仙谷前官房長官に続いて渡部最高顧問も…仲間も「菅降ろし」の末期症状

(日刊ゲンダイ2011/2/28)

オフレコではみんなボロクソ

◆Xデーは予算成立直後

民主党の渡部恒三最高顧問が26日、菅に“見切り”をつけたことで、永田町は揺れている。
渡部といえば、反小沢の“重鎮”。数少ない菅シンパとみられていたからだ。その渡部が、1989年の竹下内閣が予算成立と引き換えに退陣した例を出した上で、「予算を通すことを、党よりも菅君よりも最優先に考えなければならない」「今ほど混乱している政局はない。さすがに菅だという態度をとってもらいたい」と言い切ったのである。
官房長官として菅を支えていた仙谷代表代行も2月中旬、公明党幹部に対し、首相退陣と引き換えに関連法案成立に協力を得られないか打診したといわれている。首相側近もオフレコではボロクソで、「3月危機のムードは出てきている」「統一地方選の前に、菅が辞めるのがベスト」などの発言が出ている。

渡部が「菅降ろし」を公言したことで、焦点はいつ、誰が、菅の首に鈴をつけるかに移ったといってもいいくらいだ。
「これがなかなか難しいのです。菅首相は6月までにまとめるとした『税と社会保障の一体改革』に、並々ならぬ意欲を持っているし、今や菅首相に退陣を迫れる人がいないのです。仙谷氏は、落ち目の菅に関わりたくないと外遊などして距離を保っている。兄貴分の江田法相は厳しいことを言えない性格です。進言できるのは妻の伸子さんぐらいでしょう。党内には『統一地方選前に何としても辞めて欲しい』との声も多く、伸子さんに直談判する議員が出てくるかもしれません」(政治評論家の浅川博忠氏)

その場合、ひとつの節目が衆院での予算案通過だ。
明日以降、4月の統一地方選前までにXデーが来るかもしれない。


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