ポスト菅に細川護煕元首相の名前まで出てきたゾ (日刊ゲンダイ2011/2/24)

永田町で「アレは何だったのか」とヒソヒソ話が交わされている会合がある。今月15日、元参院議員の平野貞夫氏が公明党の市川雄一常任顧問と会ったのだが、ここにもうひとり珍客がいた。細川護煕元首相(73)なのである。

さて、この会合が密かに関係者の注目を集めているのは理由がある。
平野といえば、小沢一郎元代表の懐刀。その小沢は民主党執行部から党員資格停止処分を受けて、“次の一手”が注目されている。自民、公明、社民が予算関連法案への反対を明確にし、民主党の小沢系衆院議員16人の反乱も明らかになった。このままでは菅政権はあっという間に行き詰まる。さて、そのとき、小沢はどう動くか。

関係者が注目している折も折、小沢側近の平野が細川と会ったのである。
「ポスト菅に細川さんもあるんじゃないか。そんな声すら出ていますよ。もちろん、細川さんは議員バッジをつけていないので、解散―総選挙で衆院議員になるのが前提ですけどね。ただ、細川さんは据わりがいいのです。ポスト菅は公明党の協力を得られて、参院のねじれを解消できなければしょうがない。市川雄一氏は、細川政権の時に小沢さんと一・一ラインと呼ばれるほど関係が深かった。細川政権がもう一度できれば、市川さんが窓口になり、公明党が協力する可能性がある。細川政権は7頭立ての馬車といわれ、社民党も連立与党だった。社民党からも協力を得られれば、政権基盤は盤石になります」(政界事情通)

◆93年の自民分裂とソックリの展開…

その細川は平野らとの会合で、菅政権を批判した。今年に入ってからは周辺に「民主党政権はおかしいのではないか」と漏らしているという。
「驚きました。細川さんは自身の陶芸作品が人気で、悠々自適の生活をしている。その細川さんでさえ、今の状況に我慢ならなくなっている。政治に無関心ではいられなくなったわけですからね」(政治解説者の篠原文也氏)

ひょっとしたら、ひょっとするのだ。
それでなくても、今の政治状況は93年の細川政権誕生前夜と酷似している。
「93年は予算成立後の6月に小沢一郎一派が宮沢内閣への不信任案に賛成、解散、総選挙になった。今度も最大の政局は6月に訪れると思います。菅政権は行き詰まり、民主党の代表選になるのがパターン①。小沢さん一派も代表選に候補者を立ててくるでしょう。しかし、ここで負けたら、党を出る。河村たかし名古屋市長や橋下徹大阪府知事らと連携して、首長連合のような政党を樹立、地域主権を旗印に選挙を戦うと思います。パターン②は予算関連法案がいつまでも成立できずに、不信任案が出され、小沢一派が賛成、成立するケース。菅首相は社会保障と税の一体改革とTPPを争点にして、解散を打ってくると思います。いずれにしても、小沢氏の行動で与党が割れることになるのではないでしょうか」(同)

小沢は近く、「日本改造計画」の第2弾を出版する。これも93年と同じパターン。歴史は繰り返されるのか。