●民主分裂確定!原口“倒閣宣言”「赤い増税内閣を解体せよ」

(ZAKZAK:夕刊フジ 2011.2.18 21:00) http://p.tl/0DGt

“造反16士”よりはるかに大物の原口氏だが、菅降ろしの先頭に立つのか

 民主党の分裂を加速させる「倒閣宣言」が飛び出した。「ポスト菅」の1人である原口一博前総務相(51)が、近く発売される月刊誌「月刊日本」のインタビューで猛批判を炸裂させたのだ。タイトルは「菅政権は打倒せねばならない」。小沢一郎元代表(68)を「オヤジ」と慕う原口氏は、菅直人首相(64)がぶち切れ解散に打って出た場合、「違う選択肢を提示する」と政界再編も示唆。会派離脱を表明した16人とは格の違う“大物”の反旗で、民主分裂は確実な情勢となってきた。(夕刊フジ)

 《現在の菅政権は『赤い増税内閣』だ。浅間山荘事件と見紛うほどの内ゲバを繰り返し、目障りな人間を追い落とす》

 まるで野党の人間かと思うような痛烈な批判。これは原口氏が「身内の陰口」として披露したもの。同誌の特集「民主党を解体せよ」での舌鋒は激しく、菅政権の面々をメッタ斬りだ。

 まずは菅首相。昨年11月、横浜で開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で、手元のメモを見ながら中国の胡錦濤国家主席と会談したことを意識したのか、「官僚の書いた作文をそのまま読み上げているようでは、世界のリーダーとして真っ当な外交交渉が行えるはずもない」。

 改造内閣の目玉として与謝野馨経済財政相を入閣させたことにも「自民党政権時代に国民からNOを突き付けられた政治家さえも閣僚に起用するのは、理解に苦しむ」と切り捨てた。

 名指しこそ避けたが、他の閣僚もバッサリ。鳩山由紀夫内閣時代に外相だった岡田克也幹事長に対し、「足を引っぱっていた要素がなかったと言い切れるだろうか」。藤井裕久元財務相と野田佳彦財務相も「207兆円の国の総予算を徹底的に洗い出し、17兆円にのぼる新規の財源を生み出すと言っていた。しかし、事業仕分けは財務省主導の下に行われ、特別会計の欺瞞を暴くことができていない」と批判した。

 保守系の原口氏は昨年6月、左翼的要素が強い菅政権の発足に伴い、閣外に去った。昨年9月の民主党代表選では小沢氏を応援したとされる。今回のインタビューでも、小沢氏の強制起訴は「冤罪だと考えている」と語っている。

 そうした“親小沢”の原口氏が目指すのはズバリ、政界再編だ。インタビューでも「現在の民主党の枠組みに縛られるものではない。自民党であれ、みんなの党であれ、無所属であれ、志を同じくするものは皆、同志として力を合わしていく」と語り、菅一派と一線を画すことを宣言した。

 原口氏は来月、地域主権改革を進める政治団体「日本維新の会」の設立を目指している。大阪府の橋下徹知事や名古屋市の河村たかし市長とも連携を模索しており、橋下氏からは「地域政党の親分になってください」とエールを受けたとされる。

 原口氏が国中を巻き込んだ“菅降ろし”の先頭に立つ可能性も出てきた。



●『月刊日本』平成23年3月号 http://www.gekkan-nippon.com/

【特集】民主党を解体せよ 菅政権は打倒せねばならない 原口一博

菅総理はリーダーの器ではない?

菅政権の政権運営に、国民は怒りを感じている。

原口「現在の菅政権は「赤い増税政権」だ。

浅間山荘事件と見紛うほどの内ゲバを繰り返し、目障りな人間を追い落とす。」そんな陰口が身内からさえも出ているのは危機的だ。自民党政権時代に国民からNOを突き付けられたはずの政治家さえも閣僚に起用するのは、理解に苦しむ。
そもそも、民主党は結党以来、自民党を打倒すべく努力を重ねてきたのではなかったのか。
2009年の総選挙によってやっとの思いで倒したはずの自民党勢力が、ゾンビの如く蘇り、経済財政政策担当大臣の座に居座っている。
与謝野馨議員が社会保障改革会議に参加している姿を見ると、一体なんのための政権交代だったのかと疑問を禁じ得ない。
現在の政治状況は、新しい体制に移行する前の、「移行の停滞」の時期である。歴史は繰り返すと言うが、明治維新政府も幕藩体制から移行した当初、多くの混乱に見舞われた。

旧体制からの強烈な揺り戻しが起こった。
その混乱を収め、国家を一つの方向へと糾合していったのが、大久保利通を中心とするグループであった。
在の日本に求められている政治家は、国家を統合することのできる、ビジョンを実行に移すことができる統治のリーダーだ。それは半端な政治力では不可能だ。

何故、民主党は変節してしまったのか。

原口??鳩山政権はその後期より、目に見えて求心力を失い始めた。
それに反比例するようにして、現在のような増税路線を主張する勢力が力を持ち始めた。

鳩山政権瓦解の原因の一つは、財務、外務など〝務〟のつく大臣に象徴されていたのではないか。
〝務〟とは、国家を統すべる、統治するという意味であり、政権を運営する上で極めて重要なポストだ。
彼らが何よりもまず重視しなければならなかったことは、鳩山総理を全力で支えマニフェストの実行を何よりも優先させることであったはずだ。
ところが、外交問題では、当時の関係閣僚の意見がしばしば対立して、普天間問題における鳩山総理の決断をどこまでサポートしているのかわからなかった。
むしろ、自分こそがアメリカとの交渉人とばかりに、基地は県外・国外と言う総理とは裏腹の思いをもって足をひっぱっていた要素がなかったと言い切れるだろうか。

内閣は、旧態依然とした法務官僚の「暴走」を抑えることができたのか。小沢一郎議員を巡る一連の事件の背景は何か。私はあの事件は冤罪だと考えている。
財務大臣は、207兆円の国の総予算を徹底的に洗い出し、 17兆円にのぼる新規の財源を生み出すと言っていた。
しかし、事業仕分けは財務省主導の下に行われ、特別会計の欺瞞を暴くことができていない。
現在では、既得権益という無駄を削るのではなく、マニフェストの実現を削るという結果に陥ってしまっている。
地域主権改革についても鳩山総理の指導の下、一丸となって政権に協力しようとせず、抵抗する素振りさえ見せたのは、狭い省益、一部の官僚の論理を突破できない政務三役の非力さが出たものだったと考える。
政権交代は、あくまで手段だ。政権交代までの政治家と政権交代後も必要な政治家とでは、大きく責務も仕事も違う。
政権交代だけの政党ならば、そんな政党はいらない。
民主党はそのことを真摯に受け止め、政権交代の原点にたって反省しなければならない。