実力を世間に見せつけ、政権交代への流れを作った功労者なのだ。だが、二人は2度の内閣改造で相次いでクビになった。「菅直人首相、仙谷由人代表代行の目障りだった」(3年生議員)からだ。
厚労相時代の長妻氏は脱官僚路線を省内で強力に推し進めたが、これに立ちはだかったのが、官僚に泣きつかれて彼らの守護神と化した仙谷氏だ。結局、官との融和路線に転換した菅総理は、昨年9月の代表選後の改造で前原誠司外相、野田佳彦財務相を温存する一方、同世代の長妻氏を更迭。滅多に愚痴をこぼさない長妻氏だが、ある議員には不満をぶちまけていた。
「仙谷さんとは3度大喧嘩して、1回は胸ぐらをつかみかけた。私についてのネガティブ情報を、官僚たちは財務省経由で菅・仙谷ラインに吹き込んでいた」
その長妻氏は2月10日に『招かれざる大臣』と題した新書を出版。「マニフェスト遵守など、菅政権に静かな『宣戦布告』をしている」(前出議員)
一方、馬淵氏も反執行部の姿勢を鮮明にし始めた。2月2日、40人以上の若手議員を集めて、事実上の「馬淵を総理にする会」を開いたのだ。出席した議員によれば、「前任国交相の前原さんは、八ッ場(やんば)ダムもJALも中途半端に食い散らかして馬淵さんに後処理をやらせたくせに、ちゃっかり横滑りで外相になった。尖閣問題だって、発生したのは前原大臣時代だ。同じ問責大臣の仙谷さんも代表代行に収まって、前原総理実現に動いている。馬淵さんはかなり頭にきている」。
そして馬淵氏はこの議員にこうはっきり宣言した。
「退任会見で『アイル・ビー・バック』と言ったのは、国交大臣で戻るという意味じゃない。総理として、だ。次の代表選には必ず出る」
次々に反菅勢力が決起する民主党。いよいよ断末魔が近づいてきた。