スパイの巣窟だったのか!?国会図書館

(日刊ゲンダイ2011/2/24)

議員に広まる疑心暗鬼

外務省が今月18日に公開した外交文書に仰天すべき事態が記されていた。

外務省から1997年に国会図書館に出向していた専門調査員が、「国会議員の質問・資料要求事項」を「マル秘無期限」として、外務省に報告していた一件だ。
「議員の関心事項を知る上で有益」「取扱注意」などと記された情報は、各党17件にわたっていたが、これが見過ごせないのには理由がある。
「公開されたのは、97年12月下旬の1週間分だけ。出すべきものではないのに紛れ込んでしまったというのが真相でしょう。今回の文書作成者は、松井啓ブルガリア大使ですが、彼の後任は06年まで3人います。外務省からは86年から20年間にわたり7人が切れ目なく出向していた。組織的な裏の任務だった疑いも濃厚です」(永田町事情通)

国立国会図書館は、国会議員の調査や立法を支援するために専門調査員を配置している。国会の予算で運営されている国会図書館の調査能力は高く、与野党を問わず「知恵袋」として利用してきた。ベテラン秘書が語る。
「国会の予算委員会の質問でどんな角度から切り込むのかを国会図書館からの資料で絞り込んでいくのです。行政の不祥事などを追及する時には、秘密は漏らさないという点で国会の調査室よりも絶対の信頼感がありました」

衆参両院にも調査室があり、ここも国会議員の質問や調査のサポートをする。しかし、省庁からの出向者が働いているため、「注意が必要だった」(前出の永田町事情通)という。そのぶん国会図書館は信頼されていたのだが、裏切られた。
国会図書館には「真理がわれらを自由にする」という言葉が掲げられているが、看板が泣くというものだ。



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