民主党が突っ走る大義なき自公民相乗り作戦 [4月都知事選の呆れた舞台裏]

(日刊ゲンダイ2011/2/23)

ワタミ前会長に続き神奈川県知事急浮上

4月の都知事選は、神奈川県の松沢成文知事(52=写真)の名前も浮上した。「都政関係者が擁立を検討」と報じられたのだ。本人は「ビックリしている。打診も連絡も一切ない」と言ったが、出馬については否定も肯定もしなかった。
こうなると、動向が注目されるのが、いまだ擁立候補が決まっていない民主党だ。党内からは行政刷新相の蓮舫を推す声もあるが、「フジテレビの世論調査で蓮舫の支持率は8・8%。石原知事(30・8%)どころか、前宮崎県知事の東国原(22・6%)にも大差で負けていた。出られる状況にありません」(民主党関係者)という。
かといって、ほかに独自候補を立てられる見込みもなく、なりふり構わぬ“押し売り作戦”を始めている。
すでに出馬表明したワタミ前会長の渡辺美樹氏(51)が都議会にあいさつに訪れると、都議会民主党の大沢幹事長ら幹部が、待ってましたとばかりに大歓待。勝手に渡辺支援に回ろうとする動きを見せている。
「石原知事が不出馬を決めた場合、自公が渡辺氏を後押しする可能性もある。その後から相乗りではみっともないので、どうせなら、先にツバをつけておこうと考えたようです」(事情通)
それだけじゃない。
「新党改革の舛添代表にも声をかけている」(事情通)というから、いよいよ何でもありだが、そこへもってきて急浮上したのが松沢だ。
「一部報道によると、石原知事らが後継候補として擁立を進めているともいう。真偽は不明ですが、不戦敗必至の民主党にとっりでしょう。松沢知事は松下政経塾出身で、03年まで民主党の衆院議員だった。石原知事が後継指名し、自公が支援に回っても、かつての仲間である松沢知事なら民主党も遠慮なく相乗りできる。その場合、野田財務相ら政経塾の先輩が松沢知事とのパイプ役になるのではないか。しかし、自公民の相乗りで選択肢が失われる都民は悲惨ですよ」(民主党事情通)
見苦しいまでの節操のなさ。これが本当に政権与党なのかと、心底ア然とさせられる。