ドシロウトが小沢処分のバカバカしさ (日刊ゲンダイ2011/2/23)

党員資格停止

どこまでコトの本質を理解しているのか疑わしいが、民主党が小沢元代表の処分を決めた。党の常任幹事会が決定したのは、「判決確定までの党員資格停止」。小沢サイドは不服申し立てを検討しているが、やったところで覆る望みはない。連中は「小沢たたき」で凝り固まっている。結論は最初から決まっているのだ。

この日は、午前中に党の倫理委員会が開かれ、小沢が弁明した。それで菅首相は「丁寧に手続きを経て、党のけじめがついた」としたり顔で話していたが、「やったのはセレモニー。ハナから弁明を聞く気はなかった」(民主党関係者)というからバカバカしい。

倫理委員長の渡部恒三最高顧問は冒頭に「政治とカネにけじめをつけられるか。
国民の厳しい目が見守っている」とか何とか話していたが、弁明内容を理解できたのか大いに疑問だ。ある民主党議員は「倫理委員会の5人は事件のことなど全然知らない」と話していた。フガフガの渡部なんて特に怪しい。テレビで好き勝手なことを言ったりしているが、「政治とカネ」についての鋭い発言はゼロ。もわっとしたことしか言っていない。

小沢は弁明で、検察審査会の議決による起訴と検察による通常の起訴は違うと主張した。これに対して党は「一定の考慮は必要だが、本人が起訴された事実は重い」とした。考慮するといいながら、まったくしない。どんな形でも起訴されたら終わりというわけだ。これほどムチャクチャな話はない。

◆検察審への疑問にはダンマリ

「小沢さんは、検察審の議決そのものについても、疑問を投げかけています。検察審は議事録すら公開されていないから、本当に話し合いがなされたのか不明だし、検察官が法律に従って不起訴理由の説明をしたかどうかも分からない。すべて秘密のベールに包まれている現状でいいのか。また、議決した委員の平均年齢が、1回目と2回目で交代しているにもかかわらず34・55歳でまったく同じというのは、偶然にしてもあり得ない。これらは、だれもが抱いている違和感で、改めて党に見解を求めたのです。しかし、倫理委員会も常任幹事会も、この問いかけを完全に無視。答えようともせずに処分を決めたのだから、ちょっとひどい」(政界関係者)

逮捕された元秘書3人は、自ら罪を認めた秘書の事例と違って無罪を主張している。その現状についても、党は「公訴事実の認定は判断材料とすべきではない」と退けた。たとえ無実であっても、捕まれば自動的に処分される。まるで独裁国家だ。

こうなると、法もルールもへったくれもない。幹事会で「冤罪だったらダレが責任をとるのか」と声を上げた川内博史衆院議員は「処分の正当性が理解できない」と主張した。これが真っ当な判断だろう。思考停止状態の政党に、まともな政治は期待できない。



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