●世界経済への大打撃:アジアにおける核戦争の可能性
2011年2月18日金曜日

『ウィキリークス・ウォッチ・ジャパン Wikileaksの翻訳まとめ等』より
http://p.tl/sNKc

原文翻訳
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 フランスはイランの現在進行中のミサイル開発と宇宙ロケット計画などの活動について懸念を再表明した。

 イランはミサイルの段化技術を習得する寸前であるように思われ、もし一度イランがこの能力を手にすることになれば、ミサイル技術管理レジーム(MTCR)関係国にとってさらなる脅威となるだろう。


 弾道ミサイルは、素早く目標を補足する能力(それゆえに、最小限の警告時間)、発射後に取り止めることが出来ない、飛行中の追撃可能性も低いなどといったユニークな特徴を持っており大量破壊兵器を使うために非常に適している。

 これらの性質は大量破壊兵器の射程距離と致死率を高める。そして、効果的な防衛方法がないことから隣国を脅迫強要したりすることを得意とする国にとって非常に魅力的であると言える。

 さらに、多くの国々が巡航ミサイル計画を弾道ミサイルの代わりや、補うことを目的として進めている。巡航ミサイルは、弾道ミサイルと同じく大量破壊兵器の発射に使用することが可能で生物化学兵器を散布する場合には弾道ミサイルよりも効果的である。

  そして、この傾向は中東、ペルシャ湾、北東アジア、南アジアなどの緊張が高い主要地域で顕著である。

 たとえば、イランは個体推進剤を使用したミサイル技術に関係するテストを数回行ったことを明らかにしていて、2000kmの飛距離を持つ二段ミサイルのデザインに取り組んでいることを示唆している。

 またイランは液体燃料ミサイルの性能向上にも取り組んでおり、シャハブ3ミサイルの派生型は2000kmの射程距離を持ち、更なる精度向上が実現されたと発表している。

 ミサイルに搭載された大量破壊兵器が国際経済に大打撃を与えうるのは北東アジアや中東にだけ限られるわけではなく、長距離弾道ミサイルの開発は大量破壊兵器が他の地域に対して使われるということも可能にする。

 南アジアにおいてもミサイル開発が同様の問題を引き起こすということも考えられる。世界で最も人口密度が高い地域である上にその国際経済への重要性が日に日に増加している南アジアは、核とミサイルにおける軍事競争がそのまま核戦争に繋がる可能性をも秘めている。
  
 すでに南アジアの核化の進んだ地域で観察されたように、この地域でのミサイル技術の獲得や発展は、やがてこの技術が他の地域に流失していくという危険性を伴っている。
 
 
原文:http://www.telegraph.co.uk/news/wikileaks-files/nuclear-wikileaks/8298531/MISSILE-TECHNOLOGY-CONTROL-REGIME-MTCR-REINFORCED-POINT-OF-CONTACT-RPOC-MEETING-APRIL-10-2008.html

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●東京公電2010年:日本企業によるイランとのウラン取引疑惑
2011年2月22日火曜日 

原文翻訳
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要件:イランとのウラン取引の可能性について、日本への調査要請

 代理EMIN(恐らくEconomic Minister Counselorの略 経済担当公使)は外務省、軍縮不拡散・科学部の中島明彦氏に1月4日、外交政策に関するメッセージを渡した。

 そして、カザフスタン政府とのアスタナでの議論についての詳細には立ち入らずEMINは12月30日付のカザフスタン政府による公式表明のコピーを彼に渡すことにより、この問題についてのカザフスタン側の断固とした否定について知らせた。

 中島氏はこの情報について感謝の念を表して、外務省はこの取引について調査をするとのことで、経済産業省にも相談してみると言った。

 さらに彼はアメリカ政府がこの問題について、取引の状態や出荷予定日などのさらに詳しい情報を提供できないかと聞いてきた。

 中島氏によると、日本政府はイランの天然ウランがもうすぐに底をつくというのを知っていて、イランが他の入手元を探すものと考えていた。今後、この種の取引について警戒し続ける必要性があると彼は提案した。

 だが、一旦日本の企業がこの問題に関与している可能性について気が付くと、安全保障貿易国際室長の高畠昌明氏は速やかに調査を開始すると言った。 
 
 彼が言うには彼の部署はこの問題に関連しているこれらの企業については余り詳しく知らないとのことで、そのため経済産業省の原子力部門と協力してこの問題に取り組むとし、恐らくこの部門はすでに今回必要とされている情報を持っているであろうとのこと。

原文:http://www.xs4all.nl/~aebr/wl/aftenposten/10TOKYO11.html
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